PayPayリーダーインタビューは、PayPayトップの人柄や考え方をシリーズでご紹介しています。今回ご紹介するのは、業務推進本部長の三栖 匡貴さんです。
三栖 匡貴(みす まさき)
ソフトバンク株式会社に1996年入社。オリジナル事業である流通事業で物流業務、営業を経て、EC事業の起ち上げを経験。その後、ブロードバンド事業、携帯事業の創業期の営業、営業管理、サービス企画、業務オペレーション構築に従事。2019年にPayPayに異動以降は加盟店、サービス利用、ユーザーに関するリスク審査・管理業務のオペレーション全般を担当。現在は、PayPayにて業務推進本部長を務める。
業務推進本部の組織と役割
業務推進本部は加盟店、サービス利用、ユーザーに関わるリスク審査と継続利用管理に関わる企画・オペレーションを担っています。 また、そのオペレーション構築のノウハウや経験を元に全社の事故防止や業務効率化にも取組んでいます。

ミッションは、「事業の流れを止めない、円滑にする、加速する」をキーワードにユーザーと加盟店の満足度向上に貢献することです。まず第一段階として、法令順守と事故防止をベースとした止めないオペレーションを構築すること。第二に自動化・効率化でオペレーションを円滑にし、ユーザーの満足度向上に貢献すること。そして、第三にオペレーションに付加価値をつけ事業の更なる拡大に貢献していくことです。
PayPayの事業スピードは非常に速いので、サービスインまでに審査・管理オペレーションのシステム構築を行う時間が無い場合が多いです。そんな中、手動、目視満載なオペレーションでスタートする事も多々ありますが、法令を順守する事と事故が起こらない設計にする事は必ず守ります。その後に自動化、効率化を進めていくサイクルとなります。例えば、eKYC(電子本人確認)の仕組みを導入した際はゼロベースで短期間で全件目視検査でオペレーションを構築しました。その後、オペレーション改善、AI、RPAでの自動化を進めるなど努力を続けて、1件の審査にかかる費用は当時の6分の1以下にまで引き下げています。
ユーザーにがっかり体験をさせない
オペレーションを担う部署として、重要なのはリスクを抑えた上で、ユーザーが困らないように安定稼働できるか。要は、がっかり体験をさせない、ということです。
実際の事例を挙げると、2022年12月31日にある加盟店で、リスク管理として設定している決済の上限金額を超え、決済が止まってしまうケースが発生しました。365日稼働している部署が対応し、40分後には利用を再開できたのですが、その40分間は加盟店様にもご迷惑をかけてしまいましたし、ユーザーにも決済できない体験をさせてしまったんです。
すでに再発防止の対策を講じて、安定稼働できる体制を築いていますが、PayPayではこうした1つのトラブルにも、クイックに対応しています。会社全体として、ユーザーファーストの視点でユーザーのがっかり体験をなくそうという意識が非常に高いです。
攻めと守りのバランス
リスク管理というのは高ければいいというものでもありません。リスクを排除するあまり、ビジネスチャンスまでロストしてはいけない。例えば、リスクがあるから利用を断るというのは最も簡単なリスク対策ですが、それでは何も生まれません。
我々が決済のモニタリングや加盟店の管理を行うことでリスクを低減させながら、より多くの方に使っていただける体制をつくること。それが非常に重要なポイントです。
実際に、不正やAMLに抵触するユーザーはごくごく一部ですが、365日、24時間体制での監視体制を構築し、そのリスクを徹底的に排除していくかを追求していきます。こうした管理の高度化が、加盟店にとっては不正なユーザーが入ってこないPayPayの安心感につながりますし、ユーザーにとっても不正に出会わないという価値につながっていくのです。

社会人1年目から変わらない思い
私は就職活動時に「情報革命で人々を幸せに」という理念に衝撃を受けて、SoftBankで社会人生活をスタートさせました。それ以来ずっと、パソコン、ブロードバンド、スマートフォンの普及など、人々を幸せにする仕事に関わってきていることをとてもありがたく思っています。
PayPayもユーザーファーストの会社で、キャッシュレス化を通じてもっと快適でもっと豊かな社会を実現しようという視点で事業を行っています。かつ、新しいことにトライして新しい時代を切り拓いていくという点でも、当時と変わらぬ思いで働けています。
Work for RICE と Work for LIFEの両立
結論、私は両方とも大切だと思ってます。
ご飯のための仕事にしっかり取り組むことで自身のスキルアップにもつながりますし、それがライフワークの実現にもつながり、相乗効果を生むものだと捉えています。私たちの仕事はキャッシュレスを通じて世の中を変え、人々を幸せにしていく事です。前提として人々を幸せにしようと思うなら、自分たちも幸せにならなきゃいけないと思います。自分たちが幸せじゃないと、人に構ってられなくなってしまいますからね。だから、Work for RICEとWork for LIFEとは両立させていくことが大切なんです。
一人一人がRICEとLIFEとを両立させて、その結果として日本の社会や人々に貢献し続けていきたいですね。

目の前の仕事にプラスの価値を
依頼された仕事を単に処理するだけでは単なるコストセンターになってしまいます。我々が関与することで、ユーザーや加盟店の皆さま、あるいは会社にとってプラスの価値を提供したいというのが私の考えです。
そのためにはオペレーションの入口からユーザーにお戻しするまでの流れをしっかり理解して、その中で他の部署が何に困っているのか、どうすればユーザーに満足していただけるのかを発掘して、改善していかないといけません。
社内外を問わずさまざまな方とコミュニケーションを取って、時には領域を広げていくことも必要ですし、誰のため・何のためにやっているのかを問い続けることが何より大切だと思っています。
現金<キャッシュレスの社会を実現するために
PayPayが目指すキャッシュレス社会の実現に向けて、利用できるお店やユーザー数は営業やマーケティング、プロダクトの皆さんの力で広げてきました。更に拡大を続けていく上で必要になるのがUI/UX。ユーザーや加盟店にとって使いやすいか、いかに有益かというところです。業務推進本部も裏側で大きく関わる部分ですので、我々としてはさらに高度なリスク管理体制とそれに伴うオペレーションの効率化とAI化を推進していきます。
例えば、ユーザーの審査では事故を起こさないために2人体制で目視審査を行っています。その中で現在は片方のAI化を進めていて、すでに3分の1はAIが審査しています。PayPayは審査件数も多く機械学習も効果的に行えるので、データを溜めながらAIの強化をしているところです。
そして、ぜひ実現したいのが、ユーザーや加盟店に「PayPayになら積極的に情報を提供しよう」と思ってもらえる存在になることです。顧客の情報がないことには、リスク管理の高度化もできないですし、ユーザーが満足する情報やサービスの提供にもつながらない。ユーザーデータベースのリッチ化が次の進化には欠かせないと思っています。
とはいえ、ユーザーは情報提供に対して納得感がなければ同意してくれません。ユーザーに満足してもらうことで、さらなる情報を提供してもらえるようになると思いますし、信頼と愛着を感じていただける存在になっていきたいですね。

現状を打破し、新しい時代を作り続けよう
PayPayは、プロダクト開発にしてもマーケティング施策にしても、常に最先端で新規性が高いことに次々とチャレンジしている会社です。そこで働く仲間たちにしても、例えば「これにはこんなリスクがありますよ」と営業の方に話したら「じゃあ、これならどうでしょう?」と新たな提案を返してきますし、領域もどんどん広がっていくんです。前例がないからNGとはならず、常に新しい領域に進化していく体験はPayPayならではの魅力ですね。
現金メインの社会からキャッシュレスの社会に変えていくことで人々を幸せにしよう、と時代を切り拓く事業を行っているわけですから、「現状で認められていないからダメ」ではなく、それを変えていくのが我々の事業であり我々の仕事だと思っています。
大切なのは、言われたことを単純にこなすのではなく、何をすればユーザーが喜ぶだろうか、加盟店が便利になるだろうかと想像を常に働かせること。そして自ら能動的にアクションを起こしていくことです。
新しい時代を作るには、チャレンジやリスクテイクは日常茶飯事。そんな日常を楽しみながら、人々がもっと笑顔で楽しく過ごせるような時代を、これからも作り続けていきたいですね。

現在募集中のポジション
※募集状況は取材当時のものです。
協力:Masaki Misu / 執筆・編集:Danata(PayPay Inside-Out編集部) / 撮影:Tak, Keizo
※社員の所属等は、取材当時のものです。