PMに聞く、PayPay銀行「預金革命」サービスリリースまでの軌跡

2025.06.06

PayPayグループのビッグプロジェクトの舞台裏に迫るProject Story。
本シリーズでは、重要プロジェクトにスポットライトを当て、その裏にあった障壁や担当者のこだわりなど現場でのリアルなストーリーを、担当者へのインタビューを通じてお届けします。

今回ご紹介するのは、2024年12月にリリースしたPayPay銀行の「預金革命」。
プロジェクトを推進した大貫 純規さんに、預金革命の全貌やどのような想いでサービスリリースまで導いたのかを伺いました。

大貫 純規(おおぬき じゅんき)

PayPay銀行 ビジネス統括本部 個人事業本部 個人事業部 副部長

新卒で、ジャパンネット銀行(現・PayPay銀行)へ2014年に入行。投資信託等の投資商品サービスを担当し、その後2020年に新規ユーザー獲得やグループ連携案件を担当するグループ長へと就任。2024年から個人事業部の副部長としてコンシューマー向け事業を管掌。

金利のある世界で、ユーザーメリットを強化した新サービス「預金革命」

プロジェクト概要と発足の経緯を教えてください

日銀の政策金利引き上げが始まり、各銀行の預金残高の変動がダイレクトに収益(銀行にとっての資金運用収益)の差に直結する、大きな環境変化が目下起こっています。従来のPayPay銀行は決済サービスに強みを持ち一定の支持を得ていたものの、預金残高については競合他社に差をつけられており、早急な改善が必要でした。

2024年の夏頃から打開策はないか模索し始め、小数点以下の利率にとどまっている普通預金金利に着目し、ユーザーメリットを強く打ち出すサービス強化に乗り出したことが、本プロジェクト立ち上げの背景です。

預金革命」と名付けられた本プロジェクトは「円と米ドルの両方を預けた場合、普通預金の金利は2%になる(例えば、日本円と米ドルを50万円ずつ預けると、毎月約1,300円の利息(税引後)を受け取れる計算になる)」というサービスです。2024年12月サービスリリースへ至りました。

※「ステップアップ円預金」の開始に伴い、従来の「預金革命」は「ドル&円2%預金」に名称変更し、「ステップアップ円預金」と「ドル&円2%預金」をあわせた総称が「預金革命」へと変更になりました。

普段の担当業務とプロジェクト内での役割を教えてください

個人事業部という数十名ほどの組織で、「新規ユーザーの獲得」「コンシューマー向けの新規事業・サービス企画、グロース」をミッションに収益を上げるための活動をしています。コンシュマー向けでは、個人のカードローン事業と住宅ローン事業のみ別組織に切り出されていますが、それ以外のコンシュマー向けサービスは個人事業部で事業戦略を立て推進したり、プロダクト改善部分にも携わっています。

2024年の夏過ぎ頃にプロジェクトチームを立ち上げ、PMとして本件を推進しました。サービスリリース目標は同年12月、私たちに残された時間は数カ月。かなりスピード感が求められる案件でした。社内の関係部門については、ビジネス部門やプロダクト部門だけでなく、資金運用部門、法務部門やコンプライアンス部門など多岐に渡り、ワンチームでこのプロジェクトに立ち向かえるよう、PMとして各部門の目線合わせにも尽力しました。

各部門の垣根を越えて、スピードと品質を両立

プロジェクトを振り返って、大変だったのはどのようなことでしたか?

「預金革命」のコンセプトはプロジェクト立ち上げ当初からあり、実現に向けては具体的に形作ることが要求されました。更にチャレンジは、エコノミクスを維持しながら高い金利を提示するビジネスモデルの検討でした。

日本円と米ドルを組み合わせたサービスといってしまうと簡単に聞こえるかもしれません。
米国は金利の利下げを徐々に行う状況です。高い金利で設定した場合、いずれ原資となる米国金利引き下げの影響を受けて、ユーザーに対して同じ金利が提示できず、早めに金利を引き下げてしまうのではないか、そんな風にユーザーに不安感を与えてしまう可能性もあります。

ユーザーへの最大限の金利還元と同時に当社側では採算が維持できるようなサービス設計を行うこと。結果的に2%という金利を打ち出すことができましたが、日本、米国それぞれの金利環境を考慮し、最大限ユーザーが金利メリットを感じることができる金利設定を追求しました。また、同時にサービスリリース後の運用含めて資金運用部門、法務部門やコンプライアンス部門の協力を得て、整備し実現に至りました。ここは私一人の力だけでは解を出せなかったと思います。

サービス設計にあたって、特にこだわった部分を教えてください

PayPay銀行では、他社以上にUI/UXへのこだわりがあります。

今回のプロジェクトでも、業法などを守りながらユーザーファーストをとことん追求しました。サービスリリース日にコミットしつつも、ユーザーが金利メリットを実感できるよう、関係者で議論しブラッシュアップを続け、実はサービスリリース前日までレビューや磨き込みを繰り返したんですよ。

サービスリリース後もUXに関しては改善必要事項が200を超え、反省点も多くありましたが、「ユーザーファーストを追求し続ける」という価値観をこれまで以上に落とし込むことができました。また、開発部門・資金運用部門・法務部門・コンプラ部門など各部門との迅速な連携を図りながら、スピード感とプロダクトの品質の両立にこだわってプロジェクトを進行しました。これは最も難しくもあり、やりがいを感じる部分でしたね。

結果、銀行アプリやミニアプリの中で、獲得した利息や利息入金の予定スケジュールを確認できるなど、他社にはないUXを提供しています。今後も改善を進めていく予定です。

銀行サービスの常識を覆すような体験を提供していく

リリース後の状況やユーザーからの反応はいかがでしょうか?

「預金革命」のリリース時には、多くのマスメディアでもご紹介いただき、社会的にも一定のインパクトを残すことができました。また、サービスリリース直後の1日の外貨預金口座開設が平常時の40倍を超えるなどユーザーの皆さんからの期待感も肌で感じました。

その後、「ドル&円2%預金」に続いて、2025年3月「ステップアップ円預金」も提供開始しています。サービスイン以降、預金自体の数字がじわじわと上がってきているのを見ると、関係者一同、頑張って良かったと感じます。

仕事をするうえで大切にしていることはありますか?

新規サービスを作り上げるうえでハードルの高い場面に多々直面するのですが、「できる、できない」という考え方ではなく、目指したい状況は何なのかを考え、「どうやったら実現できるか、ほかに何ができるか」の視点で考えるように徹底しています。一つひとつの課題をクリアしてゴールに近づいていくのは、ワクワクしますね。

また、PayPay銀行では、関係部門との協力が不可欠であり、コミュニケーションは案件を推進する上でも肝となります。目的や課題のインプットを大切にし、関係者との目線合わせを行い、部門関係なくワンチームで仕事できるように心がけています。

今後、成し遂げていきたいことやミッションを教えてください

いちPayPay銀行パーソンとして、銀行サービスの慣習を覆すような体験を提供していきたい。PayPayアプリの本人確認情報を活用した銀行口座開設等が分かりやすい例かとは思いますが、過去の銀行イメージを払拭するようなプロダクト作りに力を注いでいきたいですね。

銀行サービスは、支店に足を運ぶことからWebでの手続きへと変わってきているものの、「使いやすい」というにはまだ程遠い状況です。ユーザーの皆さんにとって、ストレスなく必要なことを終えられる世界創りに引き続き挑戦していきます。

そして、PayPay銀行として、サービスラインナップの強化にも積極的に取り組んでいくので、皆さんには楽しみにしていて欲しいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします!

PayPay銀行には想像を超える未来を創っていく可能性があります。同時に、PayPayグループの一員となり、今まさに成長のチャンスが訪れています。

社内では、年次に関係なく多くのプロジェクトに挑戦できる環境があり、PayPayをはじめ6,000万以上のユーザーにサービスを届けるチャンスもあります。また、年齢等に縛られず、貢献度合いに応じて評価される会社です。

ユーザーの立場で課題意識を持ち、これまでの銀行の業界慣習を変えていくことに立ち向かえる方は当社で活躍できるはずです。ご一緒できるのを楽しみにしています!

現在募集中のポジション

※募集状況、社員の所属等は取材当時のものです。

記事カテゴリー