PayPay Inside-Out People and Culture

PayPayでツクル金融のミライ vol.01

2022.02.16

私たちはデータやテクノロジーを使って、「お金」をもっと身近で、便利なものにしていきたいと考えています。人々がライフステージや、年齢に応じて変化していく「ニーズ」に合った金融サービスとスマートに出会い、暮らしを豊かにしていく、そのために私たちPayPayがやりたいこと、描いているミライの姿を、このシリーズでお届けしていきます。
今回は1月1日付けで金融戦略本部長に就任した柳瀬さん、同じく金融推進本部長に就任した川田さんに訊きました。

柳瀬 将良

柳瀬 将良(やなせ まさよし)

金融戦略本部長

ボーダフォン株式会社入社。Vodafone Group Marketing、ソフトバンクモバイル株式会社 プロダクト&サービス本部、SoftBank U.S. Inc. Product Strategy Manager、ソフトバンク株式会社/事業開発本部 フィンテック事業企画部長を経て2018年8月PayPayにジョイン。PayPayでは金融サービス(あと払い、ボーナス運用、ほけんミニアプリ)、ミニアプリ(UberEats、DiDi、PayPayモール、PayPayフリマ、Accelerator Program)を担当。

川田 博樹

川田 博樹(かわた ひろき)

金融推進本部長

株式会社有線ブロードネットワークス(現株式会社USEN)入社。2005年にヤフー株式会社に入社。ヤフオクカンパニー事業推進本部長 兼 コンシューマー事業コントローラー、コマースカンパニーコントローラーなどを歴任し、2018年よりPayPayにジョイン。PayPayでは、チャージコストマネジメントに伴う金融機関との交渉、マイナポイント、JPQR、LINE Pay連携、関係省庁への渉外活動、SBKKやZHDとのグループ内連携を担当。

PayPayで描く金融サービスのミライ

PayPayで実現したいミライを具体的に教えてください

柳瀬:
本当の意味で「誰もが」「自然に」「金融サービスの恩恵」を受けて生活が便利になる世界を実現したいっ!! それって、自分の友達や同僚だけでなく、「両親や小学生の子供達でも自然と使える」を実現するイメージです。PayPayはもう両親の世代や子供の世代まで使えるサービスになっていると思います。同じことを金融サービスでも作っていきます。

川田:
PayPayが登場して、初めてスマートフォンを使った決済やコード決済を使い始めた人が多くいるように、PayPayが金融サービスを提供することによってこれまで金融サービスに触れていたユーザーはもちろん、これまで金融サービスを使ったことがない、触れたことがないユーザーに簡単便利、さらにはワクワクしながらかつ安心に利用してもらえるようにしていきたいと思っています。

本年1月1日付けで金融事業統括本部が新設され、柳瀬さんは金融戦略本部長に、川田さんは金融推進本部長にそれぞれ就任しました。PayPayでやっていきたい金融のミライにおいて、それぞれの本部が果たす役割を教えてください。

柳瀬:
金融戦略本部の業務分掌としては「金融事業の戦略立案、金融事業の企画・立ち上げ」と言っています。PayPayが生み出す「テック・フィン」による新しい事業を作り上げていくその先端役を担う本部だと思っています。

川田:
対する金融推進本部は、PayPayが作った金融に関わる事業や機能をいかに世に広め、ユーザーに使ってもらうか、そうしたことをグループ内外のパートナーと協業しながら進め、結果としてPayPayの収益を最大化させていくことが役割です。と言いつつも、まだその体制構築の道半ばなのですが。

日本と世界を代表する「頭ひとつ抜きんでたフィンテック企業」になるためにPayPayで描く世界とは具体的にどのようなものですか?

柳瀬:
僕は2018年8月からPayPayにジョインして、ソフトバンク時代も含めると既に5年フィンテック事業を手がけてきていますが、まだまだできていないことだらけです。

今、世の中にある金融サービスは、オンラインサービスも含めて、まだまだ使いづらく、不便だと感じています。投資を始めようと思うと元手が必要で、資金準備に時間がかかる。その次には、相談や開設のために金融機関に行ったり、順番に並んだりしなくちゃならない。そして審査があって、後からやっとカードが送られてきて…という具合です。「金融サービスとはそういうもの」と考えられてきたんですよね。

でもユーザーからすると、欲しいときに始めたいし、元手が少なくても少額から気軽にスタートしたい、そんな金融サービスが身近になかっただけで、あれば使いたくなります。

PayPayの原点は常に「ユーザー視点」です。アプリで簡単にチャージができて、いつでも使えて、使った金額に応じてもらえたポイントがその場でわかったりする、そういうところがユーザーから受けているんだと思っています。

世の中のあらゆるサービスは、インターネットやアプリといった、オンラインで便利にしてきましたよね。たとえば夕方や夜のニュースを待たなくても、ネットニュースが見られますし、映画も音楽もショッピングもそうです。
それなのに、なぜ金融だけは給料日当日にATMに並んでいて普通なの?既存の金融商品はどうしてこんなに難しいの?っていうのが課題の根源にあるんです。

去年リリースしたボーナス運用では口座開設しなくても、1円から利用できるようにした

柳瀬:
去年提供を開始したボーナス運用は、いつでも投資をやめて引き出せるようにしました。でも元々が決済時に付与されたボーナスなので、資産運用に回しても痛くないというか、手軽に始められるんですね。1円から利用できるようにしたのも、この手軽さの実現のためです。

既存金融商品のなぜこうなっているの?不便だな、わかりづらいな、始めづらいな、という、せっかく始めようとしているのにやめてしまうポイントを壊し、なくして、もっと便利にしていきたい。これを銀行、証券、カードでもやっていきたいんです。使う、増やす、ためる、備える、そのすべてにおいてやっていきたい。例えばこれまで人がやってきたファイナンシャルアドバイザー業務などもAIが提供したりできますし、UIやUXをわかりやすく、とっつきやすくすることも大いにしていきたいです。

そういうところがイノベーションのジレンマに対する答えなのですか

川田:
はい、そうなんです。
金融サービスは日本にもいろいろありますけど、ナンバーワンのサービスでさえ、利用者は一握りと言えると思います。言い換えれば、日本国内で金融サービスに触れている人はごくわずかで、圧倒的多数はまだ触れていないと言えます。PayPayで簡単かつ便利な金融サービスを提供することができれば、まだ金融サービスに触れたことのない潜在的なユーザー層にリーチしていくことができるはずです。

まだまだ利用者は一握りでしかない。その市場をPayPayで拡大したい

柳瀬:
現在オンラインバンクは全体ユーザーの10%くらいしか使っていないんです。投資もほぼ同じです。証券口座は人口比でいうと2割くらいの人しか使っていない。そういった圧倒的マイノリティな状況を変え、市場を作っていきたい! そこに必ずチャンスがあると思っています。

川田:
ナンバーワンでもまだ狭い領域。
ここにあるチャンスをしっかりと捕らえていきたいですね。
そのためにも、まずはPayPayに触れて頂いているユーザーをもっと増やしていきたい。「あ、PayPayなら使ってみようかな」と感じて頂けるような存在にもっとなっていきたいです。

柳瀬:
PayPayと金融サービスを合わせることで相互に広げていけることがあると考えているんです。学資保険だったり、終活だったり、相続だったり、そうしたライフプランに応じた金融サービスへのニーズは確実にあるはずです。また、必要な金融サービスがそこにあるから、例えば若い人だったり、年齢の高い人だったり、それぞれに提供していけることがある。その結果としてPayPayを便利だと感じて選んで下さるユーザーの数が増えれば、とてもうれしいですよね。

データを使ってその人にあったサービス、使い方の提案ができるはず

川田:
そのためにも、私たちの強みであるデータを使って、その人に合ったサービスや商品を、ちゃんとお届けしたいですし、例えばあまり金融サービスには詳しくない、これまで使ってきていないという人にもデータを活用して最適なサービスや商品を提供できるようになります。データを使うことで、利用状況から、より安全にお客様を守ることもできます。金融サービスにおいて絶対不可欠な安全安心、これもきっちり提供していきたいですね。

柳瀬:
ボーナス運用でも、毎日グラフを見るのが楽しい!というのがきっかけで、PayPayを毎日使うようになり、これまで投資商品を買ったことがなかったけど、買ってみようと興味をもって下さる方も周囲に増えましたよね。

川田:
その増えた分で、買い物すると、なんか楽しい!得した気持ちになるし、もらった気分になる。だから人に自慢したくなる、実質タダで買えた!とどんどんいい連鎖が広がっていき、いいきっかけになるとうれしいですね。

川田さんはヤフー出身、柳瀬さんはソフトバンク出身ですね。それぞれの違いや強みを活かせる好チャンスですね。

柳瀬:
「どんな金融サービスを作りたいか」これは、ムービングターゲットを追いかけるようなものですから、ベンチャー精神をもって、どんどん走り、挑戦しながら、会社は大きくなっていけばよいのではないかと捉えています。金融業界出身のみなさんがPayPayに来られたら、僕らと一緒にデジタル化の波の真っただ中に飛び込んで、真のデジタル化を体現できます。ダイナミズム、醍醐味を感じられるここでの経験、知識、外とのつながりは将来必ず役に立つと信じています。

川田:
金融事業を事業の柱にして、トライアンドエラーしていく、これは他ではできないいい経験になるはずです。金融は経済にとってかけがえのないものですし、PayPayがもつ内製の開発力、生み出す力、加えてソフトバンクグループが持つ銀行、証券、カード、ヤフーやLINEが持つメディアやサービス、こうしたアセットの強みを活かして、抜きん出たフィンテックになっていくことが叶うはずです。

イノベーションを起こすにあたり、社内で意見が拡散したり、衝突、ズレが生じた場合はどう解消しているのか?

柳瀬:
これはもうカルチャーになっているのかもしれませんが、PayPayでは、ユーザー、加盟店、事業という順番に考えるのが定着しています。大企業だと往々にして3つめの「事業」から考えがちですがPayPayでは徹底してユーザーファーストです。

川田:
そう。PayPayでは意外と議論はあるけど衝突がない。

柳瀬:
常に優先度をユーザーから考えるとぶれることはないので、衝突がないのでしょうね。PayPay社内ではもう、ユーザー目線!ユーザーオンリーといっても過言でないほどに、そこを言ってます。僕たちも常に中山さんから「できてないじゃないか!」と。笑。

ユーザーを主語にすると間違わないということなんですね

柳瀬:
そう! ユーザーを主語にすると、どっちが正解かが明確にわかってくるんです。事業を主体にすると、見方によってWin/Lose、Lose/Winがでこぼこしがちですが、ユーザーを主語にするとぶれないんです。

川田:
これからも施策を迷ったり、バックグラウンドの違う仲間や、長い時間軸の中で議論がぶれた時には「主語はユーザーだよ!」と繰り返して、正していけば間違わないと思いますね。ここは、これからもずっと忘れずに、これから来る人たちにも伝承していきたいですね。

柳瀬:
それには、今自分がイノベーションのジレンマに陥ってるよな、と客観的にみることができる力を持つこと、同時に「今、事業のことしか考えてなかったよね?」と気付かせてくれる環境は絶対不可欠です。

どんな仲間にきてほしいか。

柳瀬:
金融の知識、知見を持ちながらも、ユーザー(まずは自分)が気付いていない課題をみつけたり、解決をみつけたり、やり遂げられる人、チャレンジできる人です。カオスではあるけれど、チャンスに溢れているところで一緒に新しいものをつくりたい人は是非来てほしい。

川田:
金融経験を活かしながら、あるいは未経験であってもいい。市場状況は刻々と変化しているので、そのムービングターゲットを追いかけていける人。

柳瀬:
モバイルペイメントの震源地はアジア、東アジアだと思っています。もちろんその他の地域にも優れたサービスが多々あります。各国市場には共有の部分もあれば、特有な部分もあるので、オリジナリティーもラーニングも両方必要です。そうした海外フィンテックの先端事例を常にウォッチしながら、自分たちのモデルを考え、つくっていける世界中の仲間に来てほしいです。

我々はまだDay 1フェーズなのか?

敢えて聞きます。我々はまだDay 1(立ち上げ期)ですか?

柳瀬:
Day 1ですよ! なんにもできてない。
ソフトバンク時代から数えて5年フィンテックやってますが、まだなにもできてない!
だから一緒に金融のミライをつくる仲間を待ってます。

協力:Masayoshi Yanase & Hiroki Kawata / 執筆:Az (PayPay Inside-Out編集部)
※社員の所属等は、取材当時のものです。