PayPay Inside-Out People and Culture

”今”必要なサービスを コロナ禍で開発を急いだわけ

2020.11.12

PayPayは今年6月、アプリ上でテイクアウトの事前注文ができる「PayPayピックアップ」をリリースしました。プロジェクト開始からリリースまで約1カ月と、社内でも異例の早さだったプロジェクトの秘話を、2人の責任者に聞いてきました。

最初に、PayPayピックアップはどんなサービスなのかを教えてください。

大塚:PayPayのアプリから、飲食店のテイクアウト商品を事前注文し、店頭で並ぶことなく商品受け取りができるサービスです。アプリ内で決済するため、店頭での支払い行為も必要ありません。自宅や学校、オフィスなど、どこからでもPayPayを通じて注文ができ、移動時間を効率的に使えたり、店頭での接触機会も減らすことができます。今年6月にリリースし、9月には利用可能店舗数が1万を超えました。現在、決済額の20%が戻ってくるキャンペーンも開催中(11月15日まで)です。

PayPayピックアップのイメージ

お二人はプロジェクトでどんな役割を担っていたのですか?

大塚:サービスのコンセプトはどうするか、規約など契約関係をどう作るかなど、サービスをリリースするためにはとにかく決めることが多く網羅的に対応しました。開発チームはもちろん、プロモーション、営業、法務など社内の各部署や、外部機関との調整もしました。私が属する「事業推進本部」は、名前の通り、事業推進のために必要なこと全てにチャレンジする役割だと考えていて、「事業作りに必要なことは全部やっちゃおう」、そういうマインドで周りを巻き込みながらプロジェクトを進めました。

Bin:ユーザーが使うプロダクトそのものを設計し、作っていくのが役割です。法務、マーケティングなどの各チームからの要件を聞き取って、プロダクトにどのように取り入れるかを工夫しました。デザインチーム、開発チームと常にコミュニケーションしながら、設計通りにプロダクトを作っているか、計画通りに開発が進んでいるかフォローしていました。とにかく、ユーザーにとって使いやすいものにするということを意識していました。

わずか1カ月超でのリリースは社内でも異例の早さですよね。

大塚:サービスの構想自体は以前からあって、概要はなんとなく決まっていました。そんな時に新型コロナウイルスがあって、店頭での接触機会を減らすことができるこのサービスは、新しい生活様式にもぴったりだということで、数カ月前倒しでリリースすることになりました。

ユーザーの需要はもちろん、コロナ禍で売り上げを落としている加盟店様のビジネスの解決策として早くリリースしようという思いからです。PayPayには3千万人以上のユーザーがいるので、PayPayをお店にとっての新しい販路にしてほしい、厳しい状況を乗り越え商売を広げてほしい、そう考えていました。

ただ、普通は数カ月かかるプロジェクトなので、1カ月超でリリースと決まったときは、覚悟を決めて望まねば、と思いましたね(笑)。でも、いくら納期が短いからといっても、やるべきことを疎かにすると後々どこかでひずみが生じてしまいます。リリースまでのタスクの優先順位をしっかりつけ各部と密にコミュニケーションを取りながら、フル回転で一つ一つタスクを整理していきました。

Bin:普通の会社だといきなりスケジュールを早めると、「え、無理じゃない?」ってなると思いますが、PayPayでは日ごろから、変化や課題に「圧倒的なスピードで対応すること」を求められているので、今回のピックアップでも、プロジェクトメンバー全員が「無理だろう」じゃなく、「どうしたら期限までにリリースできるか」を一丸となって考えられました。みんなが「圧倒的スピード」を普段から意識しているからこそ、短納期でのリリースを実現できたんだと思います。

当時PayPayではすでにほとんどの社員が在宅勤務に移行していました。在宅勤務で、しかも超高速でサービスを作っていくのは大変ではなかったですか?

Bin:慣れるまでは少し大変でしたが、あまり支障はありませんでした。そもそもプロダクトチームは、開発拠点がインドにもあって毎日オンライン会議をしているので、リモートでのやりとりに慣れています。毎日チャットでたくさんのメッセージをやりとりし、リモートでも多くの人を巻き込みながらプロジェクトを進められました。

大塚:直接顔を合わせられないからこそ、プロジェクトメンバー同士がコミュニケーションしやすいオープンな雰囲気づくりをSlack内でも意識しました。リモートでは、やりとりの大半がチャットになるので、メンバー同士が気軽に投稿し、議論しやすい空気を作りたいなと思って、スタンプによるカジュアルなリアクションも多用するように意識していました。

サービスづくりで心掛けていることはなんでしょう?

Bin:多くの人を巻き込むことですね。巻き込めば巻き込むほど、開発したサービスが社会に大きなインパクトを与えられると思っています。

今回のPayPayピックアップでは、リリースから約3カ月で利用できる店舗が1万店にまで増え、そのスピードにとても驚きました。営業やマーケティングなど、社内の各部署のプロフェッショナルたちが奮闘してくれたおかげです。優れたサービスを世に出すためには、開発チームだけで頑張っても無理で、多くの人と協力することが大事です。PayPayには営業やマーケティング以外にも、各分野にたくさんのプロがいることが最大の強みだと思っていて、その強みを生かすためにも「たくさんのプロを巻き込んでプロジェクトを進めよう!」と強く意識していますね。

最後に、PayPayピックアップをどんなサービスにしていきたいか教えてください!

Bin:アプリづくりは、常に改善していくもので、終わりのないものだと考えています。リリースしてからの4カ月間、2週間に1回の頻度でリリースや改善を重ねてきましたが、課題をまとめたノートにはまだまだ大量の項目が残っています。改善を続けより良いサービスにしていきたいです。そしてそれは、PayPayピックアップに限らず、すべてのアプリに共通して考えていることですね。

大塚:PayPayピックアップは生まれたばかりのサービスで、もっともっと使いやすくできると思っています。

「改善を圧倒的なスピードで」というのはPayPayでは皆が意識していて、リリース後も超高速でPDCAサイクルを回し、サービスをグロースさせています。課題を自分たちで考えるのはもちろん、Twitterからのユーザーの意見や現地のお店の意見も多くヒアリングするようにしています。

テイクアウトは今まで、電話注文などが多かったわけですが、PayPayピックアップができて、ユーザーに新しい「選択肢」を提供でき、お店にとっては新しい販路の創出にもなりました。これからもユーザーとお店に新しいソリューションを提供できるよう、他のアプリの開発と並行してどんどん改善していきたいです。

大塚さん、Binさんありがとうございました!

協力:Chizuko & Bin / 執筆・編集:Daiki (PayPay Inside-Out編集部)
※社員の所属等は、取材当時のものです。