システムを根本から変えた、史上最大級の併用払いプロジェクトの軌跡

2024.04.11

PayPayグループのビッグプロジェクトの舞台裏に迫るProject Storyシリーズ。
このシリーズでは、実現された重要なプロジェクトに焦点を当て、その裏にあった困難やこだわりなどのリアルなストーリーを、担当者へのインタビューを通じてお届けいたします。
今回は、併用払いの開発メンバーにお話いただきました!


Shotaro Konno

Product統括本部 Platform & Core Components本部 Technology部 部長

IT企業でポイント関連の業務を担当し、初期メンバーとしてローンチ前のPayPayに参画。開発のエンジニアやエンジニアマネージャーを経験後、現在はシニアマネージャーとしてPayment Platform部の統括などを担当する。


PdM: Sunna Mo

Product統括本部 Payment Product本部 プロダクト部 Core App & Growth

2016年に来日し、IT企業やメディア企業にてPdMとして従事。2020年にトップレベルのエンジニアが集まる組織で働きたいとPayPayへ入社。Senior PdMとして機能仕様の定義や各ステークホルダーのマネジメントを行う。


Tech Owner: Leo Wang

Product統括本部 Payment & Technology Platform本部 Payment Platform部 Payment Utility Payment Acquiring

中国やドイツなどでエンジニアとして就業し、世界的にも成長しているFinTech業界で自分も成長したいと決意し、2020年PayPayへ入社。現在は、Paymentチームの中のサブチームのリーダーとしてシステムの信頼性と安定性の確保に努めている。

既存システムの根本から覆す、1年がかりのプロジェクトがスタート

まずは、それぞれの業務内容について教えてください

Konno:
私は、決済のコアを担うPlatform & Core Components本部のシニアマネージャーとして、組織作りや環境づくりなどのマネジメント業務を行っています。

Sunna:
私はプロダクトマネージャーとして、機能仕様の定義やステークホルダー/タイムラインの管理を担当しています。

Leo:
私は決済チームのバックエンドエンジニアでサブリーダーを務めています。新機能の設計と実装に加え、決済サービスの信頼性と安定性を確保するためのコードベースのメンテナンスを担っています。

併用払いとはどのような機能なのでしょうか?今回のプロジェクトの概要を教えてください

Sunna:
併用払いは、1回の決済に対して、複数の決済方法を組み合わせることができる機能です。決済方法の選択肢が増えることは、ユーザーにとって大きなベネフィットになります。例えば、PayPay商品券が10円残っていたとしても、今までは10円の商品を購入しないと残高が使い切れないことが、PayPay商品券の開発でも課題となっていました。また、ポイントの有効利用や利用促進は、PayPayグループ全体で経済圏を構築していく上でも大きな意味を持ちます。

関連リンク:『「PayPay」での決済時に併用払いが利用可能に!』(プレスリリース、2023年11月15日)

そこで、2023年12月上旬のDay1ではPayPay残高とPayPay商品券の併用払い、クレジットとPayPayポイントの併用払いの2種類をリリースしました。他の組み合わせについても、Day2以降で対応していく予定です。

Konno:
併用払いの導入は、PayPayの提供開始後1、2年目から検討はしていたものの、その開発ボリュームゆえに、まずは他の機能を優先してきたという背景があります。そんな中、PayPay商品券のリリースをきっかけにいよいよ併用払いのニーズも大きくなり、今回1年がかりでリリースへと至りました。

Leo:
技術的な側面でいうと、そもそもこれまでのシステムは1回の決済で、残高払いやクレジット払い、PayPay商品券等のさまざまな決済方法のうち1つを使用する前提で作られていました。ポイントについても、システム上は残高の中にポイントが含まれる形になっていたんです。併用払いは、ポイントを残高と切り離した上で、複数決済方法を可能にする機能であり、これを実現するにはアーキテクチャデザインを根本から見直す必要がありました。

プロジェクトを振り返って、いかがですか?

Sunna:
Day1では上述の2種類の併用払いがスコープとなり、ほぼ全てのテックチームが関わる大プロジェクトでした。その大所帯をいかにコントロールし、確実にプロジェクト推進を行うかが要求されました。

そこで、フェーズを3つのパートに分けてリリースするようグランドスケジュールを引きました。最初のパートでは、ポイントを決済方法として独立させ、それに伴って加盟店側で新しい決済方法として追加していきました。さらに第2パートで、加盟店にデイリーで提供しているrecon fileと呼ばれる取引明細のフォーマットを変更し、第3パートで2種類の併用払いをリリースするという流れです。
加盟店にも大きな影響を与えるので、6ヵ月かけて事前告知をして、取引明細も3ヵ月は新旧フォーマットを両方提供して…といった段取りを考慮して進める必要があったんです。

Konno:
メンバーの間では、併用払い(英語表記はComplex Payment)プロジェクトだけに too complexだって話していましたね(笑)。決済方法が複数になるがゆえのエッジケースのハンドリングも大変でした。例えば、片方の決済方法だけ失敗した場合はどうするのか?残高が足りなかった場合は?といった課題を1つ1つ解決していく必要があったんです。

特に大変だったのはどんなことですか?

Sunna:
このプロジェクトはとにかく影響範囲が広く、関連するサブプロジェクトが多くありました。その分、調整ごとも多かったんです。前述のようにパートを分けて段階的に進めていくと同時に、1人では捌ききれないのでTechnical Program Managerや私の上司にも業務を分担しながら対応しました。そして、チームで頻繁にsyncし、時には共有しすぎなくらい目線合わせを行っていきました。

Leo:
決済以外のシステムにも影響が及ぶので、他のサービスごとのシステムの仕様を学ぶことから始めなければいけませんでした。各チームがこのプロジェクトで何をしないといけないかを理解し、短時間で包括的なアーキテクチャデザインに落とし込むというのはとてもチャレンジングでしたね。
私も他のバックエンドチームとも常に連絡を取り合って、オープンなコミュニケーションを図ることを意識していました。難しい問題はシニアメンバーにも相談しながら、協力を仰げたことも大きかったです。チーム内外の連携が最大のポイントでしたね。

プロジェクトの今後の動きについて教えてください

Sunna:
将来のために根本部分から見直す取り組みというのは表面的な部分では気づきづらいもので、今回もローンチ後のSNSでの反応は大きいものではありませんでした。いつの間にか支払い方法の選択肢が増えて、より便利になっていると感じてもらえているのかなと思っています。
今回のプロジェクトは、ユーザー体験の向上、そしてグループ経済圏の発展にとっては、静かですが大きな一歩。

引き続き、

  • PayPay商品券+PayPay残高の併用払い/クレジット+PayPayポイントの併用払いの利用動向
  • 現在のUI/UXで不便さを感じるユーザーがいないか
  • 決済方法ごとのポイント利用の違い

といった観点を注視しながら改善につなげていきたいと思っています。
また、Day2ではポイントの部分利用や、さらなる組み合わせの提供を予定しており、今後も継続的に取り組んでいきます。

コア部分を担う、やりがいと責任

皆さんが仕事をする上で大切にしていることはありますか?

Konno:
1つはシニアマネージャーとして、メンバーの力を最大限に引き出せる環境を作っていくことです。PayPayには世界中から優秀なメンバーが集まっており、そのバックグラウンドもさまざまです。その中でどう協力し、より良いものを作れる環境にしていくかをいつも考えています。

もう1つは、決済のコアとなる部分を預かる身として、物事に取り組む時は本当に解決すべき課題なのか?それを解決できるアプローチなのか?という判断を大切にしています。基幹となる部分だからこそ、「とりあえずやってみよう」というわけにはいきません。考え抜いた上で、これなら大丈夫と自信を持ってトライし、それを積み重ねて1つずつ前進していくチームにしたいと思っています。

Sunna:
私はプロダクトマネージャーとして、私自身がブロッカーにならないように常に意識しています。私の回答待ちでプロジェクトが止まることがないよう、Slackでも抜け漏れのないように細心の注意を払っていますし、メンバーにも「24時間返信がなければプッシュしてね」と伝えています。場合によっては私を挟まずに直接話してもらうようにするなど、どうしたら円滑なコミュニケーションが図れるかを考えています。

Leo:
私は、決済はPayPayで最もコアなサービスであることを常に念頭に置いて、設計や開発の1つ1つに細心の注意を払うことを意識しています。機能がどんどん複雑になる中で、常に最新の仕様を頭に入れておく必要がありますし、その上で可能な限り堅牢に設計しなければいけません。現在はPaymentチームのサブリードでもあるので、いかにメンバーのモチベーションを高め、スプリントゴールを達成できるようにするかも大切にしています。

PayPayでの働きがいはどのようなところにあると思いますか?

Konno:
難易度の高いさまざまなチャレンジを、多様なバックグラウンドを持つ優秀なメンバーと一緒に解決していけるところだと思います。

Sunna:
今回のようにユーザーに大きなインパクトを与えるプロジェクトに携われるのでやりがいは大きいですね。

Leo:
自分の仕事が実際に人々の生活に影響を与えていると実感すると、やりがいにつながります。買い物先のレジでPayPayのロゴを見たり、「PayPay使えますか?」という声を聞いたりするとうれしくなりますね。また、日に日に複雑になるコードベースをリファクタリングして、膨大なコードを数行に簡素化するときも、爽快な気分です!

今後の目標やビジョンを聞かせてください!

Konno:
まだ組織面でも技術面でも課題は多く残っているので、それぞれのメンバーやチームが解くべく課題にチャレンジできる環境を作っていきたいと思います。また個人としては、ビジネスとプロダクトの両方の視点を持って最善の判断がくだせるように精進します!

Sunna:
また併用払いのような大きなプロジェクトに挑戦したいです。今回もらったフィードバックをいかして、よりスムーズに進められるようにプロセスを改善できればと思います。

Leo:
私も、よりチャレンジングなプロジェクトに関わっていきたいですね!また、決済システム全体のパフォーマンス改善やスタビリティ改善、ゼロダウンタイムの実現に向けても取り組んでいきます!

最後に、読者へのメッセージをお願いします

Sunna:
積極的で好奇心旺盛、そして情熱的な人ならPayPayで活躍できると思います。

Leo:
成長することに貪欲で、決して妥協しない人がいいですね。周囲と協力しあう意識も大切です。

Konno:
どんなことも学びながらコミットできる人なら大歓迎です。ぜひ挑戦と成長を楽しみましょう!

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※募集状況、社員の所属等は取材当時のものです。

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