PayPay Inside-Out People and Culture

中山社長に訊く、All About PayPay!

2020.10.14

PayPayについて、他では読めないあんなことやこんなこと。社長の中山に聞いてきました!これさえ読めば、PayPayの今も未来も丸わかり!?

中山 一郎(なかやま いちろう)

PayPay株式会社 代表取締役社長 執行役員 CEO

1994年
国際デジタル通信株式会社(現株式会社IDCフロンティア)入社
2011年
株式会社IDCフロンティア 取締役
2012年
ヤフー株式会社 入社
2013年
株式会社IDCフロンティア 代表取締役社長
2016年
株式会社一休 取締役副社長
2017年
株式会社一休 代表取締役副社長
2018年
株式会社一休 代表取締役会長 / ヤフー株式会社 執行役員 コマースカンパニー予約統括本部長
PayPay株式会社 代表取締役 社長執行役員 CEO(現職) / ヤフー株式会社 常務執行役員
2021年
Zフィナンシャル株式会社 取締役(現職)
2022年
福岡ソフトバンクホークス株式会社 取締役(現職)

社長が考える「PayPayの評価」

まずは、サービス開始から約2年、ここまでの中山さんの評価を聞かせてください。

当初立てた事業計画に対して、かなり前倒しでいろんな目標値をクリアしているので、想像以上の成果だと思います。キャッシュレス決済市場は、50年近くクレジットカードが牽引してきましたが、個人消費が約300兆円と言われている中の60兆円程度でしかありませんでした。目の前に広大な更地が広がっていたところに、PayPayはきちんと切り込んでいけていると思います。

大きかったのは、「モバイル決済、キャッシュレス決済=PayPay」という「第一想起」を取れていることです。「キャッシュレス決済と聞いて思い浮かぶサービス」として、クレジットカードを上回ってトップを維持しています(※自社調査。選択肢を提示しないフリーアンサーでの回答)。トップだからこそ政府の還元策などが始まったとき、真っ先にPayPayを使ってもらえるので、第一想起はとても重要だと、骨身にしみて感じているところです。一方で、業界に逆風が吹いているときも、PayPayはトップだからこそ真っ先に矢面に立って説明していかなくてはならない。そんな責任も感じています。

1番になった上で、中山さんの考えるPayPayの目指す姿を教えてください。

よくメディア向けの取材などでは「スーパーアプリになる」と言っているんですが、実は「スーパーアプリ」は目指すものではなく、あくまで結果としてなるものだと考えています。

例えば人々が生活していて、「困ったな」、「もっと便利なものがないかな」というときに、「とりあえずPayPayを開いて解決策を探そう」、「PayPayなら何かできるんじゃないか」と思ってもらえるサービスにしたいですし、暮らしになくてはならないツールになっていきたいですね。それが結局、スーパーアプリと呼ばれるものなんだと思います。

※スーパーアプリ:日常生活のあらゆる場面で活用できる総合的なアプリ。PayPayは決済サービスだけでなく、金融やオフライン予約をはじめ、「暮らしを便利にする」幅広い機能を網羅してスーパーアプリ化していく。

具体的には、どんなサービスやツールになるんでしょうか?

今でも、テイクアウト商品を待たずに受け取れる「PayPayピックアップ」や、タクシーの予約など、単なる決済以外の機能がたくさんあります。それ以外にも、サブスクリプションや、生活していく中であったらいいなと思うサービス、ユースケースをどんどん作って提供していきたいです。

特に、良くも悪くも長年変化がないような業界やサービスには、変革のチャンスがあると思います。例えば金融サービスなどは、僕たちのテクノロジーを使って切り込む余地がありそうですよね。

「変革」をもたらすために中山さんが社長として大事にしていることはありますか?

従業員のチャレンジを後押ししていく雰囲気は大事にしたいです。PayPayの従業員は今、数千人を超えるまでになりましたが、文化としては永遠にベンチャー企業のままでいたい。僕たちは、今までだれもやっていないサービスを手掛けているので、前例がないチャレンジに失敗はつきものです。大事なのは失敗したときにスピーディーに改善していけるどうかで、チャレンジを応援していくベンチャーらしい雰囲気はとても重要だと思います。

一般的に大企業には社内外にたくさんしがらみがあって、思うような変革ができないこともあります。でも、PayPayは新しい会社だからこそしがらみがないんです。何も持たない強みって大きいと思います。しがらみは関係なく、新しい切り口、ユーザーの立場でサービスを作れば、大きな変化や変革を起こせると思います。

この2年でサービスは成長しましたが、守りに入ればすぐに新しいプレーヤーにやられてしまう。成功は振りかえらないでむしろ否定して、その時々に、ユーザーや加盟店のために何ができるか、これを考え続けることが大事だと思います。

それと同時に、キャッシュレス業界のリーダーとしての自覚を持って、模範的社会人の姿勢を従業員全員で実践していきたいですね。

異文化の衝突が、いつしか強みに

魅力的なサービスづくりにもつながる、PayPayの組織としての強みはなんだと思いますか?

やはり多様性ですね。もともとソフトバンク、ヤフー、インドのPaytmから社員たちが集まってできた会社ですが、最近は中途入社者もどんどん増えて多様化しています。

従業員の出身国も30カ国以上で、多様なバックグラウンドを持つ人が多い。だからこそ新しい気づきも生まれるし、自身の成長につながる部分が大きいと思います。

例えば人事制度一つをとっても、多様性と向き合っていくことで、これまで各社でやってきた日本的な人事制度は本当にPayPayにふさわしいものなのか、世界基準で考えるようになります。それって、より良い制度に改善できるチャンスがあるということですよね。多様である分、他の会社では得られない経験ができるし、従業員が得られる「気づき」が多いんだと思います。

確かに多様性を大事にし、お互いを尊重しながら仕事をしている従業員が多いイメージがあります。

今うまくいっているのはあくまで結果論で、創業当時は、実はビューティフルな感じでは全くなかったんです。当時はあらゆる文化の衝突具合が半端なくて、「何を言ってるのかわからない」、「相手のここが悪い」とかばっかり言い合ってました(笑)。だって、まず使う言語が違って、お互い何を話しているかも分からない状況なので、それは衝突しますよね。

なぜそこから、今のような「多様性万歳」という価値観に変わったのかは、僕もまさに渦中にいたので正直よくわからないんです。ただ、いろんな人と話をすると、自分の小さな経験とか殻を超えた新しい価値観が得られることってあるじゃないですか。そういう小さな成功体験の積み重ねが、お互いを尊重し合って高めていく文化につながったんじゃないかと思います。PayPayはこの2年、新しいことに挑戦し続けてきましたが、多様な意見を戦わせることでより良いものを作ってこられたと感じます。

プロとしてどこでも通用できる人材に

話は変わりますが、PayPayは日本企業では珍しい成果主義に振り切った会社ですが、なぜこのような制度にしたのでしょうか?

究極的に従業員ひとりひとりに求められるのは、成果を出して業績に貢献することです。その貢献度によって給料も変えるというのはある意味自然で、「なぜ成果主義に振り切っているのか?」と聞かれても、僕の中では当たり前すぎて、全く疑念がないんです。他の会社にあるような階級もPayPayにはないので、あくまでフラットに「成果」に基づいて評価をしていくという考えです。

ズバリ、中山さんが求める人材とは?

僕が求めているのは「プロフェッショナル」です。変化の激しいキャッシュレス業界に対応し、自分のミッションに「圧倒的スピード」で成果を出すプロ。「私アマチュアなんですけど、転職したいです」って言って転職できる人っていないじゃないですか。会社に隷属的になるのではなく、プロとして自分の市場価値を高めてほしいです。

PayPayのために人生をささげてもらうとか、会社に骨をうずめてほしいとかは全く思っていないので(笑)、自分のための人生を歩んでほしいです。PayPayで働く中で、皆がどこへ転職しても通用できるような人材になってくれればうれしいですね。

9月からは、働く場所、時間を自由に選べる新しい働き方も始まりましたね。

「Work From Anywhere At Anytime」ですね。最高のパフォーマンスを出すための働き方です。僕自身、出勤がなくなって打ち合わせもどんどんこなせるので、すごく生産的になりました。毎朝6時から1時間のランニングも始められましたし(笑)。

働く場所は変わっても、成果を出すとか、常にユーザーや加盟店の視点でサービスを考えていくとか、根本の部分は変わりません。この制度自体にも固執するつもりもないので、柔軟に変えていきたいですね。課題があればスピードをもってどんどん改善していくのが「PayPayらしさ」です。まだ始まって1カ月ですが、すでに改善ポイントがたくさん見つかっているんじゃないですかね。

夢は「世界一のフィンテック企業」

新型コロナウイルスの影響で世界が一変しましたが、PayPayへの影響はありますか?

いろいろな影響がありますが、こういう機会を「災難」と思ってはだめですよね。チャンスだととらえないと。

緊急事態宣言が出た4月、PayPayにオンラインサービスがもっとたくさんあれば、ユーザーが増えたと思います。でも、今更それを後悔しても仕方ありません。その後、「PayPayピックアップ」というテイクアウトのサービスを始めたように、今後もユーザーのニーズの変化に対応していければビッグチャンスになると思うし、マネタイズにもつながると思います。圧倒的なスピード感をもって変化に対応し、サービスを作っていくことが何より重要です。

圧倒的なスピード感をもって変化に対応する。これがまさにPayPayのカルチャーですね。

そういうカルチャーであり続けたいですね。

1番を目指したい人が集まって、皆で変化をしながら目標に向かって突き進んでいければ、会社としてもサービスとしても、もっともっと強くなると思っています。

最後に改めて、PayPayが目指す将来像について教えてください。

たくさんの競合サービスがある中、「キャッシュレス決済といえばPayPay」、この第一想起を取り続けることはとても重要です。これは、世界一を目指すくらいの勢いでないと維持できないと思っています。

世界の「デカコーン」と呼ばれる巨大ベンチャーの中には、フィンテック関連企業がたくさんあるので、こうした企業に肩を並べ、さらには超えていきたいです。

そのためにも、今後は国内だけでなく世界中の人がPayPayを使えるようにするつもりです。詳しくはまだ言えませんが、外国人が日本へきたとき、自国で使っているキャッシュレス決済のアプリがあればPayPay加盟店で買い物ができる。そんな仕組みを広げていきたいです。

創業から2年、「PayPayなら何か社会にインパクトを与えてくれそう」というイメージを持ってくださる方が増えてきているのを感じています。その期待に応えて、今後も社会を揺り動かす代表であり続けたいですし、その期待を超えていくような会社にしていきたいですね。

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協力:Ichiro Nakayama / 編集:daiki (PayPay Inside-Out編集部)
※所属等は、取材当時のものです。