PayPay Inside-Out People and Culture

Tech Talks vol.35 – Offline payment project

2023.09.19

Tech Talksについて

Tech Talksシリーズは、世界約50カ国の国と地域から集まった個性豊かなプロダクトメンバーたちの声を通して、我々のモノづくりへの姿勢や雰囲気をダイレクトにお伝えしていきます!
今回は、PayPayのオフライン決済機能プロジェクトのメンバー5名にお話を伺いました。

PM: Dhruva Tanneru

ペイメントプロダクト本部 Payment & mini app部

こんにちは、
PayPayのオンライン決済プロダクトリーダーのDhruvaです。PayPayに入社して約4年、日本でのオンライン決済のグロースに携わってきました。

Designer: Jonathan Chen

ペイメントプロダクト本部 デザイナー部 Payment & Mini-Appチーム マネージャー

デザイナーのJonathanです。さまざまなバックグラウンドの人と働けるPayPayのカルチャーに魅力を感じ、PayPayに入社しました。

iOS: Chiahsun Tung(Suin)

ペイメントプロダクト本部 テクノロジー部 CoreApp iOSチーム

iOSエンジニアのSuinです。日本で働きたいと考える中で、急成長しているスタートアップである、PayPayに入社しました。PayPayはたくさんのチャレンジと素晴らしい成果に出会える職場です。

Android: Bobby Prabowo

ペイメントプロダクト本部 テクノロジー部 CoreApp Androidチーム

AndroidエンジニアのBobbyです。これまで経験していない分野であるフィンテックに携われる機会を与えてくれたPayPayに感謝しています!

BE: Kishore Nimmakayala

ペイメントプロダクト本部 テクノロジー部 Payment Featureチーム

バックエンドエンジニアのKishoreです。PayPayはマルチカルチャーな環境で、多くのユーザーに日常的に使われているプロダクトに携われるところが気に入っています。

オフライン決済プロジェクトの概要を教えてください

Dhruva:
特許出願中なので詳しいことはお話できないのですが、インターネットが繋がりにくい状況下でオフライン決済モードに切り替えてコード決済ができる機能を2023年7月にリリースしました。
2022年12月にプロジェクトがスタートし、プロダクトチームの約15名に加え、リスクやセキュリティ管理部門などさまざまなメンバーのご協力のおかげで、無事にリリースすることができました。

オフライン決済プロジェクトはどのような経緯で始まったのですか?

Dhruva:
コンサート会場のような混雑した環境や地下のレストランなどで決済ができないというユーザーの声は、SNSやアプリのレビューなどを通じて認識していました。PayPayは5,800万ユーザーを抱えており、スマートフォンユーザーの3人に2人がPayPayアプリを持っている社会インフラであると考えることができます。これらの問題に対処し、シームレスな体験を提供することが私たちの責任だと考えました。

それぞれの役割の中で、特にチャレンジングだったことは?

Jonathan:
デザイナーとしては、シームレスなUI/UXを実現することにこだわりました。オフライン決済では、ユーザーにオフラインモードに切り替わったことを認識してもらいつつも、シームレスな決済体験を提供することが重要ですし、テックユーザーでない方でも難なく使えるようにしなければいけません。そこで、何か新しい要素を追加するのではなく、既存のコンポーネントを使いながら設計していきました。

Suin:
フロントエンドにとっては、まずホーム画面に関わること自体がとてもチャレンジングなんです。誰もが利用する画面だということに加え、多くの要素が詰まっているのでコードがとても複雑ですし、何年も前に書かれたコードも含まれています。しかも、オンラインの決済モードとオフラインの決済モードを1つの画面に組み込むので、さまざまなエッジケースやレガシーコードを考慮しなければなりませんでした。自分で多くのテストケースを用意したほか、チームメンバーにコードのロジックを読み解いてもらったり、QAチームにも多大なサポートをもらって完成させることができました。

Bobby:
僕はホーム画面の変更に携わるのが初めてだったので、Suinさんにアドバイスをもらったり、QAチームにサポートをしてもらいながらエッジケースに対応していきました。あとは、そもそもネットワーク検知機能がなかったので、そこから設定する必要があったんですが、そこがうまくいったのは大きかったですね。

Kishore:
ワンタイムコードがとても限定的で、バーコードレベルで何を変えていけるのかといった問題や、オンラインとオフラインで同じバーコードを使うにはどうしたらいいのかといった問題がある中で、セキュリティも踏まえてどういった技術フローを採用するのかが大きな問題でした。また実際の実装では、技術的にオフラインのバーコードを無制限で生成できるようにするところが難しかったですね。

Dhruva:
Kishoreさんが話した技術フローに関しては、さまざまなメンバーとディスカッションを重ねた上で、最も安全でユーザーにとっても使いやすい選択肢を採用しました。
また、個人的にはリスク上の制限とユーザーニーズの両立もチャレンジングなポイントでした。現在オフライン決済では、リスク観点で1回の決済が最大5,000円まで、1日2回までといった制限が設けられています。この設定を決めるにあたっては、決済金額の平均や利用頻度を確認しながら、ユーザーの利用に影響をあたえることなくセキュアに使ってもらえるようにしていったんです。

開発する上で重視したポイントは?

Dhruva:
セキュリティの高さはもちろんですが、ユーザーに満足してもらうために、シームレスな決済体験を提供することを重視していました。ユーザーがオフラインだと気づいた時に「オフラインでも決済ができますよ」とすぐに気づいてもらえるように、発見性を高めることにとても苦労したんです。

Jonathan:
そのために、情報を詰め込まず、シンプルで理解しやすいデザインにすることを心がけました。

Suin:
フロントエンドの観点では、スタビリティを重視しました。オンラインからオフラインの切り替えがスムーズなだけではダメで、もし回線が復活したらオンラインモードに戻ってもらう必要があるわけです。そこを担保するのが大切だと考えていました。

リリース後の反響はいかがでしたか?

Dhruva:
ローンチもうまくいきましたし、実際に多くのユーザーに活用いただいています。オフライン機能は当然ながらネット接続が良くない場合にのみ使われるものですが、リリースから約1ヵ月ですでに300万ユーザーに利用されています。

Jonathan:
SNSやニュースでも話題になっていましたし、ユーザーの喜びのコメントを見てうれしくなりましたね。そういった反響で、自分のデザインがうまく機能していることがわかるのでとてもやりがいを感じます。

Suin:
花火大会に出かけたりしてネットがつながらない時に、友達や周りの人が実際にオフライン決済を使っているのを見た時は自慢したくなりましたね。

Kishore:
決済手段として、ネットがつながらない状況をカバーすることの意義は大きいですよね。利用する側は、ネットの接続を気にすることなく、残高が残っているかだけ気にすればいいわけですから。

Bobby:
日本国内では業界初という点でも、この機能は他社との差別化の大きなポイントにもなると思います。

Dhruva:
そうですね。最近読んだ記事にも、真夏の野外イベントの飲食ブースに通信が不安定で大行列ができる中、PayPayのオフライン決済が役立ったという話が載っていました。記事を読んでPayPayは単なる決済ツールではなくインフラなんだなと実感できましたし、この機能を提供できたことに誇りを感じています。

それぞれ、今後チャレンジしたいことは?

Jonathan:
オフライン機能をまだまだ改善していきたいですね。制約がある部分を改修していきたいですし、ユーザーにも啓蒙活動をしていくことで人々の生活をより便利にしていきたいと思っています。
うまく活用できたケースもあれば、うまく活用できなかったケースもあると思うので、そこを分析しながら、自分たちが見落としているところを拾い上げていくことが重要かなと思っています。

Bobby:
よりスムーズに決済ができるようにしていけるといいですね。例えばですが、ユーザーがコンビニに行ったら、アプリがそのお店と提供できる決済方法まで認識できるようになれば、ユーザーはシームレスに選ぶだけで良くなりますよね。そういった改善はできるかなと思っています。
この機能以外で言うと、PayPayはさまざまなサービスとの懸け橋になれると思っているので、開かれたプラットフォームにしていって可能性を無限に拡げていきたいです。それがビジネスチャンスにもつながりますし、僕自身の成長にもつながると思っています。

Kishore:
現在メインで携わっているのはオフライン決済ですが、個人的にはより多くのユーザーに使ってもらって便利さや安定性を提供することを追求していきたいです。店頭でのスキャンはもちろんですけども、オンライン決済も含めて、安定した便利な状態で使ってもらうことでどんどんユーザーを増やしていきたいと思っています。

Dhruva:
私は現在、オンライン決済を担当しているので、PayPayを日本中のネットショップに導入することが、重要な課題のひとつです。

Suin:
私の場合、現在はホーム画面を刷新するプロジェクトを進めています。現在のホーム画面はデザインされてから約2年ほどが経ち、見直すべきタイミングになっています。全てのユーザーに関わる部分ですし、とてもチャレンジングなプロジェクトなので、まずはそこに注力していきます。

最後に、読者へメッセージをお願いします!

Dhruva:
PayPayはオンライン決済のような新領域にもどんどんチャレンジしており、今後も新たな市場の開拓に取り組んでいくでしょう。こうした世の中にインパクトを与えるプロジェクトに携われるのがPayPayの大きな魅力です。困難な課題を解決していくエキサイティングな体験をしたい方は、ぜひ一緒に働きましょう。

Suin:
エンジニアにとって、自分たちが開発した機能が実際に使われているのを見るのは何よりのやりがいだと思います。PayPayは日本中どこでも使われているのを目にすることができますし、その開発に携われるのは他ではなかなかできない体験です。多くの方に親しまれているプロダクトに携わりたい方はPayPayに応募してほしいです!

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