PayPay副社長が語る!PayPay誕生秘話とこれからの成長戦略

PayPay Inside-OutではPayPayの人や文化を数多くご紹介してきています。今回は満を持して馬場副社長が初登場。 “PayPay”という名前がまだない頃からのエピソードや、副社長の立場から見る今のPayPayとは?熱い情熱と温かい人間味を持ち合わせる馬場副社長の頭の中を覗いてみました。
馬場 一 (ばば はじめ) PayPay株式会社 取締役副社長執行役員 COO 事業推進統括本部長 1988年株式会社日本ソフトバンク(現ソフトバンクグループ株式会社)入社後、2015年よりSBパワー株式会社(電力事業) 代表取締役社長、また2016年よりソフトバンク株式会社コンシューマ事業・エナジー事業推進本部執行役員本部長、2017年7月Classi株式会社取締役を歴任。 2018年5月よりソフトバンク株式会社プロダクト&マーケティング統括ライフスタイル推進室の執行役員室長を務める。同年6月PayPay株式会社取締役副社長執行役員COO就任、2021年4月より事業推進統括本部長兼任。趣味はサウナとゴルフ。

成長戦略と現在のPayPay

10月から決済システム利用料有料化も始まり、PayPayはまた新たなフェーズに入りました。 今後PayPayが目指す姿と現状の課題を教えてください。

PayPayは、設立当初の計画から比べて予想より高い数値で3年目をクリアすることができました。

高い目標数値を超えてきたということは、ユーザー数も加盟店数もかなり大きなプラットフォームに進化したということ。現在はこの大きなプラットフォームをうまく活用すれば、決済ビジネスで会社は維持できると分かっています。ただ維持するだけではだめですよね。しっかり儲けていかないと!会社が続けられませんから。

そのために今後は先日の記者発表会でもお伝えしたように、儲ける仕組みづくりが重要になります。PayPayが加盟店に何かサービスを提供したとして、PayPayは儲かったが、加盟店は儲かった実感がない、というようではダメなんです。加盟店が儲かったから、自分たちPayPayも儲かった、という仕組みが必要ですね。その仕組みをこれからの成長のベースとしていきたい。加盟店とともに成長していく、これが今後のPayPayのあるべき姿です。

では現在のPayPayについて教えてください。馬場さんの考えるPayPayらしさ、とはなんでしょうか?

色々な国から来てPayPayにジョインしてくれた人、さまざまな経歴をもった人、ひとまとめにできない多種多様な人がPayPayには集まっています。だからこそPayPayには「これがPayPay」という型にはまったものが無いし、それがPayPayらしくて良いことだと思っています。PayPayはこうでないといけない、PayPayにいる人はこういう人でないといけない、など決まりきったものはないです。だからこそ国籍、居住地、バックグラウンド問わず働ける。多様性、という言葉が最近よく聞かれますけど、PayPayは型にはまっていないからこそ、もうすでに多様性を活かした理想とする姿になっていると思いますよ。

その多様性を活かした環境下ではさまざまな意見が出てきます。何が正しいのか、何がユーザーファーストなのか、立場関係なくデータに基づいた議論をして、物事決める。そうした過程を経て決まったことに全員で突き進んでいく、というのがPayPayの文化になりつつあるんじゃないかな。

馬場さんは、社内のSlack投稿に対して頻繁に反応してくださっているのが印象的です。 社員とのコミュニケーションにおいて意識していることはなんでしょう?

コロナ禍のリモートワークでは、ちょっとした雑談がしづらくなりましたよね。私がオフィスで仕事をしていた頃は、前を通った人に声をかけて仕事の話をしたり、近くに座っている人と何気ない会話をして楽しんでいました。

そこでWFAが始まってからは、オフィスにいた頃のように何でも話せる場を作ろうとslackチャンネルを作ってみました。コミュニケーションを意識して、というより私がみんなと話したかったんですよ!

チャンネル開始当初はオフィス出社時代に席が近かった人たちに入ってもらって、朝の挨拶とか、週末の予定とか、どこどこのお店で導入してくれてたとか、最近のニュースなどを話していましたね。通りがかった人とちょっと立ち話のような感覚で話しかけてもらえるよう、このslackチャンネルは誰が来てもいいし、好きなときに抜けていい、と決めています。とくに抜けるのは少し躊躇することもあると思うけれど、抜けたかったら気を遣わず好きに抜けていいですからね。そういった、いつでも会話できる環境作りをしているつもりです。

3年間ふりかえり

馬場さんがジョインされた当初のPayPayの様子はいかがでしたか? インド視察に行かれたとか?

インドは12,3人で行きましたね!ソフトバンクグループが出資しているPaytmというコード決済事業者に、どんなことやってるんだろうって見に行ったんです。そしたら、インドは日本より早い段階でQRコード決済事業が進んでいました。Paytmは、インドで最も普及しているスマホのコード決済システムを提供していて、そのQRコードが個人経営の間口の狭い小さなお店や屋台などあちこちにありました。

実はインドはATMが少ないんです。そんな中どうやってQRコード決済を普及させたのかPaytmの担当者に聞いてみると、まずオフラインの店を増やす、そしてオンラインの店も増やし、公共料金の支払いができれば普及させられるとのこと。特別なことは何もなく、当たり前のことでしたね(笑) その当たり前をPaytmはコツコツやってきて、インドでは実際にQRコード決済が普及していった。じゃあ、日本でもやってみようと帰ってきました。 それからというもの、PayPayという名前もない、提案するために見せる実物もない、概念しかないものを売りに行く、通称ファンタジー営業をしていました。その頃の営業は本当に大変だったと思います。

あちこちの企業に拝み倒してPayPayを導入してもらい、多くの人の努力の結果、ついにサービスを開始したPayPayアプリと第一弾の100億円キャンペーン。私は大変だったことはすぐ忘れるタイプなんだけど、さすがにキャンペーン始まったときは目が回るくらいバタバタしていて、私の血圧も高かったのを覚えてますね(笑)

第一弾100億円キャンペーンを振り返って一つだけ言うとするなら、アプリリリース時キャンペーンは10日間で終わっちゃダメ!PayPayを使ったことが無い人がPayPayに興味を持ってくれたとしても、1カ月くらいなければ既存ユーザーからPayPayについて聞いて、勉強して、さあ使ってみよう!とならないですよ。

PayPayリリース前の面白かったこととしては、PayPayという名前が決まったとき。社員のみんながすごい嫌そうだったなぁ(笑)今では主流の「社名+pay」という方向で関係者たちが考えていたけれども、私はどの会社の色もつけたくなかったんですよ。ソフトバンクに関する名前をつけてもYahoo!の名前をつけても、そのサービスを使っている人だけが使うようなイメージになってしまう。そういった固定概念を持たれることがない、もっと中性的なものにしたかったんです。ユーザーがすでに使っているサービスに関わらず、日本全国みんなが使う決済システムにしたい。 そう考えると既存の社名を冠するサービス名は違うと考え、「社名+pay」の名称を提案してきた側にはっきりと反対しましたね。

PayPayと決まってからは、「PayPayと言うのも恥ずかしい」という人もいましたが、見ていろ3年で誰もが入りたくなるような会社になるから、と声を大にして言っていた。実際にそうなっていませんか?

その後圧倒的なスピードで拡大していきましたが、その要因となったことは何だとお考えですか?

まずは外的要因がありますね。キャッシュレス還元事業、マイナポイントなどの外的要因が大きい。その外的要因に対してプロダクトのメンバーが迅速に対応して、ユーザーファーストでアプリを作り上げた。プロダクトのメンバーは常に全力で最高のものづくりをしてくれているので、その結果生まれたPayPayの製品力もまた成長要因の一つです。

今後はスーパーアプリを目指していきますが、使えるミニアプリの数がただ多いだけではダメ。一つ一つのサービスをユーザー目線になって考えていかないと。プロダクトメンバーやサービスの担当者が必死になってユーザーのニーズをくみとって、より便利に使えるか必死に考えていかないとですね。性別、年齢問わず使えるものであることはもちろん、ユニバーサルデザインであるとか、さまざまな目線が必要です。

急成長を遂げる組織を動かすうえで、馬場さんがより意識的に行ったことは何ですか?

意見を聞くことです。3年経った今では以前より金融業界、決済事業から来た人が増えてきました。ただ立ち上げ当初は、携帯電話を売っていた人、広告を売っていた人、など金融や決済と関係ない人ばかりでした。金融や決済事業を経験したことが無い人ばかりの状態で、事業を立ち上げて進めていくには、どの立場の人の意見が正しい、などではなく、データに基づいた根拠のある意見を出し合わなければならなかった。立場や経歴など関係なくフラットなんです。バックグラウンド問わず根拠・データを持っている人は意見を出して、議論して決めていくのがPayPayの文化になりつつある、とお話ししましたがPayPay独自の成長過程から生まれた文化でしょう。だから私は組織の立ち上げ時も今も、意見を聞くことを常に意識しています。

今後の組織

PayPayの現在の課題と目指す姿を教えてください。

現状の課題はこの3年、さまざまなキャンペーンをしても、PayPayが発信する声が届いてない層があること。声が届いていない人々にどうやってアプローチするか、今の手法では響かないのならば、どうやってコミュニケーションしていくか。そのための手段や中身をしっかり考え、実行できる組織にならないといけません。

日本中の人にPayPayを使ってもらいたいけれど、まだまだ日本中と言うにはユーザー数が足りていない。どんなに良いものを作っても使う人が少なかったら意味がないでしょう。いま私が担当しているマーケティングや営業のパワーで、ユーザーや加盟店の増加だけでなく、決済回数や売上の拡大に貢献していきたいです。

PayPayの目指す姿に必要な人材はどのような人でしょうか。また、PayPayで活躍している人にはどのような特徴があると思いますか。

データに基づいて話ができる、論理性、数字を見る力がPayPayには必要。

何より情報革命で人々を幸せにしたいという熱い想いがある人がいいですね。個人的には私の尊敬する孫さん(ソフトバンクグループ株式会社取締役会長兼社長)を好きな人だと嬉しいなぁ。

PayPayへの入社に興味がある方へのメッセージをお願いします。

PayPayに入社する=時流にのる、ということでしょう。PayPayでやりたい仕事が決まっているならば、とりあえず入ってみたら?と言いたいです。入社前に不安はあるにしても、来てから仕事を決めるわけじゃないから、自分のやりたいことにチャレンジして欲しい。

失敗しても大丈夫。二度同じパターンの失敗はくりかえしてほしくないけど、どんどんチャレンジしてほしい。チャレンジしないことがよくないから。

チャレンジしたい人、革命を起こしたい人はぜひPayPayに来てください!

【編集後記】
取材がはじまった瞬間からばっちり笑顔で撮影に臨んでくださった馬場さん。グループ会社の役員を歴任しており、メディアにもよく登場する方ですが、とても気さくで待ち時間には趣味のお話しで盛り上がりました。 分かりやすくシンプルでありながら熱い想いのこもったお話しぶり、人と人とのコミュニケーションを大切にされている姿勢が人望の厚さの所以であると感じました。
執筆・編集:Keiko(PayPay inside-out編集部) ※社員の所属等は、取材当時のものです。