いまや日本でユーザー数6,100万人(※2023年12月時点)というスマホユーザーの2人に1人が使用するモバイル決済サービスへと成長したPayPay。サービス成長の裏側には、ユーザーのみなさんへ価値あるサービスを届けるために日々開発者たちの挑戦が続いています。
今回のPay2 Dev Speaksシリーズでは、PayPay初の海外開発拠点であるPay2 Development Center(以下、Pay2DC)責任者 平川 宗則さん(Mune)を迎え、Pay2DC立ち上げ後の1年の軌跡と2024年の次なるチャレンジについてお話いただきました。
※Pay2 Development Centerは2024年5月30日にPayPay Indiaに社名を変更しました。
平川 宗則(Mune)
Pay2 Development Center Managing Director
大学院卒業後、前職ではバックエンドエンジニアとして課金管理システムやポイントシステム、ウォレット関連のプロジェクトなどに携わる。その後、2018年6月からPayPayの立ち上げに参画。シニアマネージャーを経て、2022年10月より現職。
はじめに、インドでの開発拠点立ち上げのきっかけと目的を教えてください
海外拠点の立ち上げを検討し始めたのは、PayPayのサービス開始から3年半が経った頃です。サービスの成長に伴い、新機能のアイデアや機能改善のリクエストが増え続ける中で、いかにプロダクトチームのキャパシティを増やせるかが経営課題の一つとなっていました。
PayPayでは世界基準で通用するプロダクト作りを実現すべく、グローバルなプロダクトチームを目指していたものの、日本国外から優秀なエンジニアを日本に呼ぶのは容易ではありませんでした。
ならば、こちらから海外に出ていこうという流れで、その選択肢としてインドがあげられました。インドでは毎年優秀なITエンジニアが数多く生まれていますし、自分自身がPayPay立ち上げ時にモバイルペイメントを教わったインドで開発センターを構えれば、才能あるエンジニアたちとより良いプロダクトを生み出していけると考えました。

ご自身がPay2DCに参画を決めた理由は何だったのでしょう?
Paytmのメンバーとやり遂げたPayPayのDay1での記憶が、私の中に原体験として鮮明に残っているんです。どんなアーキテクチャで決済システムを作るかという課題も、Paytmが既に何億人をサポートした実績のあるシステムから学ぶことができましたし、システム監視の仕組みややり方にしても、世界はこんなに先を行っているのかと頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。
インドに優れたエンジニアたちが沢山いることは身をもって体験していたので、拠点立ち上げは自分の人生の中でも大きな挑戦ではありますがやりがいは大いにありそうだと思い「インドに行きます」と手を挙げました。実は、家族に相談せず決めてしまって、最初は「1人で行ってくれば?」と言われましたが、最終的には家族4人で渡印できたので良かったです(笑)。
立ち上げから1年が経過しましたが、組織の現状はいかがですか?
2023年1月のオフィス開設時はわずか4名でのスタートでしたが、いまでは複数のチームが構成されるまで拡大してきました。PayPayはマイクロサービスアーキテクチャで作られているので、日本側チームが管理しているマイクロサービスと連携する時にはもちろんコラボレーションが必要ですが、徐々にインドチームだけで完結できることも増えてきました。立ち上げ当初は、エンジニアリングマネージャー、バックエンドエンジニア、QAメンバーだけでしたが、最近ではインフラエンジニア、フロントエンドエンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャーも参画し、拠点内で企画から開発、テストからリリースまで一気通貫で担えるようになり、クイックにプロダクトをリリースできるようになってきています。これまでの1年は、強いコアチームを作ることを目標に走ってきましたが、ディスカッションを積み重ねることでチームの共通理解が増え、当初の目標は着実に達成しつつあります。

この1年間どのようなチャレンジがありましたか?
1つ目はインドでの採用活動です。世界中の多くの会社が優秀なITエンジニアの獲得競争を繰り広げているインドにおいて、認知度がほとんどないPayPayをどう知ってもらうかというのはチャレンジで、求人サイトで地道に情報発信したり、日本のPayPayで働くインド人メンバーからのリファラルなどで、少しずつ興味を持ってくれる人を増やしていきました。一方で、インドではモバイルペイメントやフィンテックサービスが浸透していることもあり、日本のPaytmのような会社だと説明すれば入社したいと言ってくれる人も多く、そこは助かりました。それでもまだこの立ち上げフェーズの小さな会社にリスクを取って入社してくれているメンバーには感謝しかありません。
2つ目は、日本のユーザーに届けられる質の高いプロダクトをスピード感を持って作っていけるチームをどうやって立ち上げていくか、ということでした。日本メンバーに出張に来てもらっていろいろレクチャーしてもらったり、逆にPay2DCメンバーに日本を訪問してもらってPayPayがどのように人々の生活の中で使われているのかを見てきてもらったりして、メンバーのプロダクトへの理解を深めていきました。
また、プリンシパルエンジニアのHarshにPay2DCに参画してもらいながら、デザインレビューセッションやナレッジシェアリングなどを継続的に行い、PayPayのアーキテクチャやインフラについて理解を深めていっています。

メンバーがどんどん増えていますが、Pay2DCで働く魅力はどんなところにありますか?
PayPayは既に日本の6,100万を超えるユーザーの生活の一部となっていて、求められる拡張性や安定性、品質のレベルは非常に高いです。そのようなシステムの開発に携わった経験はエンジニアとしてのキャリアの可能性を大きく広げてくれるはずです。また、他の優秀なエンジニアたちと議論しながら、実際にそのようなチャレンジを乗り越えていくことで、どんどん成長していける環境があります。
そしてオフィスでのコラボレーションも魅力のひとつだと思います。隣に座っている同僚にクイックに相談したり、別のチームの詳しいメンバーに足を運んで話を聞いたりという光景が日常になっています。エンジニアなら、何かわからない問題にぶつかることは当たり前ですが、そんな時に周りのメンバーの力を借りながら素早く解決していくことで、ユーザーにも機能を早く提供できますし、自分自身の成長につながります。

仕事を離れたコミュニケーションも活発なようですね
昨年はホーリーや独立記念日、ディワリといったインドのお祭りをオフィスで一緒にお祝いしました。私もインドに来てからクルタパジャマという民族衣装を3着買いましたし、インドの国歌もそこで覚えました。ナレッジシェアリングセッションの後にみんなで食べるパニプリは私の一番の大好物です!

2024年はPay2DCとしてどのような成長を遂げたいですか?
2年目となる2024年は、ホップ・ステップ・ジャンプのステップの年だと捉えています。1年目は完璧でなくてもいいからまずやってみようというフェーズでしたが、2年目にはそこから一周回っていきます。一度目にうまくいったことは継続する、うまくいかなかったものはそこから学び改善する。型化し、誰でもできる仕組みやプロセスを築いていくことが2年目の目標です。
また2年目には、1年目に開発してローンチした機能が実際にユーザーに使われていくことになります。安定的にサービスを提供し続けながら、プロダクトの磨き込みをクイックに行っていく。プレッシャーがかかる環境になりますが、スピードと品質の両方を大切にしながら、チームとしてさらに成長していければと思っています。

そのために、具体的にどんなことに取り組んでいきますか?
Pay2DCのエンジニアたちがユーザーとなってプロダクトに触れる環境や機会をもっと提供していきたいです。仕様書に沿った開発だけでなく、メンバーから「もっとこういうプロダクトにすべきだよね」と自発的に提案していくような状況にならないと、真にユーザーファーストなプロダクトは作れません。さらに、モバイルペイメント先進国のインドから良いものを学んで、PayPayのプロダクトに反映させていき、開発センターとしての付加価値もさらに高めていきたいと考えています。
最後に、読者にメッセージをお願いします
PayPayはスタートして5年のプロダクトで、フィンテックの分野でまだまだ出来ることはたくさんあります。そして、Pay2DCも走り出したばかりの小さなチームです。新しいチャレンジが私たちの目の前にはたくさんある。継続的にチャレンジに立ち向かいエンジニアとして成長したい、チームで課題をクリアしてユーザーに価値を届けたい、スピードとクオリティを高いレベルで両立させたもの作りを行いたいという方にはぴったりな環境です。
チームは今後も拡大予定です。高いプロフェッショナル意識を持ち、一緒に優れたもの作りをしていける仲間を求めています。ぜひ一緒に働きましょう!



