PayPayリーダーインタビューは、PayPayトップの人柄や考え方をシリーズでご紹介しています。今回ご紹介するのは、CS本部本部長 神津 秀人さんです。

神津 秀人(こうづ ひでと)
PayPay株式会社 CS本部 本部長
Webサイト構築のスタートアップ、広告会社やヤフーの広告部門を経て、ヤフーのCS部門を担当。Webxコミュニケーション領域がキャリアの基本軸。2018年立ち上げ当初からPayPayに関わり、同社CS部門の責任者に就任。
CS本部の組織と役割
5拠点で24時間365日お客様対応
CS本部はPayPayのお客様対応を専門に行なっている部門です。本部の社員は約90名、北九州のセンターをはじめとして全国5拠点で、一次対応をお願いしているパートナー企業とともに24時間365日稼働しています。
PayPayのお客様には一般のアプリユーザーと加盟店がいますので、それぞれに向き合ってサポートを提供しています。通常のお問い合わせ対応だけなく、メンテナンス情報の通知、異常発生時の初動対応、Twitterでの対応など、それぞれのお客様に必要な情報を提供しています。今後はアプリストアに頂いたレビューへの返信なども対応をしていく予定です。


お客様とのコンタクトポイントとしては、電話、メール、Twitterアカウントをご用意していますが、ヘルプやチャットボットなどのWebソリューションを通して、できるだけ、お客様ご自身ですぐに自己解決していただける環境の整備をめざしています。

PayPay利用者が全国に増え、問い合わせも様々に
PayPayが世の中に出て3年半たちました。
最初は「アプリの使い方がわからない」といった、PayPayの基本的な操作・設定に関する問い合わせ対応で忙しくしていましたが、こうした問い合わせはおかげさまで、かなり減りました。
PayPayを利用してくださる方が全国的に増え、教えてくれる人が周囲に増えたこととが大きいと思います。うれしいですよね。
最近頂く問い合わせで多いのは、CSでないと対応できないことです。たとえば電話番号の変更、これもご自身で変更自体はできるのですが、2つの電話番号でそれぞれアカウントを取ってしまったケースであれば、CSでの対応が必要です。
あとはキャンペーンやインシデント、「PayPayあと払い」のような新規サービスに関する問い合わせになってきました。質も量も大きく変化してきたと言えます。
変化に対して常に柔軟な対応を求められる「CSならでは」の強さ
CSの組織も常に変化してきました。2018年当初は全対応を社員がしていましたが、「100億円あげちゃうキャンペーン」で問い合わせ件数がバク上がりして、さすがに社員だけではもう無理!となりました。笑。
当時PayPayは世の中でまだ知られていないサービスでしたが、メディアに相当取り上げられたこともあり、かつお客様はキャンペーンの適用を受けたい、しかも最大限受けたいという中で、規約に関するお問い合わせや、何時間もご不満やお叱りを受けるようなこともたくさんありました。
その後も、不正利用への対応など、新しい対応課題が生まれ、考えながら乗り越えてきた歴史があります。今となってはどれも思い出深いです。
事業内容や規模に応じて、体制を柔軟に変化させていくことはCSの常です。そのおかげでPayPayが「Work From Anywhere At Anytime(WFA)」という完全リモートワークに方針変更した際も、リモートワークできる業務とできない業務の切り分けも含め、切り替えがスムーズだった印象です。
こうした柔軟性は、日々変化していく状況の中で、常に柔軟な対応を求められることから培われる「CSならでは」の強さなのかもしれません。

ユーザーファーストがかけ声に終わらないPayPay
能動的に情報をキャッチし、社内と調整をかける
CS本部では「お客様をそもそも困らせない」「困ってもすぐに解決する」をミッションに掲げています。
それには、日頃からプロダクトやマーケティングといった関係部門との緊密な関係づくりが欠かせません。サービスの設計段階、リリース前など、定点でCSチェックを入れてもらっていますが、知らないうちにすーっと進んでしまうものもあります。笑。だからこそ、CSメンバーは「常日頃から情報をキャッチしまくる」ように能動的に動いて、プロダクトがやりたいこと、マーケティングがしようとしていること、など事業の最前線を理解し尽くす努力が必要です。
理解しつつ柔軟に対応するのを基本姿勢としつつ、時には「待った!」をかけ、お客様の体験として譲れないという時には、きちんと判断して主張し、調整する。ただ待つだけではPayPayのCSではありませんから。
実際、一般のお客様からお問い合わせを頂く率は、リリース直後と比べて、最近では100分の1近くに減っているのです。これこそ、社内の各部署とCSが協力して成し遂げた結果です。
トップ経営陣から「ほんとにお客さんの声をきいてるのか?」
実は、PayPay社内でユーザーファーストを最も声高に叫んでいるのは、トップ経営陣の方々です。特に社長の中山さんからはお客様目線での指摘を常に頂きます。
「ほんとにお客さんに伝わるの?」
「このままでお客様は疑問に思わない?」
全部門、全社員に常に言い続けている。これこそがPayPayの企業文化なんです。

「お客様が困らない」と「スピード」を高い次元で追う
ユーザーファーストが掛け声に終わらずに徹底され、事業成長と高い次元で両立できている。これは本当にすごいことです。どちらかに振り切っているのはどちらもよくない。
さらに、お客様は様々なニーズをもっているので、CSに寄せられる声の中には矛盾するものもあります。すべての要望を100%叶えるのは難しいからこそ、お客様が困らないことを最大限追求しつつ、事業のスピードも落とし過ぎないバランスが大事になります。
高い次元でこの両立を追い求めることをPayPayのCSにも求められています。ここが他の会社とは違うところで、PayPayのどの部門もその理想を追求しています。
なぜそのエラーが出たのか、じゃあ具体的にどうすればいいのか
PayPayも立ち上げから3年が経ち、最近では1つの問題が、ものすごく多数のお客様に影響することはかなり減り、一部のお客様が困っている事案の改善を積み重ねることに向き合っています。
たとえばエラーメッセージひとつを取っても、ただエラーと出すのではなく、お客様のエラーの原因に応じて、「こういうエラーが出ています」「今こうなっています」「解決方法はヘルプページに書いていますから沿って対応してください」と、正しく対処方法を出すように改善を進めています。半期に100くらい、こうした細かい改善・改良を行なっています。

おもしろさと大変さ、これから強化していきたいことこの先に見据えていること、今後のPayPay CS
PayPay CSをめざす人には今の違和感を忘れないでほしい
採用面接で「入社までに準備しておくべきことはありますか」とよく聞かれるので、こんなことをお伝えしています。
「入社してしまうと、『中の人』になってしまい、『こういう理由で仕方ないんです』と言い始めるようになってしまう。だから入社するまでは、徹底的に外の人として、これはおかしいと思ったことをメモしておいてください。そしてその違和感を大切にしてください。CSとして、『これおかしい。直してほしい。』と社内の関係部署に言っていく立場になる。完全に外の人の目線でいられるのは入社までですから、今それを忘れないでください。」

世の中をちょっと良くする、ひとりではできないから仲間がいる
PayPayのサービスは、みんなの日々の生活を「ちょっと便利に」「ちょっと良くする」ことに役立っています。世の中をよくするお手伝いができているのは、やっていてよかったと思いますし、これだけ事業が大きくなり、サービスを使っていただける方が増えているのも楽しさのひとつです。
でも、その、「ちょっと便利に」「ちょっと良くする」の影響先をこれまで以上に増やしていくのは、日々の改善を、スピード感を持って実現し、効果を見て、またさらに改善していくという努力の先にあります。
PayPayの事業はトップスピードで進んでいきますから、そのPayPayで、スピード・課題解決・ユーザー視点を持って実現していくひとに来ていただきたいです。
努力の積み上げは、ひとりでは実現できません。だからこそ、お互いを信頼できるチームの一員として、一緒に働いていける仲間をお待ちしています。

【編集後記】
Day 1 からPayPayにいる人はみんなそうですが、神津さんもこの人だからできた。この人じゃなきゃできなかったというレジェンドの一人です。営業会社のCS体制準備というミッションで参画し、途中からアプリサービスの企業となり、まだ決まっていない仕様を、プロダクトチームの現場で英語で繰り広げられる議論に参加しながらキャッチアップしてサービスリリースぎりぎりにどうにか間に合わせたそうです。いやはや。おつかれさまです。
現在募集中のポジション
協力:Hideto Kozu / 執筆・編集:Az(PayPay Inside-Out編集部)/撮影:Tak
※社員の所属等は、取材当時のものです。