6700万人ユーザーを抱えるPayPay CMOが描く新たなステージ。「スペシャルワン」への限界なき挑戦とは?

2025.03.05

PayPayリーダーインタビューは、PayPayグループトップの人柄や考え方を紹介するシリーズです。今回は、2024年10月にPayPayの最高マーケティング責任者(以下、CMO)に就任した 藤井博文さんにお話を伺いました。

藤井 博文(ふじい ひろふみ)

執行役員
CMO 兼 事業推進統括本部 マーケティング戦略本部 本部長

1998年、東海デジタルホン入社。開発部にてSMSやモバイルインターネットの導入を推進。ボーダフォンによる買収後は経営戦略本部に転じ、中長期計画の策定や事業計画策定に携わる。2006年のソフトバンクによる買収後はサービス・コンテンツ畑に戻り、新サービスの企画・導入を推進。2009年5月よりサービスマネジメント部長。その後、サービスコンテンツ関連の統括部長を歴任し、主にサブスクリプション型サービスや、キャリア決済サービスの企画、導入、運用を担当。2018年8月よりPayPayのマーケティング責任者。2023年7月PayPay執行役員に就任、2024年10月より同社CMOを務める。

打席数の多さ、数多くの失敗経験がいまのキャリアに繋がる

これまでのご経歴を教えてください

これまでテック、経営戦略、マーケティングと多様なキャリアを積んできました。

東海デジタルホン入社当初は、エンジニアでした。当時は携帯電話事業及びモバイルインターネットの黎明期であり、1年毎に事業内容が変わり、会社がダイナミックに成長する中、モノ作りに携われたことは非常にいい経験でした。

ボーダフォンによる買収後は経営戦略本部に加わり、経営のいろはなど多くのことを学びました。当時身につけた経営・マーケティング・財務に関する知見は、ソフトバンクによる買収後、サービス企画の現場で活かし、磨く機会に恵まれました。さまざまなサービスの責任者として事業判断を行うことでビジネスセンスが磨かれましたし、PDCAを高速で回していく経験も積むことができました。当時は大変な思いもしましたが、打席に立たせてもらう回数が多かったこと、そして失敗もたくさん経験したことで、大きく成長できた期間だったと思います。

PayPayに入ってからも多くの施策にチャレンジしてきました。ソフトバンクと同様、PayPayにも失敗を恐れずチャレンジできるカルチャーがあります。その中で、失敗を減らし打率を上げる「ノウハウ」が蓄積されてきたと感じていますし、時には「やめる」決断力をつけることもできました。過去の経験は、PayPayでのマーケティングのありかた、そしてCMOとして大切にする考えにもつながっています。

グループ全体で顧客価値を高め、企業価値を向上させていく

役割、ミッションについて教えてください

CMOの役割は、エンドユーザーに関わる観点で企業価値の最大化に貢献していくことだと思っています。具体的には、マーケティング効率を保ちながら、顧客価値(LTVの総和)の最大化を実現することが私のミッションです。

既に多くのユーザーを抱えるPayPayに対し、今後の成長鈍化を感じる方もいるかもしれません。しかし、実際のところユーザー数6,700万人(2024年12月現在)に対して、MTUは3,452万人(ソフトバンク2025年3月期第2四半期 決算資料より)。1億人いると言われるスマホユーザーの約3分の1であり、まだまだすそ野を広げられる余地があります。一方で、既存ユーザーのユースケースを積み重ね1人あたりの顧客価値(LTV)を上げていくことも同様に重要です。この両輪に粘り強く取り組み続けることで、顧客価値を継続的に高めることができると信じています。

一方で、PayPayは「おトクで便利な決済アプリ」として、グループ全体の金融事業における「くさび」のような存在です。この「くさび」を最大限に有効活用するためには、銀行、証券、カードといった金融サービスにおいても、PayPayユーザーが使いたいと思えるサービス、ユーザー体験のクオリティ向上が重要です。そういったサービスレベルの向上への貢献や、それを前提としたマーケティング施策によるPayPayからの送客構造の構築を実現していきます。

PayPayグループ全体のマーケティング戦略として一番重要な軸とは?

決済・金融領域の中で「スペシャルワン」としてのポジション獲得、そして「持続的な成長」ができる環境作りの2点です。

PayPayは今、総合的なフィンテック事業社として日本市場において頭一つ抜けた存在となることを目指しています。金融領域全体でユーザーにPayPayを無くてはならない存在だと感じてもらうための取り組みを強化していきます。たとえば今の日本では、資産管理を行っているという方はまだまだ少数派です。そこでPayPayのアプリ接点や豊富な決済データといった強みを活かし、AIによるコンシェルジュ機能などを活用しながら、ユーザーに対して最適な資産ポートフォリオについての提案ができるようなサービスが提供できれば、ユーザーにとっての「スペシャルワン」に近づけると考えています。マーケティング活動を通じて、新しい価値観のユーザへの提案ができれば、その後押しとなるはずです。

また「持続的な成長」についてですが、一時的な利益ではなく、サステナブルにグループ全体が成長する構造を作ることで、マーケットからより信頼されることを目指しています。そのために、顧客価値を持続的に向上できるような構造を構築していきます。

課題感、今後の強化ポイントなど教えてください

マーケティング領域は可視化、数値化が難しい業務が多々含まれますが、経営観点からも課題感を持って取り組んでいます。

ひと口にLTVと言っても、企業により定義はバラバラです。「このセグメントから別のセグメントにユーザーを動かせたら、どれくらいLTVが伸びるか」といったことの構造を精緻化できれば、コストも逆算できるし、投資判断もしやすくなる。グループ内で統一した基準を設け、マーケティング施策を積極的に打ちやすくなるような環境作りにも取り組みます。

またLTVを効率よく伸ばすためには、ユーザーをセグメント分けし、個別最適化したアプローチを通じての顧客育成が欠かせません。そのために必要なマーケティングツールの導入や、セグメント別のコンテンツ作成、AI活用といったオペレーション全体についての環境整備を行い、グループ各社へ展開していきたいです。

PayPayブランドのポジショニングについてはどうお考えですか?

事業環境変化を敏感に捉え、アジリティを持って事業の優先度を変えていけるのがPayPayの強みの一つです。そのため、PayPayのブランドアイデンティティを定義することは、あえて避けてきました。一方で、結果として、ユーザーからは「便利でオトクなスマホ決済」というブランド価値を感じていただいている状況です。

しかし、これからは総合的なフィンテック企業として、「お金のパートナー」といったブランド価値を感じていただけるよう、意図的にリブランディングを実行していく必要があると考えています。具体的なタイミングや手法は今まさに検討を進めているところです。

良いサービスが続々と生まれる環境でのマーケティング活動

仕事するうえで意識していることを教えてください

以前の取材から変わらず、PayPay 5 sensesの「SPEED is our bet on the market」を意識しています。真摯にマーケットと自社サービスに向き合い、スピード感をもってテストマーケティング等でPDCAを回せれば、打席数を増やすことができ、最良の結果に最短の時間でたどり着ける可能性が高まります。この意識はこれからも持ち続けたいですね。

マーケティング領域に携わる楽しさはどんなところでしょう?

PayPayにおいては、毎週アプリがアップデートされ、新サービスや新機能の投入や、改善が止まることなく行われています。自社のプロダクトに強い誇りを感じながらマーケティング活動ができるのは最大の魅力です。

マーケティングは「傾きを変化させる活動」です。いまや、国民的なプラットフォームに成長したPayPayですが、今後も歩みを止めず必ず進化しつづけます。一方で、私たちマーケターの力量次第で、その成長の「傾き」を変化させることができます。この成長の「傾き」をより鋭角にできるかどうかが、決済・金融領域でPayPayが「スペシャルワン」になれるかどうかに直結してきます。この点に、強く責任を感じつつ日々の取り組みに対して向き合っていますね。

仕事へのモチベーションはどのようなところにありますか?

普段の生活の中で実際にPayPayを使っている方が増えていると実感できることが、一番のモチベーションに繋がっています。

PayPayではNPS(Net Promoter Score)を計測指標のひとつに取り入れています。アクティブユーザーの中で、PayPayを周囲に推奨したいと言ってくださるユーザーは、4割程。すなわち、1000万人以上もいて、右肩上がりで増えています。「PayPayを周りの人に薦めています」という方に直接出会う機会も徐々に増えてきており、単純に嬉しいだけではなく手応えを感じる瞬間です。ダイナミックな規模感を味わえるのはPayPayならではですし、社会に影響を与えるような企業になってきたのだと実感でき、誇りをもって仕事に取り組めています。

ダイナミックな環境でマーケターとしての価値を高めることができるPayPay

今後、成し遂げていきたいことを教えてください

エンドユーザーに視点を置きつつ、多角的にマーケットに向き合っていきたいですね。黒字化を実現しサステナブルに成長することで、PayPayが永続的に世の中に存在するようなサービスとなることを目指していきます。そのためにも、顧客価値を継続的に成長させられるようなマーケティング組織を作ること、そしてそれをグループ全体のカルチャーとして定着させることに取り組んでいきたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします!

誇れる強いサービスやプロダクトがあってこそ、マーケティングがより力を発揮します。それが叶う環境でマーケティング活動できることが、マーケターとしての成長・幸せに直結すると思っていますし、確実にPayPayにはそれがあると、断言できます。

ここには新たなチャレンジを推奨するカルチャーがあり、環境変化や規制緩和といった追い風も吹きやすい。ダイナミックなマーケティング活動に取り組みながら、マーケターとしての価値を高めていきたいという人には最高の環境です。失敗を恐れず数多くの打席に立ちたいというモチベーションを持つ方と事業を成長させていきたいですね。ぜひご一緒しましょう!

※募集状況、社員の所属等は取材当時のものです。

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