PayPayグループで働く圧倒的プロフェッショナルに迫るProfessionalsシリーズ。
今回は、金融戦略 法人事業開発部 部長として加盟店向け金融事業および法人向け事業開発を担当する渡邊 塁さんに話を聞きました。キャリアの分岐点となった意思決定、そしてPayPayで挑む事業開発のリアル。その根底にある「価値起点」の考え方に迫ります。
渡邊 塁(わたなべ るい)
金融事業統括本部 金融戦略本部 法人事業開発部 部長
銀行での法人融資・営業を起点に、FinTech領域における新規事業開発や金融機関とのアライアンス推進に従事。プロダクト立ち上げに加え、スタートアップでは営業責任者としてSaaS事業のセールス組織構築を担うなど、戦略立案から実行まで一貫して手がける。2021年1月にPayPayへ入社。データスコアリングを軸とした加盟店向け金融事業の立ち上げをリード。現在は法人事業開発部長として事業戦略の策定・推進を担うとともに、グループ横断での金融事業の拡張にも関与し、事業成長を牽引。
「バリュー出してるの?」から始まった転機
新卒で金融機関に入った当時、銀行は社会インフラの中核であり、事業者を支える最前線にいる存在だと考えていました。もともと経営者に関心があり、「支える側」に回りたい。その思いから、迷わず銀行を選びました。一方で、働く中で違和感もありました。前例や規則を守ることが評価される構造の中で、仕事ができることと価値を出すことは本当に同じなのかと考えるようになりました。そんな時、出会ったのがFinTechという領域です。金融は世の中を変えられる。その可能性を感じ、自分も変える側に回るべきではないかと考えたことが、最初の大きな転機でした。
もう1つの転機は、転職後に上司から投げかけられた一言です。「お前、バリュー出してるの?」当時はその意味が分かりませんでした。しかし、ユーザーに受け入れられなければ売上は立たない環境の中で、現場に足を運び、何度もフィードバックを受けるうちに、価値を出すことがすべてという考えが腹落ちしていきました。以降、「どんな仕事をするか」ではなく「どんな価値を出せるか」へとキャリア選択の軸は変わりました。自己成長中心だった視点は、社会に与えるインパクトへと移っていきました。

PayPayでしかできない価値創出への確信
PayPayへの入社も、その延長線上にあります。当時、QR決済はまだ評価が定まっていない段階でした。しかし、圧倒的なスピードでユーザーを獲得していくGo To Marketを見て、これは相当すごいことをやっている会社だなと感じました。さらに大きかったのは、顧客基盤とデータです。日常的な決済データと加盟店との接点があるからこそ、ユーザーや事業者の実態に基づいた金融サービスが設計できる。このアセットを活かせば、従来の金融機関単体では実現できない価値を生み出せると考えました。グローバルの潮流を見ても、決済プレイヤーが法人領域へ拡張していく流れは明らかでした。その余地が大きく残る領域で、自ら価値をつくる側に回りたいと考え入社を決めました。
事業開発とは「どの山に、どう登るか」を決めること
加盟店向け金融事業と法人向けの事業開発を担当しています。どの領域に投資するか。どの順番で進めるか。どのプロダクトから立ち上げるか。そうした意思決定を担い、事業戦略の設計から実行までをリードするのが役割です。
入社前は事業開発と言われても具体的なイメージは持てていませんでした。しかし実際には、想像以上に広く、そして深い仕事でした。最初はキャッチアップに苦労しました。単に戦略を描くだけではなく、「やるか、やらないか」「やるならどうやるか」を決め続ける必要があります。特に重要なのは、「やらないことを決める」ことです。限られたリソースの中で、すべてをやることはできない。だからこそ、何に集中するかの判断が事業の成否を分けます。
事業開発は「どの山に、どのルートで登るか」を決める仕事です。多くの案件は曖昧で、勝てる可能性もあれば、見送る判断もあり得る。その中で勝ち筋を見極めることが、最も難しく、同時に最も面白い部分です。また現在は、単一のプロダクトにとどまらず、PayPay銀行を中心としたグループ連携を通じて、金融の仕組みそのものをどう拡張していくかというテーマにも向き合っています。複数の機能や役割を組み合わせながら、新しい金融体験を設計し実装していく点が、この領域の特徴だと感じています。意思決定において私が常に意識しているのは、「誰が正しいか」ではなく「何が最も価値を生むか」ということです。

AI時代における競争は実行速度にある
ここ数年で、仕事の質は大きく変わりました。これまで時間をかけていたリサーチは、今ではAIで瞬時にできるようになっています。その分、差がつくのは実行です。どれだけ早く動き、試し、改善できるか。極端に言えば、プランニングと実行の比率は「0.1対9.9」。それくらいの感覚で実行に移さなければ勝てないと感じています。
不確実な中で立ち上げた「PayPay資金調達」
印象に残っている取り組みの1つが、「PayPay資金調達」の立ち上げです(参考記事)。当初は、ニーズがあるかどうかも分からない状態でした。ユーザーインタビューを重ねても確信は持てず、不確実性の高いままリリースに踏み切りました。しかし、実際に提供を開始すると、多くのユーザーに利用されました。設備故障など、今すぐ資金が必要になるケースは想像以上に多く、現場に触れて初めて見えるニーズがあることを実感しました。
このプロジェクトで重要だったのは、「いかにシンプルな体験を提供するか」です。例えば、初期の設計段階ではPC中心で使われるのではないかという見方もありました。ただ、経営陣との議論の中で、現場での利用シーンを踏まえると、事業者は店舗や移動中の隙間時間に操作するケースが多い。であればスマートフォン前提で設計すべきだという判断に至りました。結果として、スマートフォンでの体験にフォーカスしたことで、実態に即した使いやすさにつながったと感じています。
また、このサービスは「将来債権ファクタリング」という加盟店にとって馴染みのない仕組みを扱っています。そのため、説明を前提とした商材にするのではなく、UI/UXだけで直感的に理解できる体験にすることにも強くこだわりました。煩雑な仕組みを感じさせない、シンプルな設計にする。この点は特に意識した部分です。ユーザーにとって分かりやすく価値を感じられる形と、事業として成立する仕組み。その両立を実装レベルまで落とし込むことが、最も難しいポイントでした。

高い基準が、自分の基準を引き上げる環境
法人事業開発チームは、求められる水準が高く、決して簡単な環境ではありません。ただ、その分、自分自身の判断基準や視座が大きく引き上げられます。経営との距離も近く、事業の方向性や優先順位について直接議論する機会があります。この密度で意思決定に関わる経験は、他ではなかなか得られません。また、金融、プロダクト、営業など異なる専門性を持つメンバーと協働することで、自分の視野も広がります。
一方で、個人的には二児の父として、家庭との両立を図りながら働いてきました。決してそれがトレードオフになるわけではなく、高い基準の中でも両立できる環境だと感じています。正解のない中で意思決定を行い、その結果が事業に直結する。責任は大きいですが、その分、価値を生み出している実感も大きい仕事です。
市場に一石を投じる存在でありたい
自分の中では、「市場に一石を投じたい」という思いが一番強いです。せっかく仕事をするのであれば、何かした世の中や社会を良い方向に変えていきたい。特に金融領域は、自分自身が違和感を持ってきた領域だからこそ、そこをより良い形に変えていきたいという気持ちは強いです。自分が関わったサービスによって、「これがあったから世の中が良くなったよね」と言われるような価値を生み出していきたいと考えています。

変える側に回りたい人へ
PayPayは、決して楽な環境ではありません。求められる水準は高く、厳しさもあります。ただ、その分だけ得られる機会は大きいです。もし世の中を変える側に回りたいと思うのであれば、これ以上なく面白い環境だと思います。
向き合うテーマは簡単ではなく、「どこに張るか」「何をやめるか」といった、正解のない意思決定の連続です。それでも、自分の判断が事業として形になる手応えは、何にも代えがたいものがあります。既にあるものに乗るのではなく、自ら価値をつくりにいきたい。そんな意思を持つ方と、ぜひ一緒に働きたいです。
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※募集状況、社員の所属等は取材当時のものです。
