PayPayリーダーインタビューは、PayPayトップの人柄や考え方をシリーズでご紹介しています。今回ご紹介するのは、取締役 常務執行役員 CAO 兼 CHRO/コーポレート統括本部長 兼 経営推進本部長 走出 雅紀さんです。

走出 雅紀(そで まさのり)
PayPay株式会社取締役 常務執行役員 CAO 兼 CHRO / PayPay株式会社コーポレート統括本部長 兼 経営推進本部長
主な経歴:
株式会社ネットラスト 代表取締役
株式会社ジャパンネット銀行 代表取締役副社長
パスレボ株式会社 取締役コーポレート本部長 など
1986年日本債券信用銀行入行。資金証券、法人営業、ドイツの銀行子会社での経験を経て、1998年の銀行破綻に伴い、1999年にソフトバンクが主要株主となったタイミングでオンライン決済会社ネットラストを社内ベンチャーで立ち上げる。2002年にヤフーにグループインして以降、一貫して決済金融に従事。PayPay Day1のメンバーとして設立に携わり現職就任。
PayPayコーポレート統括本部について
ご担当されている業務管掌について教えてください
創業以来、コーポレート部門で、ヒト・モノ・カネに関する課題解決を一貫して担当しています。今年1月からは影近さんがCFOに就任され、経営戦略や財務戦略領域を担当されていますので、影近さんとしっかり連携して会社をより良い状態に導いていくことが僕のミッションです。
コーポレート統括本部では、ヒト・モノ・カネの管理全般と、会社が次にどこに投資をしていくべきか、その優先順位付けを行なっています。

ヒト
ここはPayPayで働く社員たち。そして、これから入ってきてくれる未来の仲間たちに関する領域です。

モノ
これはバーチャルな空間含めて「オフィス」が、この領域になりますから「Work From Anywhere at Anytime(WFA)」での働き方はどうか、これに伴ってオフィスが果たす役割はどうあるべきか、社員にとっても重要な領域です。

カネ
ここは社員への給与支払い、そしてPayPay成長のために必要な資金調達と投資という、最重要な領域です。

カンパニーを総動員して金メダルを取りにいく
よくヒト・モノ・カネというのは、ガバナンスという言葉で言われ、会社はガバナンスの力で闘っていくなどと言われますが、PayPayにおいては、プロダクト力、営業力、資金力、ガバナンス力…こうした会社の「強み」すべてを総動員して闘っていくということだと思っています。
我々の敵は誰か?というと現金なわけです。
この現金というやつは、もう何百年、何千年という長く、圧倒的な歴史をもつ手ごわい存在で、その現金と闘っていくというわけですから、そのために、プロダクト、営業、資金、ガバナンスをフル稼働して闘っていく、そういう意味ではすべきことはシンプルです。
そして、ヒト・モノ・カネのコーポレート統括本部も、事業スピードに負けないメンタリティでないといけません。総合格闘技のように、それぞれがエース級じゃないと総合で金メダルは取れないのです。
聞いた話では、「企業」を意味する英語の「カンパニー」とは、一緒にパンを食べる人という語源だそうですが、日本語のことわざにもある「同じ釜の飯を食う」我々ひとりひとりが、同じ努力をして、勝っていく、それもチームで勝っていくということが重要なのです。
ですから、コーポレート統括本部は、役割としてはバックオフィスですが、心持ちでは営業最前線で闘っているメンバーとまったく同じなんです。
金融畑一筋、からのPayPayへ

新卒からずっと金融の先にPayPay
長くなったなと…。笑。
1986年に大学を卒業して、新卒で銀行に入社し、海外勤務や営業なども経験させて頂きました。バブル経済がはじけた1998年に銀行がいわゆる公的管理になりまして、ドイツから帰国し、個人部門でコールセンター開設、マスリテールの仕事をしました。1999年にソフトバンクが株主に入ることになり、ノンバンクとしてなにかできないかと考えて、オンライン決済会社のネットラストを社内ベンチャーとして立ち上げました。2002年にヤフーが親会社になり、そこからずっと決済金融に関わってきて、PayPayにつながったんです。
テイクオフ間際のプロジェクトを脇に、腹をくくる
でも正直に言うと、一度断っているんです。
ちょうど当時、ある会社さんとのジョイントベンチャープロジェクトを担当していて、立ち上がるかどうか、いわゆるテイクオフするかしないかという非常に重要な局面にあったんです。
そのプロジェクトでは立場的にも抜けると大変だろうなと思っていましたし、僕自身もやりとげたい、乗っかったら、ちゃんと立ち上がるところまで見届けたいという想いでいっぱいでした。
そういう事情ですから「本当にありがたいのですけど、こちらの方をやらないと大変なことになりますので。」と誠意をもってお断りしたんです。
ただ、ゴールデンウィーク明けくらいになって、
「なんか、やっぱりいないんだよね…。」
「いないんですか…。」と
「走出さん、これはもう腹をくくるしかない。」みたいな感じですので、自分としてもこれ以上、女々しいのもなんだなと。
そこで腹を決めましたが、その時点であと1カ月ないなとわかっていました。
「殿、ご無体なー!」から1カ月でPayPayを設立。
6月1日に会社を作るよう言われましたので、
「それだけはー。殿、ご無体なー。」みたいな感じでした。笑。
ただ、それでも6月15日に会社を設立しましたので、わーーーーーーっと、腹をくくってから実質1カ月でやり切りました。
点と点。まだ有機的に動けずにいた
会社は設立したものの、点と点がつながっていなかったんです。
ソフトバンクのいろんな人たち、ヤフーのいろんな人たち、Paytmのいろんなひとたちが、それぞれつながっていなかったですし、社長が誰かをほとんどの人は知りませんでした。それを僕は必死につなぎにいってた感じです。
それに、当初は営業会社だと聞いていたのでコーポレート部門は20人くらいで足りるんじゃないかと真剣に思っていました。
僕は元来どーんとお金を使えるタイプじゃないので、ケチケチしながら、いろいろお金を使わないように心配していたんです。だからオフィスもヤフーに間借りでいいだろうと考えていたら、どっかで、誰かが「WeWorkを借りたー」とかいうので、ものすごくヒヤヒヤしていました。笑。

当初は出向者時代。2019年から人材採用に踏み切る
そこから出向者中心の時代がありましたが、もう2019年からPayPayとしての採用を始めました。採用しないと成長しない、そう考えたんです。
事業成長の最大のキーは人、人材ですよね。
それならば、PayPay事業に可能性を感じて一緒にやっていく仲間を集めないとと考え、積極採用をかけました。
思えば、2018年の12月にキャンペーンを実施し、負荷に耐えられなかったシステムを停止しなければならないこともありましたが、そんな2019年という早い段階から、腹をくくって採用に踏み切りました。

未来のPayPayの仲間に向けてメッセージを!
僕たちがPayPayで大切にしている、仕事への価値観と組織文化に「PayPay 5 Senses」というものがありますが、僕は「常にプロダクトやチームを信じて世界一のフィンテック企業になることを目指し成長を楽しむ」という部分が一番大事だと思っていて、現金に対抗していこうという想いに共感する仲間に来てほしいです。
スキルとか、経験、それ以上に想いをもっている方であることが最大のポイントです。逆に、どんなに優秀でも、想いをもっていないと役に立たない。
社員となる人に求めるのは、やり遂げたいという想いと、総合格闘技で一緒に金メダルを取りにいくメンタリティをもった仲間たちです。

【編集後記】
我らがボスの走出さんには、常にクールで沈着冷静、堅実という圧倒的信頼を抱いていましたが、今回の取材では腹をくくった後のエピソードに本当にビックリしました。当時テイクオフするか、しないか瀬戸際にあった別プロジェクトをやり切りたいと一度断っているのに、2度目のオファーがあったことも、そこから急展開で会社設立を成し遂げるブレなさも、これぞ我がボス。殿、ご無体なー!
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※募集状況は取材当時のものです。
協力:Masanori Sode / 執筆・編集:Az(PayPay Inside-Out編集部)/撮影:Tak
※社員の所属等は、取材当時のものです。