PayPay Inside-Out People and Culture

PayPayが選ぶ、新しい働き方

2020.08.19

「ポストコロナ時代の働き方」が問われる今、PayPayにおいても思い切った舵取りが発表されました。PayPayが選んだ「新しい働き方」とは? PayPay人事部長 仙田厚毅さんに聞きました。

仙田 厚毅(せんだ あつき)

PayPay人事部

好きな場所と時間、自分で選んで成果を出す

– まずは、9月に導入予定の「PayPayの新しい働き方」について教えてください。

PayPayは9月から新しい働き方に移行することを発表しましたが、その新しい働き方の総称を「Work From Anywhere At Anytime」、略して「WFA」と命名しました。簡単に言うと、好きな場所と時間で、自分で働き方を選んで成果を出すというものです。

これまでは、技術や志があっても何らかの事情で土地を離れられないだとか、逆に会社から離れた場所に引っ越せないなど、働き方や暮らす場所が制限されてきました。ですが、成果をきちんと出すということを大前提にするなら、場所や時間ももっと自由でもいいし、例えば九州に住んでいても、北海道に帰省中でも、東京の人が京都に引っ越しても仕事は出来る。もっというと、世界のどこにいても「PayPayで働いています」というような働き方も実現できるんじゃないか、と考えたんです。

さらに言うと、今回まさにコロナが示したように、今後は今まで以上にいろいろな要因で、働き方や暮らす環境を変えていく必要がでてきます。そういうことを考えた時に、一つの場所に社員を縛りつける働き方は、もう、あまり現実的じゃないな、という感覚もありました。

また、PayPayにはある種、自分の役割を果たして成果を出せればOK、というような割り切った考え方もあるので、WFAのような働き方が成立しやすかったのかもしれません。

– 個人で成果を出せるからこそ実現できる働き方、ということでしょうか。

その通りです。今までは、会社という建物があって、そこに人が集まって同じ時間に仕事を始めることで会社への帰属意識や仲間とつながっている感を得られることはあったと思うんですが、それって考えてみれば、会社にとって一番の目的じゃないんですよね。

そもそも最終目的は「会社の事業成長である」と考えたときに、ひとりひとりがその価値を発揮することで会社の業績に貢献する、というのがあるべき姿なんじゃないかと思っています。そういう人たちは「自身の価値をこの場所で発揮できるのか?」という視点で集まってくるわけなので、組織としては、そういう集まり方のほうが強いんじゃないか、と。

一方で、「協働するからこそ生み出される価値」があるのも分かっているので、今回PayPayでは、WFAとオフィスの再定義を一緒に考えることにしたんです。

オフィスはコミュニケーションで新しい価値を生み出す場所

– オフィスの再定義というのはどういうことですか?

WFAを導入して「各自が在宅で成果を出す」となったときに、それでも残るオフィスの価値が何なのかを考えた、ということです。

PayPayの中にも当然、コミュニケーション・ロスをリスクに思うようなチームもあるし、世界から集まってくるメンバーの中には日本で孤独を感じる人たちもいるので、そういう人たちの受け皿になる場所は必要です。また、協働することで新しい価値を生み出せるということもあるので、オフィスを「みんなが集まる場所」という定義にして、ワイワイ、ガヤガヤした雰囲気の中で議論をしたり、アイデアを出し合ったり、それによって新しい価値を生み出せる場所にしていきたいと考えました。

9月半ばに新しいオフィスに引っ越すんですが、固定席はほとんどなく、みんなでディスカッションできる場をものすごくたくさん設けるなど、従来形のオフィスとはガラッと変えていますね。

基本的に一人での作業は集中できる場所でやる。それが自宅でも新しく設けるサテライトオフィスでも構いません。また、セキュリティなどの一定条件がそろえば、カフェや公共施設を使ったり帰省先や旅先でのワーケーションなども実現が可能です。

普段は個人で集中して仕事をして、たまにはオフィスに集まってチームでの新しい価値の発見や仲間との時間を共有するなど、在宅とオフィス両方の良いとこどりができる設計にしています。

今までのPayPayでの働き方からは、180度方向転換している感じですね。

PayPay 神谷町オフィス

「在宅絶対反対派!」から、真逆の方向へ

– そこまで振り切るのはなかなか大変だったと思いますが、PayPayでそれが実現できた理由を教えてください。

もともとの気質みたいなものはあるかもしれません。PayPayは「ソフトバンクグループ」の一員なんですが、その中でもフラットな組織、完全成果主義、完全年俸制で賞与はなし、昇給で年俸に報いるなど、グループのどの会社もやっていない制度を先頭に立って導入しています。独自路線というかチャレンジ気質がある会社で、これだ! と思ったことをすぐに決定して突き進み、徹底的に振り切れるどこかベンチャー的なスピリットももっています。

加えて、日頃から海外の企業の先行事例などを見ているので、日本企業としての誇りはあるものの、日本固有の慣習だとか働き方みたいなところは全くこだわっておらず、むしろグローバル化を進めていきたいという思いがあったので、完全に振り切ることはそう難しいことではありませんでした。

– WFAを導入するに至った経緯も教えていただけますか。

やはりコロナの影響はありますね。PayPayでも当初、原則在宅での業務に切り替えて営業活動もオンラインや電話で行うなどの対応を行いました。

もともとPayPayは、出社をして業務をするという働き方をしていたので最初は不安もありつつでしたが、後からこの在宅期間の事業成績を振り返ってみたら、意外にもマイナス影響はほとんどなかったことが分かりました。そこで初めて、実は在宅での勤務はパフォーマンスをあげる方法としても有効なんじゃないか、という考え方が出てきました。

次に社員アンケートを取ったところ、さまざまな意見はあったものの総じて前向きな意見が多く、急な環境変化の中でも、社員自らが成果を出すための工夫をそれぞれに始めていることがわかりました。もちろん職種によっては今も苦労している社員もいるとは思いますが、総合的に考えて、働き方を変えることが社員にとっても事業にとってもプラスになるという判断をしました。

実はPayPayはこれまで、「在宅絶対反対派」だったんですよ(笑)。でもこうした在宅期間の変化を経て、経営陣も含めて考え方が大きく変わって、かなりの短期間で本格導入が進んでいきました。これまでと真逆の方針であっても正しいと思うことをすぐに選択できるのは、PayPayの良いところだと思います。

あとこれは完全に結果論なんですが、コロナをきっかけに「最高のパフォーマンスを出す方法」を、これまでにない規模で真剣に実験できちゃった、ということもあります。期せずして、最高のパフォーマンスは在宅で叶う! という確信が持ててしまったので(笑)、「以前の働き方には戻らない」と完全に振り切れたんだと思います。

正解は自分たちで創り出す

-「最高のパフォーマンス」については客観的に測るのが難しい気もしますが、そのあたりはいかがですか?

成果主義を語る上で重要なのは、結果を把握すること以上に目標設定をどうするかだと思っています。それぞれの期待値がどこにあるのか、期待度がこうだから、この難易度は高いのか、低いのか。そして、この結果はその人にとってA達成なのか、C達成なのかといったところを、ある程度明確に仕組み化する必要があります。普段から顔を合わせることがない場合は特に、評価側が確信をもって評価ができて、評価される側も納得できる「目標と評価のしくみ化」が絶対に必要です。

成果主義を貫くための工夫や仕組みには以前から問題意識があったんですが、在宅になってさらに強い問題意識になりました。9月までに一気に変えることは難しいかもしれませんが、これは何としても変えていかなきゃいけないと思っているので、今、ありとあらゆる方法を検討しています。

– 単に働き方を変えるだけでなく、評価や会社のシステムそのものを変えていくことですね。

コペルニクス的とまでは言わないまでも、会社としての考え方が大きく変わる変換点だと思うんです。今までの当たり前が、全然当たり前じゃなくなるわけですからね。それも、自分たちが率先して価値観をひっくり返そうとしているわけですから、非常に面白いしワクワクします。

ここまで振り切っている企業はなかなかないので、もう完全に自分たちがロールモデルとなるぐらいの勢いで、全部を創っていく覚悟です。どこかに答えがあるのではなくて、自分たちで正解を創る、というような。今まさに、そういう刺激的な日々を送っています(笑)。

圧倒的可能性を秘めたプロフェッショナル集団で働くということ

– では最後に、WFAを導入してPayPayが目指すところを教えてください。

当面の目標は、みなさんの生活を便利にして、生活になくてはならない「スーパーアプリ」になることですね。決済を中心に、お金にまつわることがPayPay一つで完了する世界を創っていきたいです。

もともと、ライバルは「キャッシュ/現金」と公言している会社なので、いずれ「現金とPayPayどっちが大事?」と問われた時に、「PayPay!」ってみんなが言ってくれるようになったらすごいですよね。

PayPayには、そういう世界を本気で実現しようとしている人たちが集まっていて、かつ、プロフェッショナルとしてものすごい熱量で日々邁進しているので、ここで仕事をしていると個人的にもものすごく楽しいです。いうならば「圧倒的な可能性を秘めているプロフェッショナル集団」の中にいるわけなので(笑)。

人事部長としては、このインタビューを読んでPayPayで働きたいと思ってくれる人がいたらうれしいですね。

プロフェッショナルからの応募をお待ちしています!

仙田さん、ありがとうございました!

編集:PayPay Inside-Out編集部
※社員の所属等は、取材当時のものです。