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CIOが語る PayPayの事業スピードを支える社内業務システム開発

Kona

2022.09.26

PayPayリーダーインタビューは、PayPayトップの人柄や考え方をシリーズでご紹介しています。今回ご紹介するのは、CIO 兼 システム本部長 岡田 寛史さんです。

岡田 寛史(おかだ ひろし)

CIO 兼 システム本部長

業務系システムの開発エンジニア、Webアプリケーション開発企業の創業、モバイルゲーム企業のIT部門責任者等を経て2019年にPayPayに参画。2022年4月よりCIOに就任。ITと経営を繋ぎ、世界最高のデジタルワークプレイスを構築することが目標。

PayPayのCIO(最高情報責任者)として考える

2022年4月にChief Information Officer(CIO)として就任し、2022年8月1日にシステム本部長になりました。「ITと経営をつないで会社の成長に貢献する」ということを自分のミッションとして日々の業務に取り組んでいます。

1年足らずでクラウドネイティブな環境を整備

個人的な意見ですが、企業にはステージがあって、0→1フェーズはプロダクト、1→10フェーズはビジネス、10→100フェーズはコーポレート機能の成長が重要だと考えています。僕が3年前に入社した当時のPayPayは、サービス開始後1年足らずで登録ユーザー数が1,000万人に迫り、従業員も数百人規模に迫っていました。通常では先述の各フェーズを数年かけて成長していくことが一般的です。しかし、PayPayの場合はそこをすっ飛ばして垂直的な立ち上げに成功していたので、入社する前は外から見ていて社内の業務やシステム、セキュリティ対策はいったいどうやっているんだろう?という関心はありました。

2019年10月に入社してみると、やはり同規模の会社が備えているであろうさまざまなシステムや仕組みが整備されないまま、数多くの現場で手作業に頼った非効率な業務が数多く発生していました。ミスが多発したり、混乱したり、疲弊しているような状態でした。

入社してからすぐに人事システムや稟議システムなどのコーポレート系の基幹システムや認証基盤やデバイス管理、セキュリティ対策やオフィスネットワークなどのITインフラを含めた約6ヶ月間の全体ロードマップを策定し、組織体制の拡充と並行して急ピッチでIT環境の整備を進めました。

その後、2020年3月に緊急事態宣言が発出され、PayPayでもオフィス出社制限が開始されました。それまでの出社前提での働き方から、リモートワーク前提の働き方(2020年9月スタートのWFA制度)に変わりました。幸いにも、その時点ですでにフルクラウドのIT環境整備をひと通り終えることができていたので、社内的にほとんど混乱もなく、フルリモートへの移行がスムーズに出来たと思っています。

CIOとCISO、両輪の関係

先述したような環境の整備をスムーズに進められたのは、セキュリティ面のトップとして、CISO(最高情報セキュリティ責任者)である加藤さんがいてくださったことも大きいです。僕たちシステム側の仕事は、新しいシステムを開発したり、ツールを導入したり、IT環境を構築したり、手を動かすこと。一方で、セキュリティに関してのポリシーを決めるのはCISOです。判断と実行、そこの役割分担がいい感じに分離されてるので、悩まなくていい。会社によってはセキュリティとシステムの役割を1人がやってるケースもあるんですが、PayPayの場合は分かれていることで、スピーディーかつ合理的にうまく回っていると思います。

これから目指していくところ

PayPayの組織も事業も急速に大きくなってきているので、CIOとしてはその意思決定スピードを落とさずに、世界のテックカンパニーに負けない最高レベルのIT環境やコミュニケーション環境、業務プロセスを構築していきたいと考えています。仮にPayPayの社員が2万人になっても10万人になっても、このスピード感を落とさずに仕事ができる、そんな組織でありたいです。

8月に新設されたシステム本部について

組織図

主な業務領域

  • コーポレート系システム(人事・会計・稟議)の開発管理
  • 業務系システム(営業管理・審査オペレーション・経営管理等)の開発管理
  • 全社データ分析基盤の構築・管理
  • 不正対策システムの運用
  • ITガバナンス整備・各種監査対応・ITコストコントロール

業務のスピードアップを図るための新本部創設

これまでは、エンタープライズエンジニアリング部として業務を行ってきましたが、2022年8月1日より「システム本部」として新しいスタートを切りました。
会社全体の規模が大きくなり、社内の各部署から新しいシステムを開発してほしいというリクエストが大幅に増えてきたことが背景です。現状に即した業務ごとに部を新設し、業務と意思決定のスピード向上を図っています。

会社が大きくなってくると、セクショナリズムが強くなり、部門間の壁ができたり、トップと現場の意思疎通が難しくなったりしがちなので、そこをいかに技術や仕組みで解決するのかが腕の見せどころです。間違いなく世界No1だっていう風になればやめようかなと(笑)それは冗談として、もしそうなった時は、僕の役目が終わったなと感じるんだと思いますね。今はもちろん道半ばですけどね。

システムを通してPayPayの事業スピードを加速させていく

一般的には、部署や会社全体が大きくなるにつれて、スピードが落ちるというイメージがあります。しかし僕たちは、5,000万ものユーザーを抱えるPayPayという会社の社内システムの管理を担っていますから、会社が大きくなってもスピード感を維持して仕事ができることが必須だと思っていますので、日々悩みつつも工夫と試行錯誤を重ねながら業務を推進しています。

直近半年の具体的なプロジェクトの例を挙げると、本人確認(eKYC)審査システムが大きかったですね。プロジェクト(※)以前の本人確認は、免許証画像と自撮り画像の両方を撮影をするなどユーザーにとっても手続きが煩雑だったのですが、今ではマイナンバーや免許証のICチップを読み取れば数分で審査が完了します。ユーザーがスマホで読み取った本人確認書類のデータを審査して承認するという、一連のプロセスの裏側にある審査システムを作りました。これにより、今までは審査に数日かかっていたのが、大幅に時間を短縮することに成功しました。
※プロジェクトについてはこちらの記事でも少し紹介しています。

他には、不正対策をする金融犯罪対策室と一緒に、毎日リアルタイムで不正な取り引きがないかどうかのモニタリングをしているのですが、その裏側のシステムもシステム本部で担当しています。今お話ししたように、人事や経理など管理部門の業務効率化からアプリや事業の裏側のシステム開発まで、僕たちの部署は業務の幅がとても広いんです。1つ部署が違うとやっていることがガラッと変わるので束ねるのは結構大変なんですが、あらゆる部門と連携しながらシステム化することによって業務がしっかり回るようにそれぞれ進めていっています。

本部長としての組織論

チーム作りは、コミュニケーションに尽きると思っています。自分の業務やタスクに集中していると、他の人がどういうマインドセットで動くかわからなくなりがちです。僕はプログラマーとして開発していた経験も、自分で会社を経営していたこともあるので、エンジニア、営業、コーポレートサイドの社員がそれぞれどういうマインドセットで働いているのか、なんとなくわかるんですよね。組織を率いるにあたり、その間に立って僕がちょっと「通訳」して、伝えてあげるように意識しています。

PayPay特有だと思うのは、ソフトバンク出身の方も含めた強大な営業組織の皆さんと、プロダクト部門を中心に所属している世界各国出身の開発エンジニアを含め、さまざまなバックグラウンドを持った人が集まっていることですね。ITと経営、あるいはそれぞれの部署とシステム本部で連携するという部分では、新卒で入った会社を辞めた後に海外のビジネススクールに留学した経験が生きています。海外に行ったことで、優秀な人であれば国籍や言語は全く関係ないと考えるようになりましたし、壁や先入観がないフラットな状態で物事を見ることができていると思います。

相手が望んでるものと僕らが望んでるものをどうやって着地させるのか。全く逆方向を向いてるわけではなく、会社としてはみんな同じ方向を向いてるはずなので、手の握り方を変えるとか方法を変えてみる。上と下にするとか、横にするとか、そういう感じの工夫をして、落とし所を見つけていくようにしています。

PayPayに加わりたいと思っている人に向けて

キラキラしてなくていい、失敗から学んだ人は強い

社会人って、失敗したり上手くいかないこともたくさんあると思うんです。実際、僕自身も会社で失敗してますし。ただ、失敗は全く問題なくて、むしろそこからどうやって這い上がって、次に生かしたかっていうことがすごく大事ですよね。華々しい成果や成功プロジェクトを経験した方よりも、大きな挫折とか乗り越えられないような大きな課題を経験し、そこから何か大事な教訓を学んだことがある方に来て欲しいなと思ってます。

面接のとき、最後に決めるときは「この人に自分の背中を預けられるか」を毎回考えているんです。もしそれで入ってきた人に裏切られたとしたら、自分の見る目がなかったということで、しょうがない!自分の責任です。今いるメンバーに?もちろん背中を預けていますよ。

PayPayの好きなところは「Be Sincere To be Professional」

システム本部の新しい仲間としては、「PayPay 5 Senses」に共感していただける方に入社してほしいですね。個人的には「Be Sincere To be Professional」、「プロフェッショナルとして妥協せず誠実に自ら機会や新しい価値を創り続け、最後までやり抜く」というフレーズが好きです。

PayPayって意外と真面目な人が多くて。入社する前は色んな国籍の方とか、色んなバックグラウンドの方がいるので、衝突したりとか部門間の激しい対立とか、組織の壁とかってあるのかなと思っていましたが、対立はなくてとてもフラット。そんな社員が多いので、何かお願いごとをするときも、忙しい時でも皆さん前向きに協力してくれる人が多い。そこもPayPayの好きなところですね。いろんな社員がいますが、みんな基本的に誠実でプロフェッショナル。「Be Sincere To be Professional」はPayPay社員を一番的確に表してるんじゃないかな。

【編集後記】

真新しいOasisのTシャツで颯爽と取材に現れた岡田さん。筋トレとゲームとOasisがお好きで、直近はソーシャルゲーム企業にいらっしゃいました。前職は居心地も良く、転職には積極的ではなかったそうですが、「Yahoo!をもう一度作る」という言葉の後押しもあり、PayPayへ。日本のインターネット産業の歴史上の大きな転換点を間近で見ていたことで、次はfintech領域だと確信し、「行くしかないな」と思ったそうです。新しい金融サービスを支える社内業務システム開発のトップには、時機を逃さないリーダーがいます。

現在募集中のポジション


協力:Hiroshi Okada / 執筆・編集:kona(PayPay Inside-Out編集部)/ 撮影:Hinako&Mina
※社員の所属等は、取材当時のものです。