PayPayグループで働く圧倒的プロフェッショナルに迫るProfessionalsシリーズ。今回は、Financial Services Product本部でCrypto(暗号資産)領域を担当する河野勇輝さんをフィーチャーします。P2P(個人間送金)、PayPayカード、そして現在の金融×Web3領域へ。異なる金融ドメインを横断しながら、自身の専門性をどのように広げ、不確実性の高い領域に向き合ってきたのか。PayPay×Binance Japan連携プロジェクトの裏側を交えながら、不可能ではなく、可能な道を探し続ける、プロダクトマネージャーとしての思考と挑戦に迫ります。
河野 勇輝(かわの ゆうき)
Product統括本部Financial Services Product本部Crypto マネージャー
スタートアップでデータアナリスト、HR系大手企業でエンジニアとして開発経験を経て、2020年PayPay入社。PMとして送金のグロースとユーザー体験の改善などに携わった後、2023年11月PayPayカードへ出向し、生成AI活用プロジェクトなどを推進。2025年9月より現職。
自ら挑戦したいドメインとの出会い
2020年にPayPayへ入社し、P2P(個人間送金)領域でユーザー体験の改善に取り組んだ後、PayPayカードへの出向。生成AI活用プロジェクトなどを経験し、現在はPayPayのFinancial Services Product本部でCrypto領域を担当しています。
PayPayに入ってから、いろいろな金融ドメインに触れる中で、「自分が本当に興味を持てる領域はどこなんだろう」と考えるようになりました。PayPayグループには、決済、カード、証券、銀行など金融ドメインがありますが、同じ金融でも全然違います。PayPayカード出向時に、それを特に実感しました。カード業界で15年、20年キャリアを積んできた方々と一緒に仕事をする中で、「自分はこのドメインをどこまで理解できているか」を考えるようになりました。改めて、追求していきたい領域を考えてみたら、自分の中での答えがCrypto(暗号資産)領域でした。もともと興味のある領域で、技術進化も面白く自分が挑戦したい領域はここだと思うようになりました。
ちょうど、PayPayでもCrypto領域への取り組みが本格化し、自ら手を挙げて今のチームへと移りました。PayPayグループは、いろいろな金融領域に挑戦できる環境です。その中で、自分が本当にやりたいドメインに出会えたのは、すごく大きかったと感じています。

スピードからユーザー体験へ。PayPayの変化と自身の変化
2020年の入社当初は、とにかくスピードが求められるフェーズでした。まず作ってリリースする、そのスピード感があったからこそ、今のPayPayがあると思っていますし、自分自身もかなり鍛えられました。一方で、会社が成長し仕事と向き合っている中で、自分のプロダクトマネージャーとしての考え方も少しずつ変わっていきました。以前は、UIを変更した時もこの変更でKPIがどれくらい伸びるかを中心に考えていましたが、現在は、そのUI変更によってユーザー体験がどう変わるのか、その結果としてビジネスがどう変わるのか、という順番で考えるようになりました。
PayPay自体も、スピードだけではなく、本当にユーザーにとって価値があるものかをさらに深く考えるフェーズに入ってきていると感じています。だからこそ今のCrypto領域でも、単純に新しい技術を扱うだけではなく、それをどうユーザー体験として成立させるかをかなり意識しています。Crypto領域、技術的にはすごく複雑なんです。ですが、ユーザーにとって一番大事なのは、ちゃんと安心して使えるかなんですよね。技術だけでなく、どう体験として成立させるか。その視点は、昔より自分の中でかなり強くなったと思います。
作るだけではない。Crypto領域で担っている役割
担当しているCrypto領域は、単純に「仮想通貨を売買する」だけの世界ではありません。以前は、ビットコインを買うというイメージが強かったと思いますが、今は新しい金融サービスや技術が次々と生まれています。だからこそ、単純にプロダクトを作るだけではなく、この領域が今後どう発展していくのかを考えることも重要になっています。その中で、プロジェクトとして携わっているのがBinance Japanとの取り組み(*)です。仕事は単純なプロダクト開発ではありません。もちろん仕様を考えることもありますが、それ以上に、この領域が今後どうなっていくのかをビジネスチームと一緒に考えたり、外部企業と話をしたり、ユーザーにとってどのような体験があるべきかを整理したりと、かなり横断的な動きをしています。
*関連リンク「Binance JapanとPayPay、PayPayマネーの連携サービスを開始」(お知らせ 2025/11/21)
特にBinance Japanとの取り組みでは、私たちが開発するのではなく、外部企業との連携のため、PayPayとしてどういう体験を実現したいのかを、連携先であるBinanceに理解してもらう必要があります。そのため、仕様を考えるだけではなく、「なぜその仕様が必要なのか」「その変更によってユーザー体験がどう変わるのか」まで含めて説明することも重要な役割です。今の自分に求められているのは、作るだけではなく、体験を成立させることまで含めたプロダクトマネージャーの役割なんだと思っています。

短期間で実現したPayPay×Binance Japan連携
直近で携わったPayPay×Binance Japan連携は、暗号資産を初心者でも不安なく買えるようにするプロジェクトでした。取り組みでは、短期間でのリリース対応が求められていました。限られた期間の中で、まず考えたのは、「どのような体験なら、ユーザーが安心して使えるか」でした。例えば、どこまでの機能が必要なのか。購入だけなのか、売却まで含めるのか。短期間での実現が求められる中で、まずはスコープを整理するところから始めました。その上で、競合サービスのリサーチもかなり行いました。「どういうUIなら使われるのか」「どこまでの機能があれば成立するのか」を見ながら、必要な要件を1つずつ詰めていきました。
特に難しかったのは、グローバル企業との連携だったことです。これまで関わってきたプロダクトマネージャーの仕事は、基本的にグループ内開発ということもあり、自分たちでコントロールできる部分が多かったんですが、今回は違いました。Binance側には、当然グローバル全体としての方針があります。一方で、PayPayとしては、日本のユーザーにとって自然に使える体験を実現したい。その折り合いをどうつけるかが、本当に難しかったです。
例えば、Crypto領域は英語表記が多く、ユーザー全員が英語を読めるわけではありません。一方で、私はもっと自然に理解できるUIにしたいという考えがありました。ただ、グローバル側にはグローバル側のデザインポリシーや制約がある。この変更でユーザー体験がどう変わるのかを、定量・定性の両面から説明し続ける必要がありました。社内メンバーにも実際に触ってもらいながら、「ここはタップしないですよね」「ここで迷いますよね」という調査も行い、調査結果をBinance側にも伝えていきました。今回、単純に仕様を作るというより、ユーザーにとって成立する体験をどう作るかを考え続けていた感覚の方が近いですね。
できないではなく、可能な道を探す
PayPay入社後、ずっと変わっていない価値観が2つあります。1つがオーナーシップ。もう1つが、職種の範囲にとどまらず、領域を越えて踏み込むことです。PayPayでは、「これは自分の仕事じゃないのでやりません」というより、「そのプロジェクトを成功させるために必要なら踏み込む」というカルチャーが強いです。
実際、今回のBinance Japanとの取り組みでも、ビジネスチームとプロダクトチームがお互いの領域にかなり踏み込んでいました。それができるからこそ、短期間でもスピード感を持って進められるんだと思っています。そして、自分の中でPayPayらしいなと思うのが、「できないから進めません」ではなく、「どうすればできるか」を考えるところです。外部開発でコントロールできないことはたくさんありますが、何であればコントローラブルなのかを見極めることはできる。その上で、コントローラブルにするためには何が必要なのかを考えていく。その考え方は、P2Pの頃も、PayPayカード時代も、今もずっと変わっていない気がします。

PayPayだからこそできる挑戦がある
PayPayでCrypto領域に取り組む面白さは、圧倒的なユーザーベースだと思っています。新しい金融体験は、技術を作るだけでは意味がなくて、「ちゃんとユーザーに届くか」がすごく重要なんです。その点、PayPayはユーザー接点も多いですし、決済基盤もある。だからこそ、新しい金融体験をより多くの人に届けられる可能性があると思っています。
もう1つ大きいのが、PayPayは不確実性が高い領域でも、ちゃんと挑戦させてくれる会社なんです。普通だったら「リスクが高いからやめよう」となるようなことでも、「どうすれば成立するか」をちゃんと考えるチャンスをくれる。かなり珍しい環境だと考えています。自分自身も、職種の範囲を越えていろいろなことに踏み込ませてもらっていますし、こういうことをやりたいと手を挙げた時に、挑戦できる環境があるのはすごく大きいですね。
その先に見ているもの
今後も、新しい金融体験の可能性を追求し続けたいと思っています。Crypto領域は、面白い技術や仕組みが数多くありますが、ユーザーにとって大切なのはその複雑さではありません。裏側は複雑でも、ユーザーから見れば自然に使える。その状態をどう作るかを考え続けたいですね。

挑戦したい人にとってPayPayは面白い場所
PayPayの魅力は、領域を越えて踏み込めることだと思っています。プロダクトマネージャーだからここまで、ではなく、プロジェクトを成功させるために必要ならやるという動き方ができる。しかも、PayPayって膨大なユーザー基盤を抱えた本当に大規模なサービスなので、ちょっとした変更でも影響範囲がすごく大きい。だからこそ、プロダクト、テック、ビジネス全部含めて、本格的な開発に踏み込める環境があります。
また、失敗を許してくれるカルチャーですね。もちろん簡単ではないですし、責任も大きいですが、まず挑戦してみようという空気がある。なので、「大きな挑戦をしてみたい」「自分で領域を広げながら成長したい」という人にとっては、すごく面白い環境だと思います。
※募集状況、社員の所属等は取材当時のものです。
