デザイナー初のオンラインイベントを開催しました!
こんにちは、PayPayプロダクトデザインチームです。
先日8月2日に、Design at PayPay Vol.1オンラインイベントを開催いたしました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。この記事では、当日参加できなかった方のために、イベントの内容をご紹介いたします。
今回が初となるデザイナー主催のオンラインイベントで、第一回目のテーマは「PayPayデザインチームの裏側」。
Agenda
PayPay デザインチームの紹介

PayPayデザイナーのミッション
私たちは、ユーザーのお金や金融に関わるあらゆるタッチポイントをアップデートするというミッションを掲げています。日々の暮らしはもちろん、住宅や自動車などの大きな買い物、そして退職後の資産形成など、支払いや金融に関わるタッチポイントはユーザーの人生において重要な役割を果たしています。私たちは常にユーザーに寄り添い、PayPayの力ですべてのタッチポイントをアップデートすることで、ユーザーの不便や将来への不安を解消したいと考えています。

チーム構成 – プロダクトライン
現在PayPayのデザインチームは大きく4つに分かれており、各チームには4〜6名のメンバーが所属し、合計約30名ほどのデザイナーが異なる分野を担当しています。また、チームに所属せず横断的な活動を行っているメンバーもいます。彼らの役割はUX Strategist, UX Writer, Visual Animatior, UX Consultantなど様々で、彼らはすべてのチームメンバーと横断的に仕事をしています。チームメンバーの出身国や背景も、非常に多様性に富んでいます。

チーム構成 – 分野に特化した4チームの紹介
- Core Features
アプリ内の様々な機能のタッチポイントとなるホーム画面やポイントの確認画面、キャンペーンの設計など、アプリの成長や戦略に欠かせないプロジェクトを担当しています。 - Payment
アプリの根幹であるコード支払い機能のUX改善のほか、Webや3rd partyサービスでのPayPay支払いのUXデザインを担当します。 - Online to Offline
ユーザーが買い物に行く前にクーポンを提供することで来店を促進するオンラインとオフラインを繋ぐサービスや、加盟店向けのツールのデザインなど、toC/toB両方のデザインを担当しています。 - Finance
クレジットカードや銀行、資産運用、ユーザーの資産管理など、複数の金融サービスを担当します。

チーム構成 – ワーキンググループ
横断的に活動する4つのワーキンググループがあります。メンバーは自主的に好きなグループに所属することができ、そこで横断的に活動することで、デザイン作業の効率化やチーム同士の交流、情報のシンクアップを行っています。
- Design System
約30人のデザイナーが1つのプロダクトデザインを行う中で、一貫性が損なわれたり、コンポーネントのコンフリクトが起こるなど、様々な課題があります。このグループではデザイントークンやコンポーネントのルールを定めて、誰でも利用できるFigmaライブラリを運営しています。Design Systemを効率的に利用することで、デザイナーの作業効率やUI品質は格段に向上しています。 - Design ops
自主的に立ち上げられたメンバーによるグループであり、最近発足したばかりです。効率的なデザイン作業を実現するために、デザイン環境における課題の発見とそれに伴うアップデート・改善を推進しています。 - UX Bestie
主にユーザーリサーチの実施と啓蒙に取り組んでいます。PayPayは発足から約5年が経ちましたが、初期の段階ではPDCAサイクルの改善速度を重視していたため、リサーチに十分な時間を充てることが難しかった時期がありました。今後はより積極的にユーザーリサーチを実施しユーザーの声に耳を傾けるべく、社内での事例作りや啓蒙活動などを行って、ユーザーエクスペリエンスの向上に努めています。 - Design Chit-Chat
PayPayデザイナーの活動を社外に発信する活動を行っています。今回のMeet upイベントやこの記事もChit-Chatチームが運営しているもので、今後はさらにデザインに関する記事の発信やイベント登壇を増やして発信力を強化していきたいと思っています。

クオリティコントロール
PayPayのデザインチームは、非常に活発なデザインレビューを実施しています。週に2回、デザインチーム全体のミーティングが行われ、そこではフォーマルな承認会議ではなく、カジュアルな雰囲気でUXに関する相談が行われます。各メンバーはアジェンダを提出し、自身のデザインを他のデザイナーにレビューしてもらい、有益なフィードバックを得ることができます。フィードバックの方法は口頭、Figmaへのコメントなど様々です。
チーム内では個別のレビュー会も行われていて、細かいUIの検討や評価はSlackを活用し、複数のUI案を提示して投票を行うこともあります。ここで案を絞り込み、その後のABテストなどを効率的に進めることができるようになっています。

また、デザインチームはDesign Systemを積極的に活用しています。基本的なUIコンポーネントがライブラリに整備されており、色やタイポグラフィのガイドラインも明確に定められているので、デザイナーはライブラリを参照するだけで簡単に一貫性のあるUIデザインを実現できます。この仕組みにより、プロジェクトの初期段階から高品質なUIデザインのコンセプトを提案し、効率的なプロジェクト進行を行うことが可能です。また、コンポーネントの活用により、一定水準以上のデザイン品質を確保することも可能です。
PayPayのデザインワークフロー

PayPayにおける一般的なデザインワークフロー
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調査
- デザイナーは通常、戦略的なロードマップや企業の目標に基づいて、実現すべき課題に関するアイデアをリサーチし収集します。この時、カスタマーサポートやユーザーインタビューから得た情報を活用してアイデアを得ることがあります。
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戦略
- 戦略の策定において常に重要視しているのは、具体的なデザインや開発に着手する前に、まずユーザーとそのニーズを深く理解することです。ユーザージャーニーマッピングを通じて、ユーザーの視点から課題を明らかにし、最適なユーザーエクスペリエンスを確認します。その後、特定の課題を抽出してCTR低下の要因を洗い出し、仮説を立てると、プロジェクトマネージャーはデザイナーとの緊密な連携を通じて、PRD(プロダクト要件定義書)の作成に取り組みます。
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実行
- デザイナーは、デザインを総合的で一貫性のあるものにするため、デザインシステムチームやUXライターと緊密に連携しています。
- デザイナー同士のコミュニケーションはオープンかつフラットで、週次のミーティングやSlackチャンネルなどを通じて、お互いの仕事に対して積極的に相互のフィードバックを行っています。
- また、開発フェーズでは、プロジェクトの規模に応じてアジャイルとウォーターフォールといった手法を柔軟に選択しています。
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分析
- デザイナーたちはQAチームと緊密な連携を取り、全てが計画通りに実装されるように注力します。内部のベータテストを実施してフィードバックを収集し、実装の準備が整うと、ユーザーに向けた公開リリースを繰り返し行います。
- リリース後、解決策が効果的であるかどうかを確認するため、データをトラッキングしレポートを実施することがあります。データと調査結果に基づいて、改善すべき課題を特定し、それらをロードマップに組み込むことで、新たなサイクルが再び始動します。
なお、ワークフローのプロセスは必ずしもこれら4つのステップの順序の通り進行するわけではなく、プロジェクトの規模や目標、また調査やテストの結果によってよりダイナミックに変化する可能性があります。
Case Study:問題解決におけるデザイナーの重要な役割

今回のイベントでは、問題解決におけるデザイナーの重要な役割に関するCase Studyのセクションがございました。こちらは別途記事の中で紹介いたしますので、お楽しみにお待ちください。
Q&A
高齢者のオンボーディングで直面するUXの課題は何ですか?
日本の市場は年々高齢者の割合が増加していて、現在人口の約半数が高齢者とされる人々で構成されています。このような状況に対応すべく、私たちはまずUXを極力シンプルにすることに注力しています。これにより、利用者が簡単に利用できるだけでなく、利用後の離脱率を低減することを目指しています。
また、機能の設計においても、できるだけシンプルな構造を心がけています。少しでも複雑になってしまった場合は、社内でユーザビリティテストを実施して、利用者が混乱している箇所を特定して改善策を検討しています。新しい機能をリリースした後は必ず数値の分析を行い、ユーザーが迷いやすいポイントを特定し、改善を行っています。
ユーザーインタビューやユーザビリティテストの実施方法を教えてください
プロジェクトごとに適切なアプローチを採用しています。通常、デザインチームがインタビューの実施を担当していますが、改善の機会はデザインチームとプロダクトチームの両方に存在します。私たちのプロセスでは、企画の立案(仮説)や要望の出所を検討すること(検証)も重要な一環です。クイックなインタビューや調査などの小規模なタスクについては社内で対応することができます。
ビジネスとUXのバランスはどのように保っていますか?
会社の成功を実現するためには、明確なビジネスゴールが必要です。ビジネスゴールを達成するためには、ユーザーニーズに合致した機能を適切なUXで提供し長く利用していただく必要がありますし、ビジネスプランが堅固でない限り、会社としての成長は難しいでしょう。
したがって、デザイナーとして、ビジネスとUXの適切なバランスを見つけることが重要ですが、これには妥協点を見極めることが含まれます。プロジェクトによって、ビジネスとUXのどちらを重要視するかの割合が異なるため、デザイナーは要件をしっかりと理解し、ユーザーニーズを見極めて柔軟に調整することが大切です。この適応力こそが、デザイナーにとって非常に重要なスキルセットだと思います。
英語と日本語でのコミュニケーションやデザインはどのようにしていますか?
基本的なコミュニケーション言語は英語ですが、チームメンバーの中には日本語でコミュニケーションを行う方も複数います。そのため重要な会議では通訳者が同席し、日本語と英語の同時通訳を行っていただきます。言語の壁を最小限に抑えることで、日本語を主体とするメンバーと英語を主体とするメンバー、両方の方々が快適に働ける環境を提供することを心がけています。
PayPayのデザイナーとしてのやりがいは何ですか?
日常の風景として、ユーザーが街のお店で支払いを行う光景を見ることができるのは、私たちにとってとても嬉しく、やりがいを感じる瞬間です。皆さんが自分のお財布としてPayPayを使ってくれているのだと実感しますね。また、テスト会場などかしこまった場所ではなく、ユーザが自然な流れでPayPayを使っている場面を自分の目で見ることができるので、デザイナーとしてはとても参考になる!という側面もあります。
最終的なデザインの決定判断は、誰が行うのでしょうか?
最終的なデザインの決定プロセスは、プロジェクトによって異なります。デザイナーたちは、自身が担当するプロジェクトに対してオーナーシップを持ち、最終的な承認が必ずしも必要とされないこともあります。大規模なプロジェクトの場合、デザインを経営陣にプレゼンする必要があるケースもありますが、その場合も、開発中のプロジェクトの課題とその解決策については、デザイナーたちがオーナーシップを持って進めていきます。
最終的な決定が誰によって下されるかについては、ほとんどの場合、チーム内で方向性を調整し、プロジェクトの進行に関わる決断を行っています。そして、デザインの具体的な詳細に関しては、全てデザイナーたちが管理しています。
終わりに
イベントレポートをお読みいただき、ありがとうございました。今回のイベントの内容は以上となります。私たちについて興味を持っていただけた方は、今後も様々なテーマでイベントを開催していく予定ですので、私たちの記事をチェックしたり、イベントに参加してみてください!次回のオンラインイベントでお会いできることを楽しみにしています!

最後に、私達デザインチームの雰囲気をお伝えします。チームの雰囲気はカジュアルで、とても仲が良いです!私たちはリモートで仕事をしていますが、月に一度オフィスでチームビルディングとしてワークショップやパーティーを開催し、メンバー同士のコラボレーションの機会を増やしています。ぜひ興味を持っていただけると嬉しいです!
プロダクトデザイナーを募集しています!
私たちPayPayのデザイナーのミッションは、コード決済だけでなく、決済を起点としたあらゆるタッチポイントでユーザーの不便を解消し、新たな価値を提供していくことです。キャッシュレス決済の未来を、ぜひ私たちと一緒につくってみませんか?
今後も様々なテーマのイベントを開催していく予定ですので、お楽しみに!
現在募集中のポジション
※募集状況、社員の所属等は取材当時のものです。