前例なき新規事業開発に挑む!PayPayデビットはいかにして生まれたのか

2025.07.31

PayPayグループのビッグプロジェクトの舞台裏に迫るProject Storyシリーズ。
本シリーズでは、重要プロジェクトにスポットライトを当て、その裏にあった障壁や各担当者のこだわりなど現場でのリアルなストーリーを、担当者へのインタビューを通じてお届けします。

今回ご紹介するのは、2025年4月にリリースされた「PayPayデビット(当時、PayPay銀行残高)」。本号では、プロジェクトを推進した金融戦略部 戦略企画チームのキーパーソンたちに、プロジェクトの全貌とユーザーファーストな姿勢で向き合ったそれぞれの想いをお話いただきました!


勝間 淳(かつま じゅん)

PayPay株式会社 金融事業統括本部 金融戦略本部 金融戦略部 戦略企画 リーダー

大手eコマース企業にて、ポイントプログラムの戦略策定・実行や、アプリ経由でのグループサービス間のクロスユース促進に向けたサービス企画に従事したのち、2024年2月にPayPay入社。現在は、金融事業領域で戦略企画チームのリーダー。本プロジェクトの推進リード役として、プロジェクト推進状況の確認、課題の洗い出し、マーケティング戦略の立案、事業計画の策定、ダッシュボード計画などを担当


継枝 研太(つぐえだ けんた)

PayPay株式会社 金融事業統括本部 金融戦略本部 法人事業開発部 事業企画

フィンテックスタートアップ、IT業界でキャリアを積み、2023年5月にPayPayへ入社。現在は、加盟店向け金融事業の立ち上げなど、PayPayの新規事業・新サービスの企画を担当。PayPayデビットにおいては、ビジネス要件定義、サービス内容の具体化、サービス提供体制の構築、関連部門との調整などを担当


佐藤 健史(さとう けんじ)

PayPay株式会社 金融事業統括本部 金融戦略本部 金融戦略部 戦略企画

ソフトバンク株式会社でスマートフォン端末の企画・調達・販促を担当後、サービスグロースへの貢献を次なるチャレンジとして2024年4月にPayPayへ出向。PayPayデビットプロジェクトにおいては、ユーザーへのサービス周知、広報・PayPay銀行と連携したうえでのプレスリリースの作成などコミュニケーション周り、PayPay銀行との契約締結、法務と連携しユーザー・加盟店規約の新規制定・改定などを担当


澤田 真二郎(さわだ しんじろう)

PayPay株式会社 金融事業統括本部 金融戦略本部 金融戦略部 戦略企画

大手コンサルティングファームにてデータ利活用を通じたBtoC向け経営コンサルティング業務に従事したのち、2025年2月にPayPayに入社。本プロジェクトではUAT事務局運営を中心に行い、PayPayとPayPay銀行双方のプロダクト・ビジネス・テスター社員と連携しながら、発見されたバグや改善点の課題管理等を担当

ゼロイチでのサービス開発、プロジェクト始動の背景

金融戦略企画チームのミッションについて教えてください

勝間:
金融戦略本部金融戦略企画チームのミッションは、大きく二つあります。一つは、PayPayそしてグループ企業一丸となって他社には真似できない新規事業を立ち上げること。もう一つは、7,000万人を超えるPayPayユーザー(2025年7月時点)が、PayPayグループが提供する金融サービスをクロスで利用する顧客体験を一気通貫で創り上げることです。

PayPayデビットとプロジェクト発足のきっかけ

勝間:
きっかけとしては、PayPay銀行のグループインを控える中、新たなサービスライン拡充が計画されており、シナジーを活かせる金融サービスとして「新たな決済手段」に注目しサービス開発に至りました。PayPayデビットは、預金や利息を預けているPayPay銀行の口座から直接PayPayの支払い手段として有効活用できる機能です。預金による利息付与と、買い物における資金循環の創出を目指しました。

PayPayが提供する新たな支払い方法「PayPayデビット」
※2025年6月25日に「PayPay銀行残高」のサービス名称は「PayPayデビット」へ変更となりました(お知らせ)。
※実際の画面と異なる場合があります。

一般的な銀行アプリにおける機能は預金や送金等が中心。PayPayでは、ユーザーに新たな体験を提供するためにPayPay銀行アプリ上に「決済機能」をプラスしています。当初はクレジットカードを頻繁に利用しない層をメインターゲットとしていましたが、機能提供後、実際に利用状況を見ると、クレジットカードの保有有無に関係なく、PayPay決済、PayPayデビット決済、クレジットカード決済を使い分けてくださっているようです。

継枝:
リリースは半年後、非常に短期間でのプロジェクト。そして、決済機能の追加。すごくシンプルに聞こえるかもしれません。ですが、PayPayとPayPay銀行で協力して新たな形で決済サービスを追加するという取り組みであり、プロダクト開発はもちろん、契約関連など法的観点の整理、ユーザー対応、加盟店対応、会計影響、不正対策などのセキュリティ面の考慮や、万が一の補償対応方針の整理、障害発生時の対応方針整理など全方位に影響しました。

プロジェクト前半はサービスの枠組み作り、PayPay銀行との役割分担、法的な整理(資金移動業に該当するかなど)に多くの時間を費やしました。また、整理と開発を並行して進めました。ユーザーや加盟店へのわかりやすい説明や契約などを丁寧に行う必要もありました。2024年末までPayPay側での開発を進め、その後PayPay銀行側での開発へと移り、2025年3月にテスト、その後リリースへとつなげる流れでした。

リリースに向けた挑戦

プロジェクトを振り返って特に大変だったのはどんなことでしたか

勝間:
多様なテスト段階で問題が発生した際の対処法、そして複数のユーザー影響を伴う事象への対応策の検討が、プロジェクト全体を通じて困難を極めました。多くの関係者が関わり、全員が「何としてもリリースを成功させねばならない」という強い責任感を共有し、その緊張感の雰囲気がプロジェクト全体を包んでいました。

佐藤:
勝間さんが全体的な所をまとめてくださっている中、自分はコミュニケーション周り以外では、ユーザーや加盟店規約の制定・改定や、取引先(PayPay銀行)との契約などに対応しました。社内でも大規模なプロジェクトで、100名以上の社員が初期設定や支払いなど多岐にわたるテストを実施し、バグや改善点のリストを作成しました。

リリース直前に特定の条件下で発生するバグが検知され、その修正版のリリースが夜22時になったこともありました。即確認の必要があり、特定の条件に合致する社員を社内で探し、修正が適用されているかを確認しました。リリースのためにスピード感を持って対応しました。この経験は「責任感」という言葉に集約されます。リリース死守するためにやるしかないという気持ちで、時には周囲に頭を下げることもいとわない姿勢でした。

澤田:
リリース直前の1週間は、多くのユーザーや加盟店にご利用いただくサービスとなるため、バグ改修やサービス改善をギリギリまで続けました。特にリリース直前は多忙を極めました。タイトなテストスケジュールの中で、想定以上の課題が次々と発生したためです。一つひとつの課題に対し、リリーススケジュールを守るために「いつまでに修正するか」「優先順位はどうか」を見極めながら、対処すべき課題と優先度を下げる課題を整理していく作業に注力しましたね。

課題管理表には30〜40個もの課題が上がっていたと記憶しています。初めて事業会社に転職した直後で、凄まじいスピードで物事が進んでいく環境でした。このスピードに乗り遅れないようキャッチアップを続けてチームメンバーの一員として貢献できるよう努めたことは、貴重な経験になりました。

勝間:
佐藤さん、澤田さんがお話されたように、リリース前のテストで多くのPayPay社員に協力してもらったことは感謝しかないです。会社一丸となって、無事リリースできた。そういっても過言ではありません。そして、プロジェクトの推進に際して、周囲の支援の力が、私たちの中での原動力になりました。

継枝:
加えて、リリース直前のテストで経営陣からも直接改善点のフィードバックをいくつももらい、トップ含めて社員全員でユーザーにとって良いサービスを出そうとしている組織ということに喜びも感じました。

デジタル金融プラットフォームの頂点を目指す

リリース後の状況やユーザーからの反応はいかがでしょうか

勝間:
リリース後、どんな反応があるのか正直ドキドキしていました。ですが、「こんなサービスを待っていた」「意外に便利だった」などポジティブな意見もいただき、励みになりました。まだまだリリースしたばかりで改善すべき点は多数あります。リリースして間もないですが実はユーザーのみなさんに分かりやすいようサービス名の変更も行っています。機能面に関しても、今後ご利用いただきやすいサービスを目指して継続的に改善や機能追加をしていきます。

PayPay銀行との連携プロジェクト「PayPayデビット」を推進することによって、PayPay銀行の魅力を高め、PayPayだけでなくPayPay銀行のネイティブアプリからのユーザー体験も向上させていきたいという思いがさらに自分の中で強化されました。また、まだまだグループ企業間で力を合わせることによってできることは無限にあるかと思っています。連携により、デジタル金融プラットフォームへ進化に向けての世界観を創出していきたいという決意が強まりました。

佐藤:
私はリリース当日実際に決済が問題なくできるか確認のために、多くのお店に足を運びました。そして、PayPayデビットで決済をしたというログを見た時の感動は忘れられないですね。

戦略企画チームの雰囲気や仕事するうえでの醍醐味を教えてください。

勝間:
PayPayは決済アプリからデジタル金融プラットフォームへと変貌を遂げつつあります。そのような状況下で、PayPayが提供している金融サービスや機能のユーザー認知や獲得を我々のチームで推進していきたいです。

求められる成果や期待値は非常に高く、そのプレッシャーを毎日エキサイティングに楽しめる組織です。周囲を巻き込みながら、チームだけでなく会社一丸となって巻き込む力を兼ね備えてもいます。また、世の中にない付加価値のあるサービスをユーザーのみなさんに届け、実際に手に触れていただけるチャンスがある我々の仕事は何事にもかえがたいですね。

佐藤:
勝間さんのお話された内容に加えて、スピード感があり、各メンバーが互いにフォローしつつも、それぞれの領域に責任を持って業務を遂行する強力なチームです。きっと、この規模のプロジェクトを数名で、しかも半年ほどで実現しているのはなかなか予想できないんじゃないでしょうか。自分がそのスピード感を生み出す意識で仕事をしないと、会社に置いていかれそうになります(笑)。

新規開発を行う私たちの組織では、会社の戦略とマッチしているか経営層と週次でディスカッションする機会もあります。そこで出たフィードバックも参考に新規開発を行っております。PayPayのアセットを活用して、ゼロイチでサービス生み出すことができる点がこのチームで仕事する醍醐味だと思います。

勝間:
佐藤さんが言及したように、我々新規事業開発部署が主導する案件は、過去にベンチマークとなるモデルがない状況が常です。このような局面での業務は日々困難に直面しますが、その反面、チャレンジに溢れた状況そのものを楽しめる非常に興味深いポジションでもあります。

澤田:
圧倒的なスピード感と、ユーザーファーストという共通認識を全員で持ち、妥協せずにやり遂げるカルチャーがあります。リリース直前に問題が発生しても、最速でPDCAサイクルを回し、全員がぎりぎりまでこだわり抜くことでサービスローンチにつながっています。

裁量とスピード感を持って事業企画・開発に携わることができますし、自分たちの生活に身近で多くの人が利用するサービスであるため、非常に手応えを感じられます。また、リリースして終わりではなく、リリース後はもっとよいサービスにしていくためにはどうしたらよいのかといった新たなスタートと共通認識を持ち立ち向かっていく、それもPayPayだからこそだと思いますね。

継枝:
各メンバーが自立して業務を遂行するチームです。誰かの指示で動くのではなく、サービスを成功させるために自ら必要なことを主体的に進めるカルチャーがあります。PayPayに関する新しい機能や新しいサービスの企画・推進に携われることは仕事するうえでのやりがいにつながっていますね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします!

勝間:
PayPayはワクワクするようなチャレンジの場が多い会社です。PayPayの強みとグループ各社の強みを生かした相乗効果を一緒に生み出していける仲間をドシドシ募集してます。お待ちしております。

佐藤:
会社規模としては比較的大きなPayPayですが、スタートアップのようにスピ-ド感を感じながら新規サービス開発に携わることができます。また、自身の働きが、約7,000万人のユーザーに影響を与えることができる、エキサイティングな職場です。

澤田:
あくまでもユーザーにとって使い勝手の良いものを提供したいというのが僕らの根底にはあります。だからこそ、ユーザー目線で改善した方がよいという部分は、サービス規模に関わらずちゃんと反映されますし、裁量も与えてもらえています。自らのサービス・プロダクトをもち、ユーザーのすぐそばで、スピード感をもって自ら事業を推進していくことはおもしろく、これはPayPayという環境だからこそなしえることだと思います。

継枝:
もしPayPayで活躍できるかな?と心配されている方がいらっしゃっても、PayPayには様々な経歴のメンバーが活躍しているため、そのようなメンバーから色々と話を聞ける場をもらえると思います。ぜひ応募いただければと思います。

※募集状況、社員の所属等は取材当時のものです。

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