2018年にサービスを開始し、ユーザー数5,500万人というスマホユーザーの2人に1人が使用するモバイル決済サービスに成長したPayPay。現在約50の国と地域から多様なエンジニアが集まって構成されています。
Pay2 Dev Speaksシリーズでは、2022年10月にスタートしたPayPay初の海外開発拠点であるPay2 Development Center(以下、Pay2DC)の個性豊かなメンバーたちの声を通して、インド拠点の今をお伝えしていきます。
シリーズのスタートは、Pay2DC責任者であるMuneに話を聞きました。今回は前編として、PayPayの魅力やインドに拠点を作った理由、Pay2DCのミッションなどについて語ってもらいました。

平川 宗則(Mune)
Pay2 Development Center Private Limited Managing Director
大学院卒業後、ヤフーにバックエンドエンジニアとして入社。課金管理システムやポイントシステム、ヤフーウォレットのプロジェクトなどに携わる。2018年6月、PayPayの立ち上げ期に参画。シニアマネージャーを経て、2022年10月から現職。
Muneのプロフィール
PayPayの開発業務からPayPayの開発拠点づくりへ
大学院を卒業後、インターネット業界大手のヤフーにバックエンドエンジニアとして入社し、約10年間決済やポイントのシステム開発を担当していました。
PayPayには、立ち上げから参画しています。当時はほとんど英語が話せなかったのですが、技術連携をしていたPaytmのメンバーと、ホワイトボードで絵を描きながらなんとかコミュニケーションして、0からプロダクトを作り上げたのは非常にエキサイティングな経験でした。その後、テックリードやシニアマネジャーを務める中で、さらにもう一段チャレンジがしたくて、インド拠点開設のプロジェクトに自ら挙手をしました。「迷った時はワイルドな方を選べ」という以前の職場の教えにならい、12月に家族とインドに引っ越しました。
現在はインド拠点のPay2 Development Centerで責任者を務めています。
PayPayってどんな会社?

ユーザーファースト実現のためプロフェッショナルがワンチームで動く
PayPayは、現在の登録ユーザー数が5500万人と大規模なサービスへと成長を遂げているモバイル決済アプリです。当初からインド最大手のFintech企業であるPaytmから技術提供を受ける形で一緒にプロダクトを創り上げてきました。そして、キャッシュレス後進国といわれる日本で、キャッシュレス化と金融プラットフォームの普及を一気に推進しています。私は2018年の創業期から関わってきましたが、短期間でここまで大きく成長できたことに驚いています。これだけ多くの経験と学びを得られる場所は他にありません。4年半の間で、10年、15年働いてるような濃い時間を過ごしています。
濃厚な体験ができる要因にもなっているPayPayの特徴を挙げるなら以下の3つです。
- どの部署メンバーも、PayPayというプロダクトとサービスを愛していて、PayPayの成長のためなら何でもやろう、という気持ちが強い
- 一人ひとりのプロフェッショナル意識やスキルが高く、課題解決が速い
- プロダクト開発エンジニアの8割は海外メンバーで、たくさんの新しい視点や考え方を学ぶことができる
PayPayの魅力はなんといっても、新しい価値をユーザーに提供していくスピード。そして、そのスピードの裏側にある、いい意味でのカオス。ユーザーファーストなサービスの実現を追い求めプロフェッショナルなメンバーがワンチームで動くこのスピード感は、当社でしか経験できないことのひとつだと思います。
インドに開発拠点を作った理由
急成長をインドのエンジニアと実現する
海外に開発拠点を設けるきっかけは、サービスの急成長に対して、プロダクトチームの拡大が大きな課題になっていたことです。採用率1%以下というトップ中のトップのエンジニアを集める中で、日本に来てもらうのではなく、こちらが海外に出ていこうとなったわけです。
インドは世界でも最大のIT大国で、毎年数千万人のITエンジニアが生まれている巨大な採用マーケットがありますし、Paytmと連携してきた経緯もある。だから、インドに決めたのは自然な流れでした。
拠点立ち上げストーリー
半年で会社を設立し、Gurugramで組織を拡大する
プロジェクトの始動から会社設立まで半年という短期間でしたが、PMOチームの素晴らしい仕切りのおかげで、ほぼすべての準備作業がスムーズに進みました。
設立前にインドを訪れた際には、Paytmのオフィスの一角を借りることも議論していました。でもGurugramの立地が魅力的で、日本人も滞在しやすいことから現在の場所に決めました。

2022年10月に設立し、2023年1月にはオフィス開所とスムーズな流れではありましたが、現地でのエンジニア採用にはまだまだ課題があります。PayPayのサービスを提供していないインドで、いかにプロダクトや拠点の魅力を知ってもらえるか。働き方が日本とは異なるインドで、現地の文化に合わせながら、どうエンジニアの要望に応えていけるか。このような課題に、急ピッチで取り組んでいます。

チームとカルチャー
エンジニアでカルチャーを作る
現在メンバーは10名弱で、初年度で組織を6倍程度まで増やす計画をしています。今は日本のメンバー数人にも出張に来てもらって、PayPayの仕組みやプロセス、文化を伝えてもらっています。インドの人たちは家族や友達をとても大切にするので、拠点内でもお互いの誕生日を祝ったり、子供を連れてきたりと家族のような関係を築いています。3月のホーリー祭でも、拠点に家族を招いて一緒にお祝いをしました!

初期のメンバーが会社全体のカルチャーを作っていくと思うので、密にコミュニケーションを取りながら、PayPayが求めているスピードやクオリティ、PayPay5sensesで示されている価値観を理解してもらい、強力なチームを作っていきたいですね。
Pay2DCのミッションは?
東京とワンチームで質の高い開発を目指す
Pay2DCは単なるオフショアではなく、東京のプロダクトチームの水平拡張と位置付けているので、ミッションも日本の本社と全く変わりません。日本をいかにキャッシュレスに変えていけるか、いかにユーザーファーストなプロダクトを提供できるかです。日本と同様のプロセスで、同様の高い品質レベルを求めていきます。
一方で、Pay2DCがインドのエンジニアにとってメリットを感じてもらえる環境になることも重要だと考えています。この2つを実現するカギとなるのが、日本にいる数百名近いプロダクトチームと一体感を持てるようにすることだと考えています。インドと日本双方のメリットを最大化できるよう、シナジーを生み出せる環境にしていきたいですね。そして、目指すは世界No.1のフィンテック企業。初の海外拠点であるPay2DCは、その躍進に大きく貢献する存在になっていきたいと思っています。
次回は…
Muneさんインタビューの後編を公開予定です。お楽しみに!!
協力:Mune / 執筆・編集:Moe / 撮影:Tak
※社員の所属等は、取材当時のものです。