PayPayプロフェッショナルズ
【PayPayプロフェッショナルズ】では、PayPayを支える圧倒的プロフェッショナルをシリーズでご紹介します。
Vol.1 プロダクト本部プラットフォームチーム カラン・タンビ(Karan Thanvi)さん

Karan Thanvi(カラン・タンビ)
プロダクト本部プラットフォームチーム
爆発的なトランザクションを支える屋台骨
まずはPayPayで担当している業務について教えてください。
PayPayで、決済プラットフォーム全般の開発・保守を担当しています。ユーザー数、決済回数などが日々爆発的に増加するPayPayが、安定稼働するよう支えるのが我々の仕事です。システムのスケーラビリティ向上をゴールに掲げ、AWSのSelf-managed Kubernetesの管理、AWSサービスのプロビジョニング等、バックエンドの広い領域を担当。他にも、Kubernetes上のTiDB構築、Argo CDの導入など、新技術スタックの構築にも取り組んでいます。
まさにPayPayを支える屋台骨として活躍されているということですが、エンジニアとしてのキャリアがどう始まったのかを教えてください。
インドの工科大学でプログラミングを学び、在学中にエンジニアとしてインターンシップに参加しました。1社目ではTIZEN OS向けアプリケーション開発、2社目ではセキュリティ・ソリューション開発のバックエンドを経験しました。前者は小規模チームでインターンにも裁量が与えられており、品質と向き合い製品を世に出すことの喜びを知りました。後者では経験豊かで優秀な先輩に囲まれ、プレッシャーにも一種の喜びを見出すような経験をしました。
日本企業へのあこがれと、そのギャップ
大学卒業後はどのような進路を選択されたんですか?
インドでエンジニアになることへの手応えをつかんだ一方、世界を舞台に技術を探求する夢も膨らんでいきました。いくつかのグローバル企業からオファーがありましたが、元々、技術リーダーとしての日本、日本文化や礼儀正しさへの興味、その頃読んだ「トヨタ式改善の進め方」が後押しし、日本企業を選びました。ビジネスだけでなく個の能力を広げていくという、本で読んだ理論が実際の社会でどんな効果をあげているのか、自分の目で確かめてみたくなったんです。
実際働いてみた日本企業はいかがでしたか?
来日し、入社した日本企業では、自身の価値観とのギャップを味わいました。例えば、業務時間を厳しく管理されることや固定デスクに縛られた働き方などは、エンジニアは自由と裁量を与えられた方が飛躍的に作業効率をアップできるという私の考えとはギャップがありました。また、企業がレガシーシステムを使い続けることについて、エンジニアとして、常に新しい技術と最新アーキテクチャに取り組んでいたい私にとって、ここは絶対に譲れないポイントだと気づきました。
衝撃的な出会いと、心をつかんだある言葉
そのギャップが、PayPayへ繋がるきっかけになったんですか?
実はPayPayの動向は2018年12月頃から追っていました。あの、衝撃的だった「100億円キャンペーン」あたりから、PayPayの真剣さがわかり、この会社であれば、キャッシュレスで社会変革に関われるのではないかと思ったからです。
でも、絶対にPayPayで働きたい! と思った一番の理由は、Aditya Mhatre(プロダクト本部長)の動画でした。変化が激しい環境で成果をあげるためにコミュニケーションがいかに重要なのか。大切なのは「コミュニケート、コミュニケート、コミュニケート!」という言葉に、完全に心をつかまれました。
それからはPayPayの求人情報を見逃さないよう、自分でLinkedInのジョブ検索フィルターを作成し、「PayPay」というキーワードを含む求人情報を血眼で探したのですが、私に合うポジションはありませんでした。でも、どうしてもPayPayの人と会って、その技術スタックについて聞いてみたかったので、別のポジションへ応募することを決めました。
Shilei Long (プロダクト本部テクノロジー部長)との面接で、PayPayはシステムをマイクロサービスアーキテクチャで設計していて使用技術が高度であること、また、その後のAdityaとの面接でもPayPayのバックエンドシステムは、常に最新技術・最新アーキテクチャを採用するという考えにふれ、PayPayへの入社を決めました。
オープンな環境と偉大なる学びの時間
PayPayに入社してみて、いかがですか?
入社するまでは、社内になじめるか、メンバーとのコミュニケーションがうまくいくか不安でしたが、Adityaが動画で強調していた通り、PayPayではコミュニケーションがとてもオープンでした。それに、入社初日から希望する技術領域・プロジェクトを選ばせてくれるという自由度をくれたことに驚きました。
また、ある日、人事チームがメンバーツリーと出身国マップを壁に貼り始めました。業務に忙殺されるメンバーの出身国と顔写真、メッセージが貼られたツリーを眺めながら、このチームの一員になって本当によかった、と胸が熱くなったことを覚えています。

業務の面で苦労したことなどはありますか?
業務は正直大変でした。PayPayが使っている技術が最先端だったからです。最初はついていけるか不安でしたが、新しい技術を学ぶワクワク感と、長時間働いていることさえ忘れてしまうほど熱狂的で没頭できるプロジェクトとの出会いで、これぞ追い求めていた環境だ! と気がつきました。PayPayにおける残業は超過勤務のことではなく、偉大なる学びの時間のことを指しますね、少なくとも私にとっては(笑)。
そんな大変な環境の中、初めて担当することになったのは「最重要マイクロサービスであるPaymentをTiDBにマイグレートする」というプロジェクトでした。今までに聞いたこともなかった、最新データベース・テクノロジーTiDBへのマイグレーションを手がけることになったのです。
プロジェクトは緊張感マックスでしたが、おかげで、私はKubernetesとhelm、terraform, ansibleといった先進データベースコンセプトを学び、監視システム実装のため、本番環境においてPrometheusスタックの導入も経験しました。最高に気分が良かったのは、我々の設定タイムよりも、圧倒的に速くマイグレーションが完成したことです。


それはなかなかシビレる体験ですね。
はい。このすべてが、PayPayでこそ得られた経験です。また、PayPayに入社して、日本語スキルも伸びました。いつも私のブロークンジャパニーズにつきあってくれているみんなと、PayPayの日本語クラスに感謝しています(笑)。さらに、PayPayで多くのオープンソース・ソフトウェアツールを使用しているので、OSSの知識が豊富になり、既存ソフトウェアへの機能追加やバグ修正の能力が各段にアップしたと思います。
技術と日本語、まさに一挙両得という感じでしょうか(笑)。
昔のメンターや先輩に会うと必ず褒められることが2つあります。1つは「カラン、腕があがったね」ということ。もう1つは「日本語が上達したね」ということです。「いやいや、まだまだ」と答えていますが、心の中では超絶ハッピーです(笑)。
夢は社会のために働くこと
最後に、Karan さんが今後PayPayで実現したいことを教えてください。
この先1年の目標は、モバイル決済最大手として、決済プラットフォームのスケーラビリティを改善することです。その先3年間では、PayPayプラットフォームをより柔軟なものにし、加盟店が簡単に我々とプラットフォーム統合できるようにすることです。
また、私がPayPayに入った最大の理由が「社会のために働く」だったので、台風、津波、地震、COVID-19など、社会の危機的な状況で、人と社会を支える大きなシステムにPayPayをしていきたいです。中長期的には、社会支援に関わるPayPayのプロジェクトでリーダーになっていたいです。
さらに、PayPayが採用するテクノロジーにはオープンソースの技術も数多くあり、今日のPayPayプラットフォームを支えていると言っても過言ではないので、テクノロジーコミュニティのすべての人が恩恵を受けられるよう、PayPayが貢献できると素敵ですよね。
Karan さん、ありがとうございました!
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[取材協力]
プロダクト本部プラットフォームチーム Karan Thanvi(カラン タンビ)さん
編集:az (PayPay Inside-Out編集部)
※社員の所属等は、取材当時のものです。