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PayPayのWeb開発を支える「人の特性を生かした仕組み作り」と「愛あるマネジメント」

Essie

2022.10.11

PayPayで働く圧倒的プロフェッショナルに迫るプロフェッショナルズシリーズ。
今回は、Web Platformチームでエンジニアリングマネージャーを務める二見 侑一さんにインタビューしました。

二見 侑一

二見 侑一(ふたみ ゆういち)

Payment Product本部 Web Platformチーム エンジニアリングマネージャー

PayPay入社以前は金融機関などにERM、マーケティング、CS管理のソリューションを提供するIT企業でウェブ開発、iOS開発、PMなどさまざまな業務に従事。2019年7月にPayPayに入社し、Web開発者として業務を開始。2021年まではウェブ決済関連の機能を主に担当して、現在はWeb Platformチームのエンジニアリングマネージャーとしてウェブ環境の管理や、各プロダクトラインのウェブエンジニアをサポートしている。趣味は水彩画とカメラ。また家族とのデイキャンプが週末の楽しみになっています。

日本経済を回す原動力となるツールの開発に携わる喜びと責任

PayPayは単なるQR決済ツールを越えた、その先にあるサービス

利用者数の1,000万人達成が目の前に迫った2019年7月に入社しました。当初はiOSエンジニアとして採用されたのですが、Webエンジニアの数が少なかったこと、また両方の経験を持っていたこともあり、Webチームに所属することになりました。

そこから、2022年8月に利用者数が5,000万人に達するまでの3年間を経験してきて、PayPayがいかに日本社会のインフラになっているかを実感しています。

買い物だけでなく、「購入額の3割がポイントで戻ってくる」「コーヒーショップで使えるクーポン」などの様々なキャンペーンに参加できます。さらに、集めたポイントで資産運用もできる。

PayPayは単なるQR決済サービスの枠を越えて、ワクワク感や喜びを与えるサービスになっているように感じています。日本経済を回す原動力のひとつであるPayPayの開発に、Webエンジニアとして参加できることをとてもうれしく思っています。

現在は、Web Platformチームのエンジニアリングマネージャーとして、Web環境の管理や各プロダクトラインのWebエンジニアをサポートしています。

特に注力しているのは、WebのAPI GatewayをBFF化してフロントエンドの開発をより効率化すること、プルリクエストチェックの自動化、可能な範囲でのリリースオペレーションやサービスモニタリングを自動化することです。

信頼性・安全性の高い開発環境を実現するための粘り強いアプローチ

直近では、Webのバージョンをアプリに合わせることで、開発とベータテスト環境において、アプリのビルドによるWebの画面・機能の出し分けを可能にするプロジェクトを推進していました。

現在もPayPayは、週に一度、新機能のリリースやユーザビリティ改善のためのアップデートを実施しています。そのため、毎週3種類のアプリのバージョンが、それぞれステージング環境、ベータテスト環境、本番環境にデプロイされ、テストやモニタリングが実行されている状況になっています。

このプロジェクト以前は、Webプラットフォーム上において環境別に一つのバージョンにしか対応できなかったため、「同時に新機能の開発やリグレッションテスト、ベータテストを行うことが難しい」という課題がありました。その課題を解決するために、Webの開発もアプリのバージョンに合わせる形に仕様変更することにしました。その結果、QAチームとのリリースオペレーションの連携や信頼性が格段に高まっただけでなく、独立した環境での開発が可能になったことでWebエンジニアの開発効率が上がり、周囲からも高い評価をいただきました。

Webエンジニアの間でも、ここまで完璧にWebとアプリのバージョンを合わせて開発を進めるという文化は一般的ではないと思います。そのため、プロジェクトを進めるにあたって、まずWebにおける徹底的なバージョン管理の概念を周囲に理解してもらうところから始めました。プロジェクトの企画立案からオペレーションが落ち着くまでに半年程かかりましたね。上長や関係各所のメンバーに理解して納得してもらうために、自分が参加している全てのミーティングで「隙あらば、時間をもらってプレゼンする!」ことを繰り返していたので、「この人しつこいな……」と思われていたかもしれないです(笑)。

Webのバージョン管理図
リリースマネジメント図

ヒューマンエラーは起きる、だからこそ人の特性を生かした仕組み作りが大切

インシデントを防ぐために、日々様々な取り組みをしています。
リリースオペレーションについては、各メンバーの意識を高めるために、リリースオペレーターという形で、毎週持ち回りで担当者を決めています。また、コードの問題検出においては、人間の目だと限界があるので、プルリクエストがあった際にスキャンを行い、ヘッダー部分で怪しい動きがないか自動でワーニングを出す仕組みを構築しています。

最近力を入れているのは、開発を始める前に詳細な仕様書を作成することです。
具体的には、ヘッダーには名称やタイトル、そのページがどの画面仕様を記述しているのかなどを詳細に記載します。プルリクエストにはオトリビュート、パース、ライフタイムをすべて記載した上でペイロードも記載し、セキュリティチームの協力を得て脆弱性診断を確実に行なっています。

また、他の開発チームが実施していて効果的だと思った制度を積極的に取り入れています。一例として「SREチャンピオン」があります。
普段はフィーチャー開発で忙しく、モニタニング用のダッシュボードをアップデートしたくてもなかなか着手できない状況のため、それを改善するために考案しました。SREチャンピオンに指名された担当者は、他のメンバーに対して、自分の知識や技術を伝えたり、質問に回答したり、トレーニングを勧めたり、問題のエスカレーションを行うなどします。

インシデントが起こりにくい信頼性のあるサービスだったとしても、ユーザーにとって使えるものでなければ意味がないので、メンバーには「全体を見て、使えるサービスになっているかを考えて開発する」という哲学を持ってほしいと考えています。口で言ってもなかなか理解することは難しいと思うので、SREチャンピオンの経験を通じて、理解してもらえたら、と。様々な気づきを得るチャンスが増え、メンバーも心がけるようになってきたことで改善が進み、現場はとても良い雰囲気になってきています。

チーム力最大化の鍵は「安心感」と「共通目的」の形成

安心感があってこそ、十分に発揮されるパフォーマンス

マネジメントをする上で、一番気をつけてるのは「働きやすい環境を提供すること」です。今まで様々な組織に所属してきましたが、発言しにくい環境や怒られる環境にいた時が一番パフォーマンスを発揮できなかったと感じています。そのため、自分がリーダーを務めるチームでは、メンバーに安心感を持って働いてもらえるように、誰かを責めたり、誰かの発言に対してただの駄目出しのようなネガティブな発言はしないように心がけています。

採用する時も同じで、その人のスキル面だけでなく、「自分の意見を出しつつも、チームメイトの意見もしっかり聞いて一緒に頑張れる人物かどうか」を重視しています。これは、他の開発チームのリーダーも同様の意見ですね。

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難易度の高いプロジェクトの遂行経験から生まれた愛あるマネジメント

複数社間の調整が必要な機能開発プロジェクトに参加した時の経験が、僕のマネジメントの基礎になっているかもしれないです。
そのプロジェクトで、自分が複数社間の調整を行う窓口として立っていた時期がありました。残業時間が多く大変な時期でしたが、僕よりも厳しい状態の人に出会っても、業務調整を行う権限を持っていない自分には助けられず……、といったとても苦しい状況でした。その時に浮かんだのは、「本当に悔しい」という感情。「自分がチームリーダーになった時は、絶対にこんな思いをメンバーにはさせない!」と強く思ったことを覚えていますね。

この経験から、メンバーひとりひとりが現在どのくらいのタスクを抱えていて、今週の稼働状況はどうなっているかを必ず確認、把握するように心がけています。全体を可視化して把握することが重要になるので、タスク管理は、JIRAだけでなく、一覧化できるスプレッドシートも活用しています。

業務を開始したら、まずスプレッドシートを開いてすべてのタスクを確認し、続いてSlack上の未読をすべて確認します。「ここまでしなくても……」と思われるかもしれませんが、完璧に把握しておかないと、アプリチーム、BFFチーム、QAチーム、Webエンジニアとのミーティングの際に、適切な確認や調整が行えないため、徹底しています。事前に僕の方で確認、共有すべき事項などをリストアップしておき、各ミーティングで確認、共有の上、状況によってメンバーのアサインやタスク量を調整しています。

相手の気持ちを知ることの大切さ

学生時代にオーストラリアに留学したことがきっかけで、「相手の価値観を理解し、目線を合わせること」の重要性を学びました。
留学当初は、アジア人からの目線でオーストラリアを見ていたこともあって、価値観や目線の違いをたくさん感じました。「このままではいけない」と思い、一度徹底して相手の気持ちになって考えてみようと自分の考え方を根本から見直していきました。

この経験から、多様な目線を持ち、価値観の違う相手の意見も尊重することが非常に重要だと感じています。それが、多種多様なバックボーンを持つメンバーが集まるPayPayでのマネジメントに生きているのかもしれません。 あわせて、仕事を進める上で、同じ目標、目線、マインドを持ち、そこに向かって全員で走れる状態であることが重要だと考えています。僕のチームでは、メンバーに対して「日本社会において、PayPayがどれ程の影響力を持っているのか」を常に伝えてモチベーションを上げ、同じ目標、目線、マインドを持つことができる状態にするように心がけています。

周囲にうかがったところ、二見さんへの厚い信頼を感じさせる声が多数寄せられました。

メンバーの声

“ 組織課題や技術的な課題を見つけてはいつも提案をしてきてくれる方。”

“ メンバーへの評価フィードバックの時に、ひとりひとりに資料を作成してくれていて、とても丁寧かつフィードバックが上手な方。”

“ 真面目、責任感が強く、何事も諦めない方。”

“ OnBoardingビデオ(後述)が大変素敵で、人柄がよく出ている。”

PayPayは僕にとっての生きがい

僕にとって、PayPayは生きがいでもあるんです。一緒に働いている本部長や部長、PM、デザイナーなどの皆さんの人柄が良いのはもちろんですが、それ以上に、ここまで一介の開発エンジニアの意見に耳を傾けてくれる会社って、滅多にないと思っています。

例えば、ある新機能の仕様が、バックエンドの負荷が大変高い仕様になっていたとします。それをミーティングの場でWebエンジニアが指摘しても空気が凍ったりすることはなく、「バックエンドの負荷を減らすためには、どのように改善すればいいか」の議論がすぐに始まります。議論を受けて、デザイナーもその日のうちに改修案を出してくれるなど、課題解決に向けて全員が前向きに取り組んでいくんです。PayPayでは至って当たり前の光景ですが、他の会社だとまずありえない。こんなにスピーディかつ柔軟に議論や改善が進められるなんて、本当に素晴らしいと思います。

一緒に働くメンバーも幸せになってほしい

ポジションに関係なく、周囲に気を配ってコミュニケーションを大切にする人が多いので、働いていて安心感を感じますし、連携も大変スムーズです。RCAのインシデントレポートで大変だった時も、上長である作井さんがすぐに気づいて、「あなたはPayPayのWebのリーダーなんだから、自信持ってやっていいんですよ」と励ましてくださいました。

素晴らしいメンバーと一緒に、多くのユーザーが利用する公共性の高いサービスの開発に携わって社会貢献ができることは、とても幸せなことだと感じています。僕がPayPayで幸せを感じて働いているのと同じように、メンバーにも幸せに働いてほしいと心から思っています。ユーザーの期待はもちろん、一緒に働くメンバーの期待も絶対に裏切らないように、これからも努力していきたいです。

iOSで感じた革命感をWebにももたらしたい

今後の目標としては、自分はスティーブ・ジョブズ大好き人間なので(笑)、iOSで感じた革命的かつ感動的なUXをWebでも実現したいですね。具体的には、もう少し落ち着いたら、UI/UXの改善やパフォーマンスバジェットのガイドラインの策定などを行いたいと考えています。

PayPayとベストマッチするWebエンジニアとは

PayPayは、QRコード決済サービスの領域を超えて、日本社会を支えるインフラのレベルにまで到達していると考えています。そんな状況の中、グローバルな環境で、優秀な同僚たちと5,000万人以上のユーザーが使用するサービスを作り上げていくことになるので、仕事に対する満足度も高く、誇りを持って働くことができる環境です。

与えられた仕様書やデザイン通りの開発をするだけでなく、PMやデザイナー、BEエンジニアと意見を自由に交換しながら開発できます。フロントエンジニアでも、ただ画面を作り上げる、UI/UXの観点からいい品質サービスをユーザーに提供するだけでなく、セキュリティー面で安全で信頼性の高いサービスを提供するための観点や技術を身につけることができます。

デザインや仕様が決まるのを待つのではなく、一緒に決めていける人、時には状況に合わせて柔軟に対応できる人、モチベーションが高く、新しいことにチャレンジをしたい人が活躍できる社風です。「自分の仕事がどのように社会に影響を与えているのか」を感じながら働きたい人には、PayPayは最善の会社になると思いますよ。

周囲から「優しく聡明なお人柄が伝わってくる!」と大変評判のOnBoardingビデオで笑顔を見せる二見さん。

現在募集中のポジション


協力:Yuichi Futami / 執筆:Essie(PayPay Inside-Out編集部) / 撮影:Hinako&Mina
※社員の所属等は、取材当時のものです。