2018年にサービスを開始し、日本でユーザー数6,700万人(2024年12月時点)というスマホユーザーの約3人に2人が使用するモバイル決済サービスに成長したPayPay。India Dev Speaksシリーズでは、PayPayの海外開発拠点であるPayPay Indiaの個性豊かなメンバーたちの声を通じて現場のリアルをお伝えします。
今回、加盟店向けプロダクト「PayPay資金調達」のリリースを主導したシニアプロダクトマネージャーGaurav Jainさんにお話を伺いました。PayPay資金調達は、初めて機械学習モデルを活用したビジネスファイナンス案件。プロダクトマネージャーとしてのミッション、プロジェクト推進ややりがい、そして今後の挑戦についてお話いただきます。

Gaurav Jain
Senior Product Manager, PayPay India
ジャイプール出身のGauravです。これまでEコマースやトラベル、フィンテック、教育などの領域で10年近くプロダクトマネジメントや開発経験を積んだ後、フィンテック業界で世の中にインパクトを与えるようなプロダクト作りに携わりたいという強い思いから2024年2月にPayPay Indiaへ入社しました。
転職の理由
フィンテック業界での開発を通じて世の中を便利に
Gaurav:
学生時代はコンピューターサイエンスを専攻しエンジニアリング学位を取得後、コーディングに興味を持っていたこともありバックエンドエンジニアとしてインドの大手Eコマース企業でキャリアをスタートしました。当時、自分自身で何かを成し遂げたい、そんな思いをずっと持ち続けていて、退職後は自ら旅行系のスタートアップを立ち上げました。
その後、プロダクトマネージャーへキャリアチェンジし、フィンテック企業を経て、インドネシアのEdTech企業へ。そこでプロダクトチームをいちから立ち上げ、数百万人の学生たちに利用されるプロダクトを開発しました。多くのユーザーに役立つモノ作りに携わった経験を通じて若い世代に貢献できたことに大きなやりがいを感じましたね。ですが、フィンテック領域への情熱は消えず、再びその業界に戻ることを決意しました。そんな時、偶然PayPay Indiaでのシニアプロダクトマネージャーポジションを見つけ、これまでの経験を活かしながら、より多くのチャレンジに取り組みたいと思い応募しました。

プロダクトマネージャーとしての役割とミッション
Gaurav:
私は2チームに所属しています。1つは、マーチャントアプリ内でのファイナンス商品の開発に焦点を当てるマーチャントファイナンシングチーム(拠点はインド)、もう1つはマーチャントファイナンス商品のためのクレジットモデルの開発をするクレジットモデリングチーム(拠点は東京)です。
ミッションは、加盟店の資金ニーズを満たすお手伝いをすることです。
PayPayでは、四半期ごとにロードマップを策定します。プロダクトマネージャーには、ビジネスとプロダクト側からの要件をクリアにすべくロードマップ計画をリードする役割が求められます。それぞれ各機能に対して異なる優先度があるため、プロダクトマネージャーは選別し、各機能に対して開発の優先順位をつける必要があります。
シニアプロダクトマネージャーとして直近で推進したプロジェクト
入社以降9カ月に渡りリードした「PayPay資金調達」プロジェクトとは?
Gaurav:
入社以降、9カ月ほど金融サービスのシニアプロダクトマネージャーとして、加盟店向けの資金調達の取り組みのディレクションを行いました。GMVの拡大へもつながる責任重大な案件です。本プロジェクトにおける私の役割は、PayPay for Businessアプリで加盟店が資金調達を申請する際の体験を向上させる機能の構築でした。

資金調達について、少し背景をお話すると、例えば「空調が壊れて来週まとまった資金が必要」といった資金調達ニーズが加盟店側にある一方で、従来の銀行融資は容易でなく、大量の書類準備やオフラインの手続きが必要とされます。そのような課題を解決するために、加盟店が資金が必要になった際に、融資を利用することなく、将来の「PayPay」経由の売上を事前に受け取ることができる新サービス「PayPay資金調達」の提供が決まり、入社直後の2024年3月にプロジェクトを立ち上げました。
精算は将来の売上金の中から行われるため、担保や保証も不要。そして、審査のための書類作成・提出などの手間がなく、申し込みから最短数秒※で入金されるという手軽さで好評をいただいており、これまで申し込みいただいた総額は事業計画の数倍以上になっています。
- PayPay銀行を振込先に指定した場合のみ、最短数秒で入金されます。
プロジェクトを進めるうえで直面したチャレンジ

Gaurav:
それぞれを紹介すると、1つ目のチャレンジは、加盟店向け資金調達における機械学習モデルの構築に関してです。通常、銀行融資では人手を使って審査しているのに対して、今回のプロダクトで求められたのは、膨大なデータポイントを扱い、リスクを最小限におさえ、機械学習モデルを使うことで数秒で完了させ、即座に入金プロセスに入れるようにすること。私にとって新しい分野でもありPayPay東京チームのデータサイエンティストたちと密に連携し、いかにモデルを洗練し向上させていくのか学びながら改善を重ねました。幸い私にはコンピューターサイエンスのバックグラウンドや統計の知識があったので、機械学習モデルのプロセスに関しても勉強しつつチームメンバーとも会話を重ねることで理解を深め推進していくことができました。
そして、2つ目は、サービス認知へといかにつなげられるかという点でした。モバイル決済においては日本国内で誰もが知るPayPayであっても、今回の領域へは新規参入です。ローンチにあたって、加盟店が「PayPay資金調達」を信用し、活用してくださるものにすること。それには、やはり日本市場や日本の加盟店さんたちが何を求めているのかを理解することは欠かせませんでした。2024年11月、日本出張時には、資金調達を申請したレストランやサロンなどの加盟店に対してインタビューし、ペインポイントやどのような機能が求められているのかヒアリングしました。加盟店が求める形にプロダクトを磨きつつ、その上でヒアリングによって把握できた彼らのタッチポイントでアプローチをかける。ここは今後も引き続き力を入れていかなければならない課題です。
3つ目のチャレンジは、ステークホルダーとの情報交換です。特に社内で頻繁にやり取りが発生したのは日本にいるビジネス側のメンバーでした。言語の壁もありましたが、PayPayの通訳メンバーの支援で有益な打ち合わせも実施できましたし、コミュニケーションツール上でも翻訳機能を活用して時間を無駄にすることなく会話できました。以前、他社で働いていた際はその点がスムーズでないことが生産性ダウンへもつながっていましたが、今回はそのようなことも発生しませんでした。
日本市場の状況やビジネス慣習、今回のPJを通じてビジネス上でどのような世界を創っていきたいのか、ビジネス要件など何度も会話を重ねました。
常にデータドリブンであれ
新たな領域での挑戦によって得た自らの成長
本PJを通じて、機械学習モデルや日本のユーザー特性を深く理解することができました。データサイエンティストと一緒に働き、モデルがゼロから作られてどうデプロイされているのか。そしてプロダクトにどう影響を与えているのか、直接見ることができたのは本当に有意義でした。
PayPayのプロダクトマネージャーにとって、非常に重要なことは「データドリブン」であることです。いかに膨大なデータを集めて、判断を下していけるか。もちろん、定性的なデータも役立ちますが、数字は嘘をつきません。
例えば、「加盟店がアプリを開く頻度や、どのような時にアプリを見ているのか」属性や行動を理解することに務め、そのうえで「彼らが何を借りていて、どのように返済しているのか」もデータを通じてプラットフォーム内での動きや挙動を全方位から見て理解したうえで最適な方向性を探るために、データを最大限活用しました。プロジェクトにおいても、データで検証した後にビジネスリーダーたちからの確証を得てから、プロジェクトを主導しました。ビジネスパートナーとの合意後、デザイナーたちとのディスカッションを進めていきました。データを見ることによって本質的な部分が見えてきます。

インドの開発者へメッセージ
キャリアアップへとつながる成長機会が多いPayPay India
Gaurav:
フィンテック先進国インドからの視点を活かし、6,700万人のユーザーを抱える日本のプロダクト開発に携わることは大きな魅力です。そして、PayPayには膨大なデータが存在するので、プロダクトマネージャーにとって、開発の次の打ち手を決める際の大きな助けになります。また、PayPayのプロダクトチームは日本・インド両方でプロダクトマネージャーを増やしていく予定です。グローバルな職場環境下で、インドから日本の東京チーム側の様々な国出身のプロダクトマネージャーや開発者たち、ビジネス側チームと協働することで、異なる視点を取り入れ、プロダクト成長に携わることができます。なかなか他社では得られない経験です。私自身、今後もシニアプロダクトマネージャーとしての挑戦を通じて新たな価値を創造していきます。
日本のプロダクト開発に携わることは、インドとは異なるユーザー特性を理解したうえでの開発の重要性を学ぶことができます。PayPay Indiaでは、プロダクトマネージャーとして成長する機会が豊富にあります。新しいプロダクトの開発に携わり、みなさんのキャリアアップへとつながる環境がここにはあります。
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※社員の所属等は取材当時のものです。

