ユーザーの声から「クレカの限界」へ挑戦。PayPay×PayPayカードが生み出した、前例なき顧客体験

2024.09.26

PayPayグループのビッグプロジェクトの舞台裏に迫るProject Storyシリーズ。
本シリーズでは、重要プロジェクトにスポットライトを当て、その裏にあった障壁や各担当者のこだわりなど現場でのリアルなストーリーを、担当者へのインタビューを通じてお届けします。

今回は、ユーザーの声を受けてPayPayとPayPayカードの取引履歴とオーソリ(クレジットカード会社に与信情報を照会し、決済可能かどうかを確認する手続き)の紐づけに挑み、PayPayならではのお得体験創出に貢献したメンバーにお話を伺いました。


三上 健太(みかみ けんた)

PayPayカード株式会社 テクノロジー統括本部 プロダクト1本部 本部長

ヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)にて、PayPayカードの前身であるYahoo! JAPANカードがサービスインするタイミングにエンジニアとして参画し、サービスグロースを経験。PayPayカードの立ち上げを経て、プロダクト組織への組織改編に合わせて2023年にPayPayカード株式会社へ転籍。


穂積 孝紀(ほづみ たかのり)

PayPay株式会社 Product統括本部 Financial Services Product本部 Technology部 PPCD Featureチーム

メーカーでのセールスを経てIT企業にエンジニアとして転職。その後2019年1月にPayPayへ入社。その後、バックエンドエンジニアとしてMerchantやPayoutチームを経て、現在はPPCD Featureチームに所属。


井上 貴之(いのうえ たかゆき)

PayPay株式会社 Product統括本部 Financial Services Product本部 Technology部 PPCD Featureチーム

外資系のソフトウェア会社でコンサルタントとして従事した後、2020年10月にPayPayへ入社。Finnet & KYCチームのバックエンドエンジニア、Bankチームでのテックリードを経験し、現在はPPCD Featureチームに所属。

ユーザーの声から、独自の顧客体験を生み出す必要性を痛感

取引履歴・オーソリ紐づけプロジェクトの概要を教えてください

三上:
今回のプロジェクトでは、PayPayカードの利用時に発生する「売上」と「オーソリ」という2つの情報を紐づけ、その情報からPayPay加盟店の識別を可能にするための作業を行いました。

▲クレジットカード決済の大まかな処理フロー

背景には、プラスチックの物理PayPayカードを使っているユーザーの方にも、超PayPay祭などのキャンペーンを通じ、PayPayユーザーと共通のお得体験を提供したい意図がありました。当時のシステムではPayPayカードの売上/オーソリが紐づかず、PayPay加盟店かどうかを識別してキャンペーンを適用することができなかったのです。

なぜ、PayPayカードとPayPayのお得体験を共通化する必要があったのですか?

三上:
PayPayとPayPayカードのシナジーを強化し、2社にしか提供できない「PayPayグループならでは」の顧客体験を創出したかったからです。以前にも、PayPay上でPayPayカードを利用できる機能(PayPayクレジット)を導入してポイント還元率の差別化を行うなど、シナジー創出に向けた取り組みは行っていました。

三上:
シナジー創出への想いがより強まったのは、2023年5月1日にPayPayへの他社クレジットカード登録をストップする方針が決まったことがきっかけでした。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、当時は社会的に賛否両論があり、私たちもPayPayとPayPayカードの将来を今まで以上に真剣に考えました。グループ間を横断して「PayPayカードを、メインカードとして使ってもらうためには?」「PayPayとPayPayカードにしか提供できない、新しい顧客体験とは?」と議論を重ね、お得体験の共通化をシナジー創出の核として位置づけました。

「不可能」へ挑み、マッチングの実用化を達成

プロジェクトはどのように進めましたか?

三上:
PayPayカードとPayPay、どちらのシステムにも改修が必要だったため、PayPayの皆さんと連携しながら開発を進めていきました。PayPayカードチームは、売上とオーソリのマッチング精度を実用可能なレベルまで高める作業を中心に行いました。

井上:
私たちPayPayチームのミッションは、PayPayカードで紐づけられた売上/オーソリ情報から、PayPay加盟店を特定してキャンペーンが適用できる体制を整えることでした。私はPayPayカードの決済データを、リアルタイムでPayPayに反映させるための決済データ反映を担当しました。2社間ではデータ形式が違うため、データの変換なども行っています。

穂積:
PayPayカードの情報から、PayPayで加盟店を特定するための「加盟店データベース」の構築を担当しました。加盟店情報を記録した加盟店辞書はPayPayカードも個別で持っており、加盟店辞書の拡張も検討しましたが、懸念点はPayPayカードの基幹システムでもあったこと。ローンチ後の開発負荷が大きく、PayPayメンバーがPayPayカードの基幹システムへアクセスする必要もあったため、ゼロベースでPayPayに新しいデータベースを構築する形に落ち着きました。

特に大変だったのは、どんなことですか?

穂積:
決済データから加盟店データベースを参照する際、確実に正しい加盟店名を表示させるようにすることです。決済データ上には加盟店を確実に識別できるキーがなく、厳密なキー設定を考案する必要がありました。いちエンジニアの立場でしたが、自分がオーナーシップをもってデータ分析やキーの提案を進めました。毎日夜にPMと30分~1時間のMTGをして、まとめた資料を翌朝に提案する。綿密なコミュニケーションを通じ、合意を形成していく過程は楽しかったです。

井上:
PayPay側への決済データの反映に関して言うと、PayPayにはないクレジットカード特有の決済種類をPayPayへ反映させていく作業には当初苦戦しました。やり方自体は単純ですが、三上さんのチームと協力し、想定されるパターンをもれなく1つ1つ洗い出して対応策を決めていく必要があったためです。同時にPayPayカードの皆さんとミスコミュニケーションが起きないように、自分自身の知識面でのキャッチアップや資料・MTGを通じた認識合わせを徹底しました。忙しい中でも、クオリティに妥協せずやり抜きましたね。

三上:
PayPayカードの現場レベルでは、売上とオーソリのマッチング精度向上が大きな課題でした。実は、売上とオーソリ紐づけは異例のことで、クレジットカード業界では紐づかないのが常識。オーソリに詳しい方に話を聞けば聞くほど「無理、不可能だ」という反応でした。

実際、開発時も売上とオーソリのマッチング精度が、なかなか実用レベルの目標値に達しませんでした。そんなとき、私はマネージャーとして難しい状況でも必ずやり切るという想いのもと、一人ひとりがオーナーシップをもって業務を完遂してもらえるよう、「どうやったら出来るか」、「遅れを取り戻せるか」といった問いかけを重ねました。稼働時間を増やすのではなく、問いかけを通じて課題を抽出し、ほかのチームとも連携しながらアイデアを出し実践していく。結果、チームが主体的に一つひとつの課題に対処することで遅れを取り戻し、全体スケジュールを遅延させることなく軌道修正できました。

PayPayグループには「無限の可能性」がある

どのような成果に結びつきましたか?

三上:
私たちにしかできない「PayPayグループならでは」の顧客体験を提供できるようになり、シナジー創出の第一歩を踏み出せたことは非常に大きいです。実際、プロジェクト発足のきっかけとなったユーザーの皆さまの声という観点でも、SNSなどで「PayPayカードでPayPayスクラッチくじが引けるようになった」と好意的なご意見をいただいており、会社としても、GMV(流通取引総額)やPayPayカードの発行枚数にも好影響が出ています。

井上:
今回はPayPayとPayPayカードが同じ目標を掲げ、ワンチームで作業にあたりました。今後も両社のシナジーを高め、ユーザー体験を向上させるためのチャレンジは続きます。プロジェクトを通じて築いたPayPayとPayPayカードのリレーションは、これからもグループ間連携をいっそう強める基盤になってくれるはずです。

最後に、読者へのメッセージを教えてください!

穂積:
PayPayはさまざまな金融領域にサービスを拡大し、シームレスな顧客体験の実現に向けたグループ間連携を進めています。その結果、多国籍なメンバーと議論を重ねて問題を解決することが求められる、難易度の高い大規模プロジェクトが多くなっています。複雑なプロジェクトへの挑戦は大変ですが、やりがいも大きいです。ユーザーにとって価値あるサービスを創り上げるためのチャレンジを楽しめる方は、ぜひ一緒に働きましょう。

井上:
PayPayグループは、多くのユーザーに高品質で便利なプロダクトを提供するため、常に進化を続けています。技術的にも難易度の高い課題を日々解決することで、エンジニアとして確実に成長できる環境が整っています。チャレンジングな環境でオーナーシップをもって開発に取り組みたい方には、PayPayグループが向いていると思います。

三上:
これからのPayPayカードは、今回のプロジェクトで創出したような「PayPayグループだからこそできる、PayPayグループにしか提供できない価値」をさらに実現していくフェーズに突入します。これまでのクレジットカードでは実現できなかった体験を想像し、それを形にしていく。そういったプロダクト価値を最大化するための組織も、一人ひとりが主体的に創り上げられる会社です。

PayPayとPayPayカードのシナジーで生まれる可能性は無限大だと思っています。新たな顧客体験を生み出せる環境の中で、一緒にPayPayグループでキャッシュレス決済の未来を創っていきましょう。

現在募集中のポジション

※募集状況、社員の所属等は取材当時のものです。

採用情報